私は動物園に行くのが好きです。上野動物園から旭山動物園、あちこち出かけています。そして、愛らしく、たくましい動物たちの姿に感動しています。
ところが、動物たちが自然界で生きていくのは大変です。
『泣けるいきもの図鑑』(今泉忠明・著/学研プラス・刊)を読むと、動物たちの辛く、涙するエピソードが満載です。さっそくページをめくってみましょう。
サルも木から落ちる!?
テナガザルといえば、腕の長さが胴の2倍以上もあるサルの仲間です。主に木の上で暮らし、移動するときは腕を巧みにつかって、すごいスピードで木から木へと移動するイメージです。
これをうでわたりといい、特に、東南アジアを中心に生息するシロテテナガザルは名人として知られます。
ところが、筆者が衝撃的な事実を紹介しています。
めすの28%、おすの37%が、うでわたりに失敗して骨折し、自然に治っていたことがわかりました。
(『泣けるいきもの図鑑』より引用)
なんとも気の毒です。原因は、熱帯の森では木の枝が枯れていることがよくあるそうで、掴んだ瞬間に折れてしまうためなのだそうです。
ヤマネの冬眠は命がけ
日本の本州、四国、九州などに生息するニホンヤマネは、体長6.1~8.4cmほどの愛らしい姿が特徴です。主に野山で生活していますが、秋から春にかけて冬眠します。
ところが、冬眠中は体温が0℃近くまで低下。しかも、30分に1回程度しか息ができません。これはなるべく、エネルギーを使わないで眠るための工夫なのだそうです。しかし、冬眠中にはこんなアクシデントも…!
木のうろの中やえだの上などに作った丸い巣で冬眠するものがいるのですが、みきやえだがおれて雪の上に落ちてしまうこともあります。目を覚ませば移動しますが、ねむったままのことも! その場合、もちろん死んでしまいます。
(『泣けるいきもの図鑑』より引用)
キツネなどの天敵に襲われることもあり、冬眠もなかなか命がけなのです。
ニシキヘビの後悔
巨大で強いヘビといえばニシキヘビ。自分の体よりも大きな動物をそのままのみこんでしまいます。ところが、丸のみは意外に危険なようです。
丸のみが原因で死んでしまったヘビもいます。たとえば、ヤマアラシをのみこんだニシキヘビは、そのはりのせいで死んだそうです。
(『泣けるいきもの図鑑』より引用)
ヤマアラシのトゲトゲの針が体内に刺さったら… 痛そう! これはニシキヘビ、気の毒です。のまれたヤマアラシの最後の抵抗、といえるかもしれませんね。
また、ある動物園ではニシキヘビにヤギ(!)を与えたところ、角で腹が裂けて死んでしまったのだとか。これは間違いなく、動物園の人が悪いのですね(汗)。
動物たちは生きるのに必死だ!
いかがでしたでしょうか。間抜けな動物から、気の毒な動物まで、動物たちの奥深い世界を垣間見れたと思います。
他にも、モグラはなんと3~4時間なにも食べないだけで、飢え死にしてしまうのだそうです。理由は、土の中にトンネルを掘るのに、すごくエネルギーを使うからだとか。1日に自分の体重と同じくらいの量のミミズなどを食べなければいけません。めちゃくちゃ燃費が悪いんですね…(汗)
厳しい自然界のなかで必死に生きている動物たち。愛らしい姿の陰には、数々の大変なドラマがあるのです。
【著書紹介】
泣けるいきもの図鑑
著者:今泉忠明(監修)
出版社:学研プラス
「脂肪のせいで上手くもぐることができない」アザラシや「毎日10分しか眠ることができない」キリンなど、生き物77種のかわいそうでいじらしい生態を紹介!さらに、「忠犬ハチ公」など感動の実話も11話収録。感動泣きから笑い泣きまで、この一冊!
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