学生時代も社会人になってからも、そんなに映画を見てこなかったのですが、ある方を知ってからむさぼるように映画を見始め、今では週に1本は自宅や劇場で映画を見ないとソワソワしてしまう人格になってしまいました。その方とは、映画評論家・ 町山智浩さん。1995年に雑誌「映画秘宝」を創刊し、渡米。現在は、カリフォルニア州バークレーのご自宅からラジオ番組「たまむすび」(赤江珠緒さんおかえりぃー!)の毎週火曜日にご出演され、約30分アメリカの最新事情を交えながら「アメリカ流れ者」というコーナーで映画を紹介されています。
今回は、TBSラジオ大好きリスナーである私が責任を持って! 『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(町山智浩・著/TBSラジオ「たまむすび」・編/スモール出版・刊)の魅力をお伝えさせていただき、ラジオを聞いて映画を見ようキャンペーンを勝手に進めちゃおうと思っています。
町山さんの魅力その1「豊富な知識」
『町山智浩の「アメリカ流れ者」』はラジオでお話していたことを元に、書籍化された一冊です。会話調で読みやすくわかりやすいので、映画あまり見たことないという方でもとてもとっつきやすい内容だと思いました。個人的にオススメなのが、マシュー・ヴォーン監督の『キングスマン』(2014年)。この映画は、何も知らずに見てもめちゃめちゃアガって楽しめるスパイ映画でしたが、町山さんのこの一言があるかないかで、映画の見方が大きく変わったと感じました。
さらに面白いのは、マシュー・ヴォーン監督の父親が昔スパイを演じていた俳優だということです。彼の父親はロバート・ヴォーンという俳優で、60年代のスパイドラマ『0011 ナポレオン・ソロ』で主役のナポレオン・ソロを演じていました。「洋服屋の試着室がスパイの秘密基地への入り口になっている」という設定は、『ナポレオン・ソロ』へのオマージュです。
(『町山智浩の「アメリカ流れ者」』より引用)
へー! ってなりません?(笑)
規模がでかい話ではありますが、映画で親子の思いを引き継いでいるなんてかっこよすぎる! しかしDNA鑑定をしたマシュー・ヴォーン監督、血縁上の父親はイギリス貴族のジョージ・ドゥ・ヴィア・ドラモンドという人だったということがわかったんだとか(笑)。その辺も含めて『キングスマン』を見てみると主人公が監督のようにも思えてしまって、好きな映画がより大好きになったエピソードなのです。
他にも、若くして亡くなってしまったスタローンの息子さんの話や、アカデミー賞を受賞するまでのディカプリオの話など、「どうやってその知識手に入れたんだ?」と思うことがたくさん。せっかく教えてもらった情報ですから、「これ町山さんが言ってたんだけどね」と映画通ぶって、友達に自慢しちゃいましょう!