本・書籍
2018/4/10 18:30

「富山県のひみつ」――13の鉄軌道に乗って富山を味わい尽くせ

富山県といえば、黒部ダム、おわら風の盆、世界遺産の五箇山合掌造り集落などの観光で有名です。ほかにも、富山の薬は全国的に知られている産業ですし、ほたるいか、ますの寿司などで有名な日本有数の美食の宝庫でもあります。

 

富山県は奥深い県ですが、実は、鉄道ファン垂涎の、ローカル線の宝庫でもあるのです。

 

鉄道ファンのお父さんも絶賛!

おなじみの学研“ひみつシリーズ”の「富山県のひみつ」(松本義弘ほか著/学研プラス・刊)は、主人公のタクヤくんのお父さんが鉄道ファンで、写真好きという設定です。

 

マニアックなお父さん曰く、富山県にはなんと“13”もの鉄道や軌道があるので、“鉄軌道王国”と言われているのだそうです。そんなお父さんに乗せられて、タクヤくんは富山の鉄道について調べて、学校で発表しました。

 

その後、富山県に興味がわいてきたタクヤくん。なんと、富山から転校してきたガールフレンドと一緒に(お父さんも同伴で)富山県を旅することになるという、なかなか強引かつ楽しい内容です。本書では、なんと親子で富山のローカル線をほぼ乗りつくしています。その中から、ぜひ乗ってみたいローカル線を紹介しましょう。

 

 

絶景の連続、黒部峡谷鉄道

富山県は北陸新幹線が開業して、首都圏からグッと近くなりました。東京~富山駅間は最速の「かがやき」に乗ると、2時間あまりで行くことができます。

 

宇奈月温泉駅から、徒歩で5分ほど歩くと黒部峡谷鉄道の宇奈月駅に着きます。黒部峡谷鉄道は、富山を訪れたらぜひ乗りたいローカル線の筆頭でしょう。もともと電力会社が水力発電の電源開発のために建設された鉄道なのですが、日本三大峡谷のひとつである黒部峡谷の絶景を楽しめるとあって、家族連れにも大人気です。

 

宇奈月~欅平駅の全区間が絶景スポットの連続。窓がないトロッコ列車に乗って眺める景色は格別です。特に、宇奈月駅を発って程なく渡る真っ赤な新山彦橋から見えるは、黒部川を跨ぐ景色はインスタ映えすること間違いなし!

 

 

あの人気キャラとコラボ! JR氷見線と万葉線

さらに、見逃せないのが高岡駅から伸びているJR氷見線です。越中国分~雨晴間は、線路が浜辺すれすれの場所を通る区間があり、雨晴海岸の絶景を望むことができるのです。ここも、インスタによく投稿される絶景ポイントです。

 

タクヤくんのお父さんも車窓に大興奮。曰く「海越しに立山連峰が見える、有名な撮影スポット」なのだとか。雨晴海岸は、雨晴駅から徒歩で5分ほど。途中下車するにはもってこいですね。

 

富山県といえば、漫画界の巨匠である藤子不二雄A氏と藤子・F・不二雄氏の故郷です。氷見線と城端線には“ハットリくん列車”が、万葉線には“ドラえもんトラム”が走っています。こちらも、親子で乗っても楽しめますね。

 

 

親子で富山県の鉄道に乗ろう

本書はいたるところに鉄道の情報が散りばめられています。例えば、富山地方鉄道には西武鉄道の特急電車「レッドアロー号」で使われていた車両が走っているなど、濃い知識が満載です。

 

本書は、どう考えても鉄道ファンの編集者が作ったとしか思えないほど、誌面の多くが鉄道の紹介に割かれています(笑)。「富山県のひみつ」というより、「富山県の鉄道のひみつ」でもよかった気がしますが、こういう本、ステキです。

 

親子の絆が深まり、お父さんも大満足間違いなしの富山県の鉄道の旅、おすすめですよ!

 

 

【書籍紹介】

富山県のひみつ

著者:松本義弘(構成)、谷豊(漫画)、藤子不二雄A(キャラクター)
発行:学研プラス

富山湾と山々に囲まれて、豊かな自然とおいしい水、お米、お魚がいっぱいの富山県。実は〝鉄軌道王国″といわれるほど鉄道や路面電車があるんだ。富山のすばらしい歴史や文化・産業にも出会いながら、君のお気に入りの〝ひみつ″をこの本から見つけてね。

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