小学生の頃、クラスで朝に出欠をとる際「はい、元気です」「はい、風邪気味です」と体調を伝えていた方いませんか?
先日、とある芸人さんのラジオで「はい、元気です」の話をしていて、岩手出身の私はテンションが上がり知人たちに調査してみると、懐かしいどころか「なんで元気って言う必要あるの?」「元気じゃないのに学校来たらダメじゃん」なんて言われてしまい散々な結果に。
今回は『出身地(イナカ)がわかる!気づかない方言』(篠崎晃一、毎日新聞社・著/毎日新聞社・刊)より、「はい、元気です」のように「当たり前だと思っていたのに!」なご当地言葉をご紹介。4月から新しい生活を迎えた方、打ち解けネタとして活用しちゃってください!
一緒に遊び仲間に加わりたいときの言葉
公園でドッジボールをしているグループに混ざりたい時、みなさんはなんと言っていましたか? 全国的に多いのは、「い〜れぇ~て」もしくは「まぜてぇ~」が多いそうなのですが、東北・関西・九州地方では、独特な表現をされているようです。
青森・秋田で強いのが「カデテ」。
「ヨセテ」は京阪神から広がっていった言葉。
佐賀は「カタラセテ」、鹿児島の「カタシテ」、長崎の「カチョッテ」はカデテの変化系だ。
(『出身地(イナカ)がわかる!気づかない方言』より引用)
「カデテ」は、岩手県でも使っていた記憶があります。鹿児島の「カタシテ~」にいたっては、「片付けるの?」なんて気持ちになっちゃうので、知らずに言われたらびっくりしちゃうかもしれませんね。方言って楽しい~!
「どちらにしようかな……」のあとに続く言葉
こちらは以前『探偵!ナイトスクープ(朝日放送)』で調査されており、ネットでも話題になっていたので、地域性があることをご存じの方も多いでしょう。
ちなみに岩手県出身の私は、「どちらにしようかな、神様の言う通り、はいこちらです、おけけのけのけの柿の種」でした。いま思えば、「はいこちらです」という神様のお告げが入っていたり、「おけけのけのけの」って若干下ネタ(?) な言葉があったりと当たり前に使っていた自分が怖いです(笑)。早速、調査結果を見てみましょう!
「どれ(どちら)にしようかな・・・」に続く言葉ランキング(数字は都道府県数)
柿の種・・・32
鉄砲撃ってバンバンバン・・・26
なのなのな・・・21
あべべのべ・・・18
あぶらむし・・・13
あのねのね・・・11
ご飯粒・・・8
玉手箱・・・7
あぷぷのぷ・・・6
赤とんぼ・・・5
毛虫・・・5
(『出身地(イナカ)がわかる!気づかない方言』より引用)
これ以外にも「隣のおばさんに聞けばわかりますよ」といった選んでいる間に「聞いちゃえばいいんじゃね?」 と思うようなものから、「ぷっとこいてぷっとこいてぷっぷっぷっ」なんてオナラを連想させる言葉や、「うさぎの耳が切れた。たぬきのしっぽも切れた」といったグロテスクな決め方などなど様々あるそうです。
もしかすると同じ都道府県内でも学区などによって違うかもしれないので、身近な人に聞いてみたら面白いかもしれませんね。
まだまだたくさんあるユニークなご当地言葉
ほかにも単語の方言などもありますよね。いくつかご紹介します!
宮城県で使われている「ジャス」は、「ジャージースーツ」の略で、体操着を意味しているとのこと。「あ〜今日、体育あるのにジャス忘れた」みたいな会話がされているのでしょうか? 宮城の方、教えてください!
他にも福井県ではテレビの砂嵐を「じゃみじゃみ」とかわいい表現をしたり、愛知県では鉛筆をとがらせることを「トキントキンにしといて~」なんて言ったり、宮崎県では傷口のかさぶたを「つ」と一言で呼んでいるんだとか。
私も「このペン、書かさらない(もうインクがなくなって書けなくなった状態)」と言ったとき、方言とこれっぽっちも思っていなかったのですが、「え、なになに!?」な雰囲気になりかなり恥ずかしかった思い出があります。
インターネットで全世界が繋がるようになった今、標準語や都市の情報が簡単に手に入るようになり、方言を使う機会が減ったように感じます。ちょっと前までは「ダサい」「恥ずかしい」なんて思っている人も多かった方言ですが、地元を代表する際に、はじめましての挨拶代わりに、ガンガン使っていきたいものですね。
(文:つるたちかこ)
【参考書籍】
出身地(イナカ)がわかる!気づかない方言
著者:篠崎晃一、毎日新聞社
出版社:毎日新聞社
毎日新聞紙面で、ネットで、大反響を呼んだ「呼び名で分かる」シリーズがついに単行本化!東京で通じない。場合によっては恥をかく「気づかない方言」。「ごみをナゲル」「背中をかじる」など代表例を都道府県別に集大成!