筆者は、資料を読むことがとても多い。書籍や新聞といった紙媒体であっても、ブログやウェブサイトなどインターネット上で見つけたものであっても、可能な限り多くの情報に触れ、頭に入れておく必要がある。
もちろん、売れている本についての知識も入れておきたい。そんな筆者が発売1か月経たずして15万部突破!の『最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法』(メンタリストDaiGo・著/学研プラス・刊)を手に取り、紹介されているメソッドを試してみるのは必然だったといえる。
新たなDaiGoエクスペリエンス
章立てを見てまず思ったのは、「最短の時間で最大の成果を手に入れる」という言い方が、単なる煽りでは決してないということだ。
現在の教育界は、昔ながらの非効率的な勉強法であふれています。どれだけ時間をかけても「やったつもり」になるだけで、真の成果は得られません。本当に必要なのは、科学に裏づけられた「正しいテクニック」だけを使うこと。そして一日でも早く、貴重な時間を限界まで有効に使う「超効率勉強法」に転換することなのです。
『超効率勉強法』より引用
だから本書は、まずオーソドックスな勉強法の全否定から始まる。けっこうな勢いで、かつ理路整然とディスられるのは、以下のような、少なくとも筆者世代にとってはごく当たり前だったはずのやり方だ。
1)ハイライトまたはアンダーライン
2)語呂合わせ
3)テキストの要約
4)テキストの再読
5)集中学習
6)自分の学習スタイルに合わせる
7)忘れる前に復習する
筆者が特に惹かれたのが、6項目めの「自分の学習スタイルに合わせる」だ。
近年でもインディアナ大学が数百万人のデータ検証を行い、「自分が好きスタイルで勉強をしてみてもテストの成績はまったく向上しなかった」と報告しています。そのかわり、成績が良い学生たちには“ある特定の勉強法”を使う傾向が一貫して確認されました。優秀な学生ほどムダな勉強法にはまどわされず、たった1つの原理にもとづいて学習していたのです。
『超効率勉強法』より引用
「自分なりにカスタマイズする学習方法」なんていう響きの良い言葉もある。しかしその一段前に、絶対的な“ある特定の勉強法”が存在するのだ。第1章に示されたキーワードを軸に、まずは“これまでの勉強法”にまつわるあれこれをすべてリセットしよう。
=さっそく実践してみました=
ライターという仕事にまつわる日々の作業に転用できる学習法もある。ここでは、ふたつ紹介しておきたい。まずは「ひとりごと学習」。その名の通り、勉強しながらその内容を声に出して言う方法だ。このメソッドには、次のようなメリットがある。
ひとりごと勉強法が効くのは、思考をリアルタイムで声に出すことで、「自己参照効果」が働くからです。
『超効率勉強法』より引用
自分の声で言う内容を自分の耳で聞く。それが“自己参照効果”を働かせていくメカニズムとなる。具体的には、以下のような方法が紹介されている。
・実況パターン:学習中の思考をリアルタイムで実況していくやり方
・質問パターン:目の前のテキストや問題に対して、質問を投げかけていくパターン
・要約パターン:今学習している内容を、その場でまとめながら声に出すパターン
いずれも、頭の中にある考えを自分なりの言葉で表現し、それを自分の声を通して自分に聞かせるという方法である。情報の定着を図るため、自分をフィルターとして使う。これを行うとどうなるか。
ひとりごとを言うと頭の中が整理される。自分にからめて考えることで、一気に理解度がアップする。
『超効率勉強法』より引用
筆者の場合、「ひとりごと勉強法」は記事の構成を考える上でとても役立つものであることを実感できた。
そしてもうひとつ。「マルチモーダル学習」も紹介しておきたい。この方法は、ひとことでいうなら五感をフルに使って勉強していこうというものだ。視覚だけでなく、聴覚や運動感覚などもからめて、勉強した内容を脳に定着させていく。
DaiGoさんは、「マルチモーダルの効果を引き出すには、1つのトピックを複数のメディアで復習するのがおすすめです」と語る。具体的には、こういうことだ。
たとえば、近代史で「冷戦の終結」について学びたいなら、次のような方法が考えられます。
・授業中にまとめた近代史のノートを読み返す
・教科書の「冷戦」の部分をおさらいする
・オンラインの学習サイトで「冷戦」の項目を見てみる
・「冷戦ニュース」の動画などをオンラインで探す
・マインドマップを作り、あらためて「冷戦」について知っている内容をまとめ直す
・ネットの学習サイトや大学の過去問など、複数のソースから得た「冷戦」についての問題を解く
『超効率勉強法』より引用
資料を読み込む時に、この方法をそのまま当てはめてみた。この順番で行くと頭の中が整理されることを実感できた。
=ワクワクしながら勉強したい=
第6章で触れられている「マインドセット」という概念についてもひとことだけ付け加えたい。これは、心の中に根づく深い信念や考え方を意味する言葉だ。「心構え」と言い換えることもできるだろうか。たとえ同じ過程で勉強しても、マインドセットを知っているのと知らないのではまったく違った結果が出るはずだ。もちろん、マインドセットを養っていくための具体的な方法も、わかりやすい言葉で丁寧に紹介されている。
6章立てで繰り広げられる、まったく新しい勉強法の提案。それを裏付けるのは、巻末で紹介されている40以上の学術論文だ。実証を伴う説得力があるアプローチは、やっぱり試してみたくなる。勉強という過程にもう一度真剣に取り組んで、久しぶりにTOEICでも受けてみるか。そんな気になった。学びという行いに期待感とワクワク感をもたらしてくれる一冊。
【書籍紹介】
最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法
著者:DaiGo
発行:学研プラス
メンタリストDaiGoは一体どんな方法で膨大な量の知識・スキルを学習し、それらすべてを効率的に結果につなげているのか? そして、驚くべき収入を手にし、スゴイ肩書きを次々に獲得し続けているのか! ? 本書ではDaiGoが自らのサクセスストーリーを実現させた「人生を最大化する勉強法」をまるごと初公開します。もちろん、入学試験、資格試験、昇進試験、検定試験にもバッチリ役立つノウハウが満載です。最短の時間で最大の成果を手に入れるDaiGo式・オキテ破りの勉強法。あなたもぜひ、試してみてください! !