腹がへったらもやしいため
熱いフライパンの上のもやしは最初は大げさな音をたててさわぎまくるが(中略)やがてもやし全体がしんなりおさまりつつあるところで男は激しい決断を迫られる。そこに何を入れて技を決めるか。
選択肢は結構限られている。
「醤油かソースか」
普通の男としてはこのくらいのシンプル技のなかで勝負してもらいたい。(『玉ねぎフライパン作戦』から引用)
もやし炒めの味付け。単純であるがゆえに深遠なテーマです。椎名誠さんは、醤油とトウガラシの組み合わせが好きなようです。場合によっては「トウバンジャン、コチジャンも認める」と述べています。
1袋200グラム入り。消費税込みでも100円未満。ほかの野菜が値上がりしている時期には、もやし頼みの食卓になります。我が家では、塩コショウの味付けに落ち着きました。シンプル・イズ・ベスト。お試しください。
サンドウィッチの今昔物語
ミックスサンドといいながらハムとタマゴしかないのも不真面目としかいいようがない。ミックスなどとは大袈裟な。「二種類サンド」と表記すべきである。
(中略)
この「ミックス」を不当表示する「二種類サンド」の時代は長く続いたがさいきんここにようやくポテトサラダのようなものが加わり「三種類サンド」の時代になった。
(『玉ねぎフライパン作戦』から引用)
「ツナサンド」「タマゴサンド」。この組み合わせだけでも満足ですが、さらに「ハムレタスチーズサンド」「ポテトサラダサンド」や「カツサンド」などが入っていれば大満足できます。
3種類以上のミックスサンドを好む人の気持ちはよくわかりますが……。最近のコンビニでは、種類が少なくても満足できるサンドウィッチを見かけます。
たとえば、セブン‐イレブン『クリームチーズ&バジルチキン』、ローソン『海老とブロッコリーのサラダサンド』、ファミリーマート『全粒粉ボンレスハムとゴーダチーズ』など。具が1〜2種類でも文句なしの満足度です。お試しください。
【書籍紹介】
玉ねぎフライパン作戦
著者:椎名誠
発行:KADOKAWA
はらがへった夜には、フライパンと玉ねぎの登場だ。勘とイキオイだけが頼りの男の料理だ、なめんなよ! 古今東西うまいサケと肴のことがたっぷり詰まった、シーナ節全開の痛快食べ物エッセイ集!