20代のうちは、なんでも「やります!」「できます!」とすべてを受け入れて夢中で仕事に取り組む人が多いと思います。それが正しいと思っている人がほとんどだと思いますが、果たして本当にそうでしょうか? お願いするほうとしても「この人にお願いしたら断られないし」「この人だったらいつでもOKだし」と信頼されているところもあるかもしれませんが、まったく断らないというのは、一方で自分が本当にやりたいと思っていることから遠ざかっているかもしれませんよね。
「断れない」と「断らない」は全然違う!
先輩のお願いだし、これから重要なクライアントになりそうだし、と仕事をしていると「断れない」状況になることは多々あります。断ることができずに、ズルズルと「どうして今この仕事をしているのか」なんて路頭に迷う前に、20代のうちから「断れる力」を身につけておきましょう。
身につける前にまず知っておいてもらいたいのは、「断れない」と「断らない」は違うよ!ということ。「断れる20代になりなさい!」(千田琢哉・著/すばる舎・刊)よりこのふたつの違いをご紹介致します。
「断れない」というのは、理不尽と思えることや明らかに気の進まないことでもひたすら受け身で、悪くすれば卑屈になって奴隷のようにこき使われることです。
つまり、「断れない」というのは他人によって自分の人生をすべてコントロールされていることに他なりません。
「断らない」というのは、理不尽と思えることや明らかに気の進まないことは「いつでも断ろうと思えば断ることができる」けれども、あえて謙虚に乗ってみることです。
つまり、「断らない」というのは、自分で自分の人生の選択をしていることなのです。
(『断れる20代になりなさい!』より引用)
20代のうちに「断れない人」ではなく「断らない人」になるべきということなんです!では、どうやって断る力を身につけるかをご紹介していきましょう。
ひとつめ:「断る」ことほど早く連絡する
「以前ご提案させていただいた内容、いかがでしょうか?お時間あるときにご連絡頂けますと幸いです。」というクライアントからのメールなども「断る」ことが決定している場合、なんだか申し訳なくて先延ばしにしちゃうことなんかもありますよね。断りの連絡だから、時間があるときにと言われているから、相手を傷つけたくないからと、連絡を先延ばしにしていると、クライアントからは「ずっと無視されている」と感じられ、信頼をなくしてしまうことにつながりかねません。
「断る」ことこそ早めに!これを習慣づけられていると、モヤモヤと悩む時間が減ります。それに年齢とともに役職が上がっていくと、決めなくてはいけない場面にも多く遭遇します。断ることに若いうちから慣れておきたいですもんね。
ふたつめ:積極的に「断られて」みる
仕事をしていれば、あなたが「断られる」こともありますよね。そんなとき、あなたはどう感じますか?「あーあ」と残念に思って終わりでしょうか。それとも最初から、こんなのは無理だなと、断られることが怖くて積極的に依頼できていないかもしれません。あえて断られにいくことで、どんなメリットが得られるのでしょうか?
メリットの一つ目は、まず、断られることに対してそれほど苦でなくなり、免疫ができます。
メリットの二つ目は、断り方のサンプルが蓄積されるのです。
(『断れる20代になりなさい!』より引用)
営業マンなどで「俺はここ数年、断られたことないんだよ~」なんていう人も、営業マンになりたての頃はとことん断られることを経験していたかもしれません。
みっつめ:引き受けた仕事には101%のパワーで!
これまで「断る」ことを紹介してきましたが、断ることの反対に「引き受ける」ことがあります。ただただ断り続けていくだけでは、結果、なにもしない人になってしまいますからね。でも101%の仕事ってどうしたら……? そんな方は、以下のようなちょっとしたことでもいいそうですよ!
営業の仕事であれば、お金の振り込みをしたらお礼状を出しておく。
事務の仕事であれば、郵便局にでかける際に他に投函してほしい送付物はないか周囲に声をかけるようにする。
繁盛している定食屋さんが、定食のご飯をちょっと多めにするあの感覚です。
(『断れる20代になりなさい!』より引用)
20代のうちは右も左もわからないからとにかくやってみる!そんな気持ちの新入社員さんもいるかもしれませんが、そのうちに「合う仕事」「合わない仕事」がわかってくると思います。自分の本当にやりたいことが見つかったけど、そのときには遅かった……、なんてことがないよう、今のうちから「断れる力」を身につけておいて、イケてる30代以降のキャリアを築いていきまっしょい!
(文:つるたちかこ)
【参考文献】
断れる20代になりなさい!
著者:千田琢哉
出版社:すばる舎
理不尽な雑用や同僚の強引なお願い、上司からの誘いなどは、断って嫌われたり、生意気だと思われたりしないかと不安になってしまい、なかなか断りにくいもの。
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