本・書籍
2018/5/10 13:30

1日に、結ばれるカップルと別れるカップル、どっちが多い?――『日本で1日に起きていることを調べてみた』

1日あたりの孤独死の数


1日に、日本のどこかで孤独死する人
約88人
(NHK調べ)

(『日本で1日に起きていることを調べてみた』から引用)

 

1年間では、約3万2千人が孤独死(孤立死)しています。そのうち半数が「60歳以上の高齢者」です。誰にも気づかれずにひとりで死ぬ。孤独死。悲しい響きのことばです。

 

内閣府によれば、ひとり暮らしのお年寄り(60歳以上)は「約600万人」です。遺体の発見が遅れがちで、息絶えた数ヶ月後に発見される事例もあります。

 

孤独死における「発見までの日数」や「発見原因」を調査したデータがあります(日本少額短期保険協会調べ)。死後3日以内に発見されるのは、全体の2割にすぎません。発見までに2週間〜1ヶ月以上を要することが多いようです。

 

発見原因は、郵便物滞留(29.3%)、異臭(18.5%)、家賃滞納(7.0%)などです。孤独死をする人の半数は、親族や友人には見つけてもらえません。

 

Lonely Death(孤独死)。じつは、高齢者だけの問題ではありません。孤独死の25%は「49歳以下の男女」によるものです。他人ごとではありません。

 

 

日本の水資源と仮想水


水資源の年間使用量 約805億㎥
仮想水の年間使用量 約800億㎥
(国土交通省水資源部、環境省統計)

(『日本で1日に起きていることを調べてみた』から引用)

 

仮想水(バーチャル・ウォーター)をご存じでしょうか? 環境省によれば、仮想水とは「食料を輸入している国において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したもの」です。

 

たとえば「牛丼・並盛」には、間接的に、他国の水資源がたくさん使われています。肉牛を育てるためには、大量の穀物が必要です。肉牛が食べる「1kgのトウモロコシ」を生産するために必要な水は「1,800リットル」。つまり、牛肉1kgに換算すれば「20トンの仮想水」が使われています。

 

わたしたち日本人は、さまざまな食品を輸入することによって、自国の水資源を使わずに済んでいるだけです。統計データを理解すれば、世界の真実を知ることができます。お試しください。

 

 

【書籍紹介】

日本で1日に起きていることを調べてみた 数字が明かす現代日本

著者:宇田川勝司
発行:ベレ出版

「1日あたり、失われる国内の田畑」「1日にコンビニで廃棄される食品」「女子高生が1日にスマホを使う時間」・・・・・・自然現象から日々の暮らしのことまで、言われてみると、意外と知らない現代日本の姿を調べてみました。日々起きている事柄は、見聞きしていても意外と正しく捉えにくいものです。しかし、1日という時間を尺度にした数字で表すことで、その実態を克明に浮かび上がらせることができます。国内では何が起こり、どのような問題があるのか、そして日本はどのように変わりつつあるのか、本書では、客観的な数字やデータをもとにその意外な側面や驚きの事実に迫ります。

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