夫が不眠症で苦しんでいた頃がある。お医者様は私に「ご主人のために、ストレスを発散させるために、趣味があった方がいい。あなたが何か考えてあげてください」と、おっしゃった。
「私がですか?本人ではなく?」と、聞くと、「ご主人は眠れないことで頭がいっぱいで考えることができないのだから、あなたが代わりに考えてあげてください」とのことだった。
不眠症を治すために「釣り」を勧めてみる
私は悩んだ。夫とはいえ、他人の趣味を私が決めるなんてこと、できるのだろうか。
それでも、頭をしぼって考えた末、まず、思ったのが早朝の散歩だった。私たちが暮らしている神戸は海と山に挟まれていて、散歩するには絶好の場所だっ た。とはいえ、寝坊の私は、起こすことさえできず、これは実行不可能だとわかった。
夫は子どものころは魚の博士になりたいと願うほど、釣りと魚が大好きだからだ。私に釣りを教えてくれたのも、夫だった。やってみると、釣りは大変面白いレジャーであった。
釣りを始めようと思うなら
もし、あなたがこれから釣りを始めようと願うなら、『学研の図鑑LIVE POCKET つり』(刈田 敏・著 /学研プラス・刊)は、大変、役に立つ。
釣りは手軽に始められるが、道具やえさなどの準備が必要だ。釣りにでかけようと思うなら、必需品というべきものがある。
ぼうし、動きやすい服、救命胴衣、軍手、すべりにくい靴、使いやすいつり竿、バケツ、タモ網、クーラーボックス、はさみ、タオル、雨具、飲み物・食べ物
(『学研の図鑑 LIVE POCKET つり』より抜粋
釣り道具屋さんに行く前にチェックしておくと、便利だ。
様々な場所に釣り場がある
釣りはいろいろな場所で楽しめる。池や沼、川、防波堤、磯などなど。そこに山があるから登る登山のように、そこに魚がいるであろうと思う場所なら、釣り糸を垂らしてみれば、今日のおかずが手に入るかもしれない。
もちろん、必ず釣れるかどうかはわからない。リスクはある。釣り師の腕もあるだろうが、運も大きい。だから、私は釣れなかったときの用心に、ハンバーグなど調理してから、釣りに行った。ところが、不思議なもので、そういうときに限って大漁だったりするのだから、面白い。
魚をさばこう
私はもっぱら堤防で釣るのが好きだった。キスやメゴチを釣った。天ぷらにすると、本当においしい。もっとも、キスが来ますようにと願っているのに、タコが釣れたりしていて、釣り師としての腕はいまいちだった。
せっかく釣れても、調理の仕方が分からず、悩んだりもした。『学研の図鑑 LIVE POCKET つり』には、釣った魚をどうやって持ち帰るかが解説してある。それが果たして食べられる魚かどうか調べる方法も、そして、調理の仕方などについても、説明されている。
魚釣りはのどかな趣味ではなく、怪我をしないように注意をしたり、事故に遭わないように気をつけたりと、知恵を絞る必要がある。魚を新鮮に持ち帰るにはクーラーボックスに氷をいれ、海水で満たしておく。魚が釣れたら、針を外してそこにいれる。釣ったその日に処理をしておくことも大切だ。
魚をさばくのは面倒だし、難しいと、敬遠しがちだが、自分で釣った魚をおろすのは苦にならない。トゲやひれで怪我をしないようにして、トライしてみたい。私も上手ではないけれど、うろこを取り、内臓を取り出し、少々不格好でもいいから、3枚におろしたりした。そのときの達成感を今も忘れることはできない。
もう一度、釣りをしてみようかと思える本
最近、釣りに出かける時間がないのが残念だけれど、釣りの楽しさは一度、覚えると、持続する。子どものころ、自転車に乗ることができるようになったときの喜びに似たものがある。結局、夫は釣りではなく、競馬という趣味を見つけて不眠症を克服した。
それでも、今も釣りが大好きで、テレビで釣り番組をよく観る。癒されるというのである。『学研の図鑑 LIVE POCKET つり』で基礎知識をもう一度おさらいして、私も釣りに出かけてみようと思う。きっと心身共にリフレッシュできることだろう。
【書籍紹介】
学研の図鑑LIVE POCKET つり
著者:刈田 敏
発行:学研プラス
釣りを通じて水辺の自然観察をするための本。簡単な釣りから、罠や網での魚の捕まえ方まで紹介。「餌を変えると釣れる魚はどうなるのか?」「ルアーに魚が襲いかかる理由は?」といった初心者が感じる釣りや自然に関する疑問も丁寧に解説する。