『倫理・哲学の特別講義』――暇だから考える、あくびしながら本を読む。哲学を気楽に考えてみる

ink_pen 2018/4/16
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『倫理・哲学の特別講義』――暇だから考える、あくびしながら本を読む。哲学を気楽に考えてみる
三浦 暁子
みうらあきこ
三浦 暁子

1956年生まれ。大学在学中に結婚、専業主婦を10年ほどした後、突如、文筆活動を開始。現在は神戸市在住。エッセイストとして活動しています。著書には『ボルネオの白きラジャ』(NTT出版)、『梶本隆夫物語』(燃焼社)、共著に『家族はわかり合えないから面白い』(三笠書房)などがあります。

私の息子は、大学院で哲学を学んでいます。プラトンの研究者になりたいといいます。けれども、私はプラトンについてまったく知識がありません。名前くらいは知っていますが、内容となるとちんぷんかんぷん。

 

一応、良いお母さんになりたい私は、何とかして息子の学んでいるプラトンについて理解しようとしてきました。けれども、やはり難しくてよくわかりません。

 

 

プラトンを理解したいのだけれど

反省した私は、せめてと思い哲学に関する本を読むことにしました。プラトンの『パイドン』にもトライしました。ベストセラーになった『ソフィーの世界』も読みました。けれども、これがなかなかに手強いのです。

 

どれも私には難しく、もうあきらめようと思ったりしました。

 

それでも、今回、もう一度、挑戦と思い、『倫理・哲学の特別講義』(大磯仁志・著、清水雅博・監修/学研プラス・刊 )を手に取りました。息子が必死で勉強していることをまったく理解できないのも、情けないではありませんか。

 

幸い、この本は読者の代表として「チカ」と「テツ」という二人の生徒が登場し、先生に質問しながら理解を深めるといいます。なんだか楽しそうでしょう?「チカ」は「エチカ(倫理)」から取った名前で、「テツ」は哲学から名付けたのだそうです。

 

広大な世界

『倫理・哲学の特別講義 思想の流れと、現代の諸問題』は実に広範囲な領域を扱っています。次のような内容ですから、すべてを網羅しようとしているのかもしれません。

 

第1章 現代社会の特質と青年期の課題
第2章 源流思想
第3章 西洋近・現代思想
第4章 日本思想

 

難しい言葉も多く、挫折しそうになりました。けれども、膨大な考え方、信じられないほどの言葉の数々に触れているうち、私はその広大さを感じるだけでいいのだと思うようになりました。実際の研究は、天文学的な言葉の数々から本当にたった一言の持つ意味について、深く掘り下げていくものなのでしょうが、私はほんのちょっとだけ覗けばそれで満足なのです。

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