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2020/3/4 21:45

「なるほど」まみれの行動経済学を学んで、自分の頭で考えて行動できるようになろう!

やめたくてもやめられない、スマホが手放せない、気がついたらハマってた……なんてことありませんか? 実はその行動、「行動経済学」に当てはめて考えてみると解決できることがあるかもしれません!

 

世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』(橋本之克・著/総合法令出版・刊)には、身近な行動経済学に関する事例が掲載されていて、何度も「なるほど」と唸ってしまうなことが掲載されていました。そこで今回は、みんなに学んでほしい・知ってほしい学問ナンバーワンの「行動経済学」についてご紹介いたします。

 

行動経済学ってどんな学問なの?

『世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』を手に取るまで、「行動経済学」について全く知らなかったのですが、今の日本に絶対必要! と思うくらい、興味がわいてきました! 簡単にご紹介しましょう。

 

本書のテーマ「行動経済学」は、簡単に言うと「心理学」とお金や損得を扱う「経済学」を合わせた学問です。この新しい分野では、ダニエル・カーネマンが2002年に、ロバート・シラーが2013年に、リチャード・セイラーが2017年に、それぞれノーベル経済学賞を受賞しました。

(『世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』より引用)

 

ここ15年の間に世界中で大注目されていたんですね。知らなかった! 今までの「経済学」は、人は冷静に機械のように行動し、経済(数字)に反映されると考えられていました。しかし、実際に経済を動かすのは「感情」を持った私たち人間。そこにフォーカスし、ビジネスにも日常生活にも活かせる学問が「行動経済学」なんだとか。著者の橋本 之克さん曰く、行動経済学の魅力は3つあるそうです。

 

・セルフコントロールができる自分になれる

・人間関係がスムーズになる

・社会や企業の改善に役立つ

 

どうですか? なんだか気になってきたでしょ?(笑)ということで、早速わかりやすくて身近な「行動経済学」を、ソーシャルゲームを事例にご紹介します。

 

 

ソーシャルゲームにハマる理由のひとつ、「IKEA効果」とは?

みなさんのスマホの中には、ひとつやふたつ「ソーシャルゲーム」が入っているのではないでしょうか? 一度ハマってしまうと、なかなか抜け出せないですよね。私も過去に1日のほとんどをソーシャルゲームに費やした……なんて時代もありました。今は、それが怖いのでスマホにゲームを入れるのをやめたのですが、どうしてあんなにハマってしまったのか? その理由のひとつに「IKEA効果」というのがあるそうです。あの家具のIKEAとソーシャルゲームの何が関係しているの!?

 

スウェーデン発祥で世界最大の家具量販店「IKEA」の家具は、部品がバラバラになった状態で販売されているため、自宅で部品を組み立てる必要があります。完成に手間をかけるこのプロセスを経ると、家具に対する愛着が生まれ、高い価値を感じるのです。

(『世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』より引用)

 

「IKEA効果」とは、自分が努力して犠牲を払った結果や、達成したことを高めに評価し、価値あるものに思ってしまう心理のことを言います。つまり、ソーシャルゲームで時間をかけて育成したキャラクターには「IKEA効果」が働き、非常に価値のあるものだと思ってしまっているということなのです。

 

その気持ちわかる! 身の回りの出来事を考えてみても意外と「IKEA効果」が発生しているものって多くないですか? 好きでやっているからいいんだよ! という方は全然気にしなくていいですが、「気がついたらハマってた」という人は、この「IKEA効果」が無意識のうちに働いているのかもしれないですね。

 

 

ソーシャルゲーム、どうやったらやめられるの?

「やめたいのにゲームをやめられない」という沼にハマってしまった人の対処法もここでは紹介されていました。心理学者トム・スタッフォードさんが主張している「保有効果への対処法」というのがいいんだとか。

 

ソーシャルゲームの場合であれば、今までゲームをやってこなかったと仮定し、他のことと比較してもゲームをすることを選ぶか、自分に問いかけるのです。冷静に判断するためにはサンクコストも忘れる必要があります。

(『世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』より引用)

 

サンクコストとは、回収が不可能になった投資費用のこと。ハマることはいけないことではないし、自分で稼いだお金を「何」に使うかは自由ですが、抜けたいのに抜けられないという状況になっている人は、一度自分に問いかけてみるのが良いかもしれませんね。

 

『世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』にはこれ以外にも、「コンビニの数は歯医者や美容室よりも多く感じてしまうのはなぜか」「ユーチューバーになりたい子どもの言い分」「保険は役立つの?」などなど身近な不思議を事例とともに解説してくれています。

 

日本経済が不安定な今、頼れるのは「行動経済学」を学んで、冷静な判断を自分でできるようになることではないか? と、しみじみ感じる内容になっていますので、今の日常が不安だという方は、ぜひこの本を参考にしてみてください。

 

今の不安を解消してくれる直接的な答えがあるわけではありませんが、多くのヒントが本書には掲載されています。そのヒントから、自分の頭で考えて行動できるようになるはず! 行動経済学を学んでセルフコントロールできる自分を目指しましょう。

 

【書籍紹介】

世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学

著者:橋本之克
発行:総合法令出版

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