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自己啓発
2019/6/12 6:00

「いい人」をやめることで得られる「●●な人」という明確なアイデンティティー

アサーティブネスという言葉がある。自己主張と訳されることが多いが、むしろ「他人に流されることがないようにする態度や言葉遣い、姿勢」を意味する名詞というニュアンスが強めな気がする。

 

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自己主張とアサーティブネス

自己主張という言葉には、押しの強さとか「俺が、俺が」的なメンタリティーの響きが感じられる。しかし前述のとおり、アサーティブネスという言葉は、自ら進んで自分の存在や主張を知らしめることだけを意味するものではない。人間関係において自分なりに設定している境界線を明らかにする。そういうことも含まれるはずだ。

 

こう言おう。アサーティブネスとは、強い態度とか言葉遣いを通してではなく、はっきり「ノー」と知らせることができる姿勢を意味する言葉であると思っている。ところが、いわゆる空気を読むのがうまい人に限ってこれがなかなかできない。相手がひるんでしまうのではないか。傷つくんじゃないか。押し込んできているのは相手なのに、それが嫌だと伝える方法も相手本位で考え、ひるんでしまう。

 

 

損をしているサイレントマジョリティ

友人に、タロットカードやオラクルカードを使ったリーディングをする女性がいる。彼女はまず「あなた、人に譲る場面が多いみたいに感じます」とか「いい人でいるのって大変ですよね」といった言い方で語りかける。そうすると、お客さんがすぐに心を開くのを感じるという。人がいいことが原因で損をしていると思っている人は意外に多いようだ。

 

まず他人の意見を肯定し、場の空気をかき回さない「いい人」のオーラを出し続ける。こういうシーンがあまりにも多いと、確実に心が疲弊していく。話を自尊心というレベルまで持っていくつもりはないが、いつでもどこでも「いい人」でいようとする姿勢は確実に疲れる。そんなことはもうやめよう。はっきり「ノー」と言えるようになろう。

 

こういう姿勢を作っていく上で、とても役立つ本がある。

 

 

嫌われるのが怖くて……

「いい人」をやめる脳の習慣』(茂木健一郎・著/学研プラス・刊)の“はじめに”から、次のような文章を紹介したい。

 

「頼みごとをされると、何でも引き受けてしまう…」

「他人から嫌われることが怖くてNOと言えない…」

世の中には、そんな「いい人」がたくさんいます。

でも、それって本当に「いい人」なんでしょうか?

そう、いわゆる「都合のいい人」ですね。

どんな頼みごとでも断れず、何でも押しつけられて、他人から利用されやすく、それで、いつも損をしてしまう…。

この本を手に取ったということは、あなたにも身に覚えがあるのではないでしょうか?

『「いい人」をやめる脳の習慣』より引用

 

「そんなことばかりです」と自信を持って言い切れる人のほうが、「思い当たる場面はまったくありません」という人よりもはるかに多いのではないだろうか。

 

 

承認欲求のコントロール

茂木さんはさらに続ける。

 

もちろん、「いい人」演じることで、周囲からある程度評価されたり、周囲との不要な衝突を避けることはできるかもしれません。

でも、そうしてあなたが「いい人」になって我慢を続けていても、周囲から本当の意味での「信頼関係」を得ることはできません。

『「いい人」をやめる脳の習慣』より引用

 

和を保とうとするのがネガティブな行いであるなどと言うつもりはまったくない。しかし、それも程度問題だ。和を保つことだけを理由に、どんな場面でもいつも自分を抑えつけるのは理不尽だし、健やかなことでは決してない。“はじめに”の文章の中に、キーワードめいたものを見つけた。

 

こうした気持ちの働きを脳科学的に分析すると、脳の内側の前頭前皮質という部位が「自己」という概念をつくり出し、人から認められたいと強く思う「承認欲求」が働いている状態だといえます。

『「いい人」をやめる脳の習慣』より引用

 

ならば、この承認欲求を健やかな形でコントロールしていく方法を身につけていけばいいのだ。

 

 

「いい人になろう」はエゴがあげる声?

そして話は、「いい人」であることをやめる方法――この本を読んで、筆者は承認欲求の健やかなコントロール法の構築論だと思うようになった――が紹介されていく。

 

CHAPTER1 脳はなぜ、「いい人」を演じてしまうのか?

CHAPTER2 もう、他人のためにがんばらなくていい!

CHAPTER3 脳に「いい人」をやめさせる習慣とは?

CHAPTER4 「いい人」をやめて、もっと楽に自由に生きる!

 

周囲から「いい人」と思われたいとか、嫌われるのが怖いというメンタリティーは、ひょっとしたらエゴの塊のような考え方なのかもしれない。読み進むにつれて、そんな気がしてきた。

 

 

「いい人」をやめることで得られるもの

ならば、エゴが生む歪んだ形の承認欲求は今すぐ捨てたほうがいいに決まっている。そしてこの行いは、はるかにポジティブな副産物をもたらす。

 

「いい人」のままでいる人は、自分の個性という資源を使わずに、そのまま放置している人です。「いい人」をやめることができた人は、自分の個性を採掘することに成功した人です。個性という資源をもとに、人間は他人に対して自分を印象づけることができます。つまり、個性は生きていくうえで必要不可欠なエネルギーです。

そこで、自分という個性の資源を発掘するためには「いい人」をやめることが絶対条件であるということになります。

『「いい人」をやめる脳の習慣』より引用

 

「いい人」というよくも悪くも特徴のない、褒めているとも見下した表現ともとれる言い方よりも、「◯〇な人」という明確なアイデンティティーが感じられる言い方で形容されたほうがいい。筆者はそう感じる。自分が折れっぱなしであることを感じたら、そこからどう変わっていったらいいのか。それについては本書を読んでいただくとして、まずは「いい人」のままでいることを能動的に否定しよう。こうした意図が、自分にとって一番大切なアサーティブネスを自分に向けていくプロセスの第一歩になるにちがいない。

 

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【書籍紹介】

 

「いい人」をやめる脳の習慣

著者: 茂木健一郎
発行:学研プラス

「いい人」をやめると、脳がブルブル動き出す!他人の目に意識を向けず、自分のために脳を働かせれば生きるのが驚くほどラクになる。ムダな我慢をあっさり捨てて、自分の人生を充実して生きるための茂木式・ポジティブ人生操縦法!

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