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歴史
2018/5/31 6:00

【今日の1冊】「強敵」と書いて「とも」と読む。人生にはライバルが必要だ――『最強ライバルビジュアル大百科』

 

索引+数々の工夫が嬉しい

巻末に便利な索引がついているため、見たい人物をたやすく逆引きできるのも魅力だ。それだけではない。他にも、数々の工夫が凝らされている。いくつかあげてみよう。

 

1.ライバルのグループ分け:日本の歴史の中で、ライバル関係にあったと思われる、主な人物やグループを選び、時代ごとに分けてある。

2.人物の想像画がある:必ずしも歴史的に正確ではないと但し書きはついてはいるが、劇画調のイラストは胸に響くし、難しい名前の人物も、ビジュアルで示されるとわかりやすい。

3.人物の名前:呼び名がいくつかある場合は、代表的な名を用いているので、混乱を防ぐことができる。

4.勝敗が示される:ライバル関係であるからには、勝敗はつきものだ。しかし、勝ったのか、負けたのか、判断が難しい場合もある。その場合は「不明」とするのも納得できる。「引き分け」も多い。人間関係は、そうは簡単に勝ち負けで判断できないものだということだろう。

 

 

時代劇にも便利な一冊

時代劇を見ていると、物語に集中したいのに人間関係がわからなくなり、「えーっと、これは誰だっけ」となることがある。そんなときも、『最強ライバルビジュアル大百科』があれば「あ、そうだった!」と、気づくことができる。頭の中にある記憶の断片をつなぐのに役立つのだ。

 

歴史の暗記が苦手な人でもこの本を眺めてさえいれば、ウンウンうならずとも自然とライバルたちの人生が頭に入っていくだろう。歴史の試験が苦手な学生にはぴったりかもしれない。暗記しようと張り切らなくても、大河ドラマが頭に流れ込んでくるようなものだからだ。

 

たとえば、現在、大河ドラマで話題の西郷隆盛については、3組ものライバル関係が取り上げられている。

 

まずは、西郷隆盛VS徳川慶喜のライバル関係。これは、新政府軍を指導した西郷隆盛の勝利に終わっている。徳川慶喜も戦いを受けてたったものの、結局は戦意を失い、静岡で静かな生活を送ることとなった。

 

次に、勝海舟VS西郷隆盛のライバル関係。これは引き分けのまま終わったとされている。勝海舟は西郷隆盛に直接会い、江戸城の無血開城を成し遂げたからだ。

 

最後に、大久保利通VS西郷隆盛のライバル関係。彼らは同じ新政府のリーダーとして友好な関係を築いていたが、やがて対立。西郷隆盛は故郷の鹿児島で政府に対して西南戦争を起こすも敗れて自害。二人の戦いは大久保利通の勝利で終わった。

 

 

あなたのライバルはどんな人?

多くのライバル達が対立したり和解したりする様は、現在にも通じる関係である。時代が変わっても人間関係は、その根底のところでは変わらないということだろうか。

 

ライバル関係とは相手を意識することであり、敵対視しつつも、なくてはならぬ人間だと認めていることでもある。勝ち負けではっきり決めることができない関係も多く存在する。時に激突し、また時に歩み合う、それがライバル同士の姿であり、人が生きてる限り続く、人間関係だと言えるだろう。

 

あなたにもライバルがいるだろうか? それはどんな人だろう。
ライバルと良い関係を築いているだろうか? 自分で自分に聞いてみよう。

 

ライバル、それはあなたと対立しながらも、あなたを支えるものでもあるだろう。

 

【書籍紹介】

最強ライバルビジュアル大百科

著者:入澤宣幸、田代脩
発行:学研プラス

古代から現代に至るまで、80以上の日本史の重要人物とそのライバルの対決を迫力満点のイラストとエピソード、人間関係や社会情勢などがよくわかるコラムで紹介。時代を超えた人物同士の夢のライバル対決ページや、勢力同士のライバル関係なども掲載。

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