本・書籍
自己啓発
2019/3/18 21:45

お勉強も大事だけど、もっと大切なのは「生き抜く力」を身につけること!――「メシが食える大人になる!よのなかルールブック」

前クール、久々にどハマりしたドラマがあった。先日最終回を迎えた『3年A組-今から皆さんは、人質です-』だ。

 

特に最終回、主人公・柊一颯を演じた菅田将暉さんの熱演が、そしてメッセージが、多くの視聴者の心を揺さぶった。TwitterをはじめとするSNSで、誰もが自由に発言できる世の中。顔が見えないからこそ、面と向かっては到底発せられないような言葉も多数飛び交う。そんな1億2千万SNS時代において、警鐘を鳴らしたドラマだった。

 

『3年A組-今から皆さんは、人質です-』で叫ばれていたことは、至って当たり前のことばかりだ。想像力を働かせて、相手の気持ちを思いやる。自分の言動に責任を持つ。そんな当たり前のことが当たり前ではない現代だからこそ、このドラマはヒットしたのだと思う。

 

さて、このような生きていく上で大切なこと、当たり前のことを改めて教えてもらう機会って、実は少ない。学校はお勉強は教えてくれるけれど、人生を生き抜く力を教えてはくれないから。

 

 

世の中を生き抜くための50のルール

だからこそ、私たちは次の世代を担う子どもたちに教えていかなくてはいけない。

 

でも、正直どうやって伝えていけばいいかわからない。私自身、3人の子を持つ身ながら、日々模索している。そんなある日、一冊の本を見つけた。『メシが食える大人になる! よのなかのルールブック』(高濱正伸・監修/林ユミ・絵/日本図書センター・刊)だ。

 

著者の高濱氏は、「メシが食える大人に育てる」という理念のもとに誕生した学習塾「花まる学習会」の設立者。「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、当塾を立ち上げたのだという。

 

本書には、厳しい世の中を生き抜くための武器となる、大人になる前に知っておくべき「よのなかルール」が50個、可愛らしいイラストと共に、子ども向けにわかりやすく展開されている。今回は、高濱氏による、綺麗事ではない直球の言葉の数々からいくつかをピックアップしてご紹介しようと思う。

 

 

大多数の意見に流されない

よのなかルール3:「なぜだろう」と考える習慣を、身につける

みんなが当たり前だと言っていることが正しいとはかぎらない。

それが本当に当たり前なのか、自分なりの疑問をもつようにしよう。

(『メシが食える大人になる!よのなかのルールブック』より引用)

 

私が常日頃、特に親になってから意識していることがコレ。

 

周りの友達がみんなそうしてるから? 親が「そうしなさい」と言ったから? 世間的に、そうすることが当然とされているから? ニュースでそう報じられていたから? 発言力のある政治家や専門家がそう主張しているから?

 

みんなと同じように、右向け右で「そうなるように」と、自分の行動が流されていないか。これまで疑問を持っていなかったことに、改めて「ん?」と思い、向き合って、納得の行くまで調べること。私自身は、特に体のこと、健康面において強く実感している。

 

何事にも一度疑問を持ってみることって、すごく大切なことなんじゃないかなぁ。「違うかも?」と気づいたら、声をあげてみる、実行してみることも。

 

そしてもうひとつ。

 

よのなかルール46:いざというときのために、「直感力」をきたえておく。

豊かな知識とたくさんの経験は、直感力を育ててくれる。

直感力のある人は、いろいろな場面で「これぞ!」と思える判断ができるよ

(『メシが食える大人になる!よのなかのルールブック』より引用)

 

疑問を持ち、とにかく調べる。そうして得たたくさんの知識に自らの経験を加味して、最終的には自分自身で判断すること。そのために必要な「直感力」を鍛えることは、子どもだけでなく、いや、大人にこそ求められる力なのではないだろうか。

 

 

時間泥棒になるな

よのなかルール10:自分の時間と同じように 他人の時間も大切にする。

「時間」は平等にあたえられたもの。使い方しだいで未来を変えることだってできる。だから自分の時間と同じくらい、他人の時間も大切にしなくてはいけないよ。

(『メシが食える大人になる!よのなかのルールブック』より引用)

 

一日24時間、これは赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人に平等に与えられたものだ。限られているからこそ、大切に使わなくてはいけない。多くの成功者はみな「他人の時間を無自覚に奪うこと」を痛烈に批判する。最近読んだ本で言えば、ホリエモンやキングコング西野氏がそうだった。

 

たとえば、人に何かを説明するとき、できるだけ簡潔に伝える練習は大切だ。前置きが長いと、結局伝えたいことが伝わらないし、相手の貴重な時間を泥棒しているようなものだから。

 

もちろん、時には気の合う仲間とグダグダ飲んで喋って、時間を気にせず楽しむのは素敵なことだが!

 

 

自分が発した言葉に責任を持つ

よのなかルール18:ことばに厳しく。

あいまいな表現は、頭をなまけさせてしまう。

自分の気もちにぴったりくることばを探す習慣を身につけよう。

ことばに厳しくすることは、考え方を研ぎすますことでもあるんだ。

(『メシが食える大人になる!よのなかのルールブック』より引用)

 

先に述べたように、SNSが普及して、誰でも自由に発言できるようになった現代だからこそ、言葉というものの底知れぬパワーを今一度考えなくてはいけないだろう。

 

自分の気持ちをより相手に伝えるためには、どんな言葉や表現を使うとベストかを常に考え、言葉選びは慎重に、そして責任を持つ。感情のままにぶつけた言葉が、相手の胸にナイフのように突き刺さることがあることを、決して忘れてはいけない。

 

 

『メシが食える大人になる!よのなかのルールブック』は子ども向けに書かれているが、その実「頭ではわかっていても、実行できていない大人」に響く内容ばかり。子どもに読ませたい一冊であり、自戒の念をこめて大人も定期的に読み返したい一冊である。

 

【書籍紹介】

メシが食える大人になる!よのなかのルールブック

著者:高濱正伸(監修)、林ユミ(絵)
発行:日本図書センター

これから厳しい社会に出ていくこどもたちに伝えておきたい本当のことを、50の「よのなかルール」としてまとめました。ちょっぴりピリ辛なことばと、ユーモアあふれるイラストの組み合わせが楽しい1冊です。

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