年収が高い人ほど読書をしているという調査結果がある。年収500万円未満の人の読書時間は半数が1日5分未満だったのに対し、年収1500万円以上の人は30分以上読書すると答えた人が4割だった(2012年・楽天リサーチとプレジデント編集部の調査)。ではどのような本をどのように読めば収入増に近づくのだろうか。
自分の専門分野の本はすぐ購入する
『お金持ちになる男、なれない男の習慣』(学研プラス・刊)の著者である臼井由妃さんは発明で億の富を得たことで知られる実業家だ。彼女は年間約400冊もの本を読む。本を読むと成功の確率を上げるのだというが、その理由は、新しい情報を仕入れることができるからだという。彼女は日々多くの新刊が出版されるなか、自分の専門分野に関係した本を見つけると、すぐに購入し、新しい刺激を受け、仕事のヒントやアイデアに出会う可能性も高めているそうだ。
似たようなことは筑波大学准教授である落合陽一さんの『超AI時代の生存戦略』(大和書房・刊)にも「今、この世界で誰が何をやっているのかを調べ続けるという作業が、絶対に必要だ。自分がやっていることに近しい分野のことは、よく知っておかなくてはいけない」とある。専門知識を得た人は、識者としてコメントを求められたりなど仕事の幅も広がりやすい。このジャンルならまかせてほしいと言えるほどの最新知識を身につけるためにも、常にそのジャンルの新刊をチェックし、時代の流れについていくことが必要なのだ。
第一線で活躍中の人が書いた本を選ぶ
臼井さんは本を買う前に、その著者のプロフィールを必ずチェックするという。そして大学教授が書いた本にはあまり手を出さないという。実用に適さない研究や論文が書かれていることがあり、ビジネスに結びつかないことが多いそうだ。また、かつてそのジャンルで成功した人が書いた本も、過去の話なので情報の新しさがないという。今、まさにそのジャンルの第一線で活躍している人が書いた本にこそ、使えるリアルな情報が溢れているのだ。
第一線の人は多忙だからなかなか本を書く時間まではないだろうと思う人もいるかもしれないけれど、実はそういう人ほど本も出している。出版社が書いてくださいと要請しているのかもしれないし、本人が一般の人にも是非伝えたいと思い、寸暇を惜しんで書き上げたのかもしれない。この頃は社会情勢の変化も激しく、刻一刻と情勢が変わるので、最先端で動いている人の情報は以前よりも貴重になっている。読むと「世の中はこんなに進んでいるのか!」と驚くことが多いはずだ。
失敗例が書いてある本を選ぶ
臼井さんは、成功例だけでなく、失敗例も描かれている本を選ぶようにしているという。確かにビジネスは必ずしも右肩上がりではない。山あり谷ありなので、美談や儲け話だけが書かれているのではバランスが取れない。実際のところ、どんな苦労があったのか、どんな壁に当たったのか、そしてどうやってそれを乗り越えたのかが書かれているものは、大いに参考になるはずである。
20年以上も前の話になるが私はモスバーガー創業者の桜田慧さんが書いた『若かったらこんな商売をやってみないか』(経済界・刊)を読み、感銘を受けた。日本人の口に合うオリジナルバーガーを作ろうと悪戦苦闘する姿が包み隠さず書かれていたからだ。どれほどの愛情を持って、美味しい品を完成させたかを知って以来すっかりモスバーガーのファンになり、母親になった今も子連れで店に行く。
第一線で活躍している人の本を読むと、圧倒的な情報量を持ち、常に最新のデータも足していることがよくわかる。属する業界の最新動向を把握することは、仕事にも必ず役立つはずだ。今の自分に役立つ本を意識して読み続けることは、収入アップの近道となるのかもしれない。
【著書紹介】
お金持ちになる男、なれない男の習慣
著者:臼井由妃
出版社:学研プラス
マネーの虎の女社長が明かす、成功する男の必須条件。健康器具、化粧品販売などの開発・販売を通じてデキるビジネスマン達に出会うとともに、自らの経験から、成功する男とデキない男の違いを一刀両断!お金持ちになる男の習慣とは、一体何なのか!?
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