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2019/6/25 6:00

今日から使える! プロインタビュアーが伝授する「聞き出す力」の極意とは?

仕事柄、いろいろな人にインタビューをする。インタビュー相手は幅広く、ミュージシャンやアイドル、声優、コンビニの店長やソフトウェア開発担当、学生や教師、昔は海にいるサーファーなどに突撃インタビューなどもしていた。

 

長年そういう仕事をしているので、ある程度は「人に話を聞く」というスキルはあるほうだと思う。それでも、相手によりうまく話が聞けなかったりすることもあるのだが。

 

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プロインタビュアー吉田 豪とは?

吉田 豪というプロインタビュアーがいる。僕は、『紙のプロレス』というプロレス雑誌で彼のことを知った。文章が軽快で読みやすく、一癖も二癖もあるプロレスラーや格闘家からおもしろい話を引き出す術に長けており、すごい人がいるもんだと思っていた。

 

彼のインタビュースタイルは、事前に相手のことを徹底的にリサーチし、本人ですら覚えていないような出来事を振り、さらにおもしろいエピソードを引き出すというもの。現在ではテレビなどにもよく出演しているので、知っている方も多いだろう。

 

その吉田豪流のインタビュー術をまとめたのが『聞き出す力』(吉田豪・著/日本文芸社・刊)だ。といっても、堅苦しいインタビューテクニック論などではなく、過去のインタビューエピソードを交えた、いつもの吉田豪の感じとなっている。

 

 

インタビューの基本は「相手のいいところを探すこと」

吉田 豪が語るインタビューの秘訣は、割とわかりやすいものが多い。たとえば、

 

嘘をついたら絶対にボロができるから、相手のいいところを探して、そこを好きになって、本当に心から興味を持って聞くこと。そして、いい答えが返ってきたら、ちゃんといいリアクションで返すこと。

(『聞き出す力』より引用)

 

とか、

 

音楽誌なんかを読んでいてイラッとくるのが、インタビューされる側のミュージシャンよりも、裏方のはずのインタビュアーのほうがたっぷりと自分語りしがちなことである。(中略)ボクのインタビューでは極力自分を出さないように心掛けている。

(『聞き出す力』より引用)

 

などは、インタビューの基本といってもいいものだろう。

 

このほかにも、「堂々としていればなんとかなる」とか「事前に質問と答えを予想しても意味なし」とか、「心を開かれすぎず適度に突き放す距離感を大切に」といったことも、すごく納得できる。

 

 

インタビューのテクニックは日常の会話でも応用できる

『聞き出す力』というタイトルの通り、本書はインタビューのテクニック書という体裁ではあるのだが、それ以前にコミュニケーション術のノウハウ本という側面もあるように思える。

 

結局のところ、インタビューとは相手の自分の会話だ。日常生活においても、誰かと円滑に会話をするために相手のことを調べたり、いいところを見つけたりという作業をする必要がある。

 

たとえば、ビジネスシーンで取引先の担当者といい関係を築きたいというとき、気になる女の子ともっとお近づきになりたいと思ったとき、本書に書かれていることが役立つかもしれない。

 

「自分のことを話す」のではなく「相手の話を聞く」のがインタビュー。そのテクニックを日常会話に取り入れていくと、「聞き上手」な人になれるだろう。

 

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【書籍紹介】

聞き出す力

著者:吉田 豪
発行:日本文芸社

現代屈指のインタビュアーによる、相手からいかに面白い話を引き出すかのテクニックや、これまで接した著名人とのエピソード。巻末には『聞く力』著者の阿川佐和子さんとの対談を収録。「週刊漫画ゴラク」の同名連載を単行本化。

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