本・書籍
2017/5/14 15:00

「ヘタを打つ」「カタにはめる」の意味がわかりますか? 「ナニワ金融道」のすすめ

最近、Kindle Unlimitedという電子書籍の読み放題サービス(月額980円)に申し込んで、「ナニワ金融道」という漫画を読みました。 消費者金融(街金)にまつわる様々なエピソードを描いたものです。

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わたしが「ナニワ金融道」全19巻を通読するのは3度目です。雑誌連載していたのは1990年代ですが、いま読んでも学べることが多いと感じました。

 

エッセイ本「ナニワ金融道 なんでもゼニ儲けや!」(青木雄二・著/インプレス・刊)は、作者自身が「ナニワ金融道」の内容を例にして「だまされずに生きるコツ」を解説しています。

 

困っている時ほど、だまされやすい

銀行の帯封がついた札束は、そこに書かれた通りの金額があると信じてしまうやつが多い。

けど、そんな裏付けのない権威を信用したら、必ずヘタを打つ。自分で確認せなあかん。

(『ナニワ金融道 なんでもゼニ儲けや!』から引用)

 

「ヘタを打つ=考えが足りずに失敗する」という意味です。
関西地方の方言ですが、わたしは『ナニワ金融道』でこの言葉を知りました。

 

「ヘタを打つ」という言葉には「だまされる」という意味もあります。

 

消費者金融というのは、個人だけでなく、急な資金繰りを必要としている自営業者にも融資をおこないます。
『ナニワ金融道』第1巻には、差し迫った手形決済のために300万円の融資を必要としている建設会社社長が登場します。
当日の午後3時(銀行振込が当日扱いになるタイムリミット)までに300万円を入金しなければ、約束手形が不渡りになって会社が倒産してしまうという状況です。

 

いやらしいことに、「ナニワ金融道」の街金は、午後3時ギリギリの時刻に「3つの札束」を持参します。
建設会社社長は焦っています。300万円を銀行の営業時間内に持っていかなければ、会社が倒産してしまうからです。

 

「ヘタを打つ」の実例

あわてて借用書にサインして、街金から「3つの札束」を受け取ると、建設会社社長は枚数を確認せずに銀行に向かいます。 なぜなら、受け取った札束には「銀行の帯封」がしてあったからです。

 

じつは街金は、事前に札束のひとつから1万円札を1枚だけ抜いていました。 期限までに299万円しか入金できなかった建設会社は、やがて倒産しました。 札束3つと引き換えに借用証を取り交わしたとき「間違いなく300枚あることを数えなかった」のが原因です。

 

これが「ヘタを打つ」ということです。 街金にしてみれば、事前に担保や連帯保証人を確保してからカネを貸すので、絶対に損がありません。 利息分を含めて、貸した300万円以上の金額を回収するつもりでいます。 はじめからそれが目的で、相手の弱みにつけこんで、わざと「決済時刻ギリギリに現金を用意した」のです。

 

このような手口を、「ナニワ金融道」では「カタにはめる」と称しています。

 

今後だまされないために読むべきマンガ

東京の私鉄の駅の改札係のおっさんが、お釣りなどの現金を毎日毎日、数十年間ネコババしつづけていたという事件があった。
それこそ、1回に50円、100円という単位や。
それが、結局300万円を超える額になったときに、バレてしまった。(『ナニワ金融道 なんでもゼニ儲けや!』から引用)

 

その鉄道会社では「一日の売り上げの3パーセント以下だったら、計算があわなくてもやむを得ない」ということになっていたそうです。 つまり「10万円の売り上げがあったら、3000円までは足りなくてもバレなかった」というわけです。 他人をだまそうとする悪人は、善良な人間が思いつきもしない方法を用います。油断できません。

 

今回ご紹介した「ナニワ金融道」全19巻には、さまざまな方法で「カタにはめられる」被害者が登場します。 わたしは「保証人と連帯保証人の違い」や「担保の種類」や「約束手形のルール」や「ネットワークビジネスの手口」などの基礎知識を、この漫画ではじめて知ったおかげで、だまされずに済んでいます。

 

「ナニワ金融道」は、読んでおいて損はない名作マンガだと思います。

 

(文:忌川タツヤ)

 

【参考文献】

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ナニワ金融道 なんでもゼニ儲けや!

著者:青木雄二

出版社:インプレス

『ナニワ金融道』の青木雄二がいかにゼニを稼いで生き抜くかを教えます! 戦後一貫してアメリカ式の資本主義政策を推し進めてきた日本。金持ちはいっそう金持ちに、貧乏人はいっそう貧乏になっている。それでは大多数の貧乏人はどうすればいいのか。それが、本書のテーマである。世の中には儲ける人と損する人間の二種類しかいない。一言で言うとみんな「世間知らず」なのだ。だから、簡単に損する人になってしまう。この本を読めば、ゼニ儲けがそこまで難しくないということが分かる。ゼニ儲けにはルールがある。基本を押さえればあとは個人のアイデアと工夫で昇華させていけばいい。そして、この本には政治家や資産家などが国民に知られたくない「ゼニ」と「世の中のカラクリ」についても存分に詰め込んである。ゼニは人生においてすべてではないが使い方で大いに役に立つ。みなさんも本書を読んでゼニ儲けのカラクリを知って最高の人生を目指して欲しい。

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