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2020/4/8 6:00

「出社しなくても会社が回る」働き方のススメ――ひろゆきが語る『なまけもの時間術』

「最短の時間」と「最少の努力」で「最大の価値」を引き出す――「2ちゃんねる」の元管理人・ひろゆき氏が実践する常識を覆すような時間の使い方を紹介。著書『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(4月9日発売)から一部を抜粋してお届け!

 

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トップの判断が、いつも正しいとは限らない

仕事で重要なのは「あなたがいなくては止まってしまう」というボトルネックをなるべく減らして、現場の判断でどんどん回せるようにすることです。

 

僕が一兵卒だったらいいのですが、トップに立つ僕が権限をすべて握っていると、僕の判断待ちで動けないということが必ず発生してしまいます。

 

もちろん、いつもトップが会社にいるとか、いつでも部下がトップの判断を仰げる状態にすればボトルネックは解決します。実際、そうしている経営者なども多いと聞きますし、上から命令を下すという行為自体にやりがいを感じる人もいるそうですが、僕はあまり好きではありません。

 

基本的に、振れる仕事はすべて人に振るようにしています。

 

そうすることで、そのつど現場が判断するので、僕の拘束時間が減るというメリットもあります。だけど何より、現場が自分たちで判断基準を持って決めたほうが、即座に最適解が出る場合が多いのです。

 

たとえば、そのときどきの仕事相手との関係性とか、短期的に見てどうか、長期的に見てどうかとか、いろんなことを総合して判断しなければいけない場合、僕ひとりで状況をすべて聞き出して判断するのでは、時間がかかりすぎるし、見誤ることもあります。

 

もし僕だったら「断る」と判断するところを、現場の担当者が「長期的に見て利益があるから引き受ける」と判断したなら、その判断に乗って任せてみたほうがいい。

 

もちろん担当の人間が見誤ったり間違えたりということもありますが、それならば、なぜ間違えたかを考えて判断基準を修正すればいいだけだし、そのほうが、会社としてのメリットはデカいわけです。

 

 

「いないと困る」より「いなくて大丈夫」と言われたい

1年くらいで会社をたたむつもりなら人を育てる必要はないけど、僕は基本、長期的に続けるつもりで考えている。だから、判断を間違えた場合は「判断基準を更新して成長するいい機会」と捉えているのです。

 

もちろん、そうやって現場が育ち、より精度の高い判断ができるようになってくれれば、僕としても、会社にあまり縛りつけられないですみますしね。

 

たとえば、僕が寝過ごして行けなかった会議が、僕ナシでも滞りなくすめば、「こういう会議には僕は出なくていいんだな」とわかる、そんなこともあります。

 

ボトルネックが減れば減るほど、僕が同時多発的に関われるプロジェクトが多くなります。だから、「自分がいなくても事足りること」に気づけるのは、ビジネス的にとてもコスパがいいことなのです。

 

これって別に、会社経営のことだけじゃないと思いますよ。たとえば事務の仕事とかだと、上司の「承認サイン」をもらわないことには、いかなる仕事も進められないなんて話を聞きます。

 

備品のティッシュひとつ頼むのにも承認が必要で、上司ももはや書類を見ずにサインするような状況だそうです。そんなの、頼むほうもサインするほうもバカらしいから、もう権限をあげちゃいなよ、と思いますが。

 

 

すべての人間は「パーツ」である

「自分がいなくても事足りる」というのは、なんだか必要とされていない感じがして傷つくという人もいるかもしれませんが、いなくても事足りるぶん、自分は他の楽しいことに時間を費やせるわけです。

 

そう考えれば、休暇だってもっと堂々と取れるようになるだろうし、電話で急に呼び出されるなんてこともなくなって、休みをフルに楽しめるようになるのではないでしょうか。

 

それに、こんなふうに自分を「パーツ」として捉えていると、チームを組むスキルなども上がると思います。

 

先ほど、寝過ごして行けなかった会議の話をしましたが、人を部品として捉えると「あえて外してみる」という見方がしやすくなります。すると、人の本質的な能力が浮き彫りになることがけっこうあるのです。

 

「こいつは使えないな」と思っていたやつが、じつはムードメーカーで、いなくなったら会議の雰囲気がギスギスしたり、逆にさっきの僕みたいに、割と重要人物と思われている人が来れなくても特に問題なく会議が進んで「あれ? この人ってじつはいらないのかも」というのがわかったりすることもあります。

 

「いなくなって初めてわかる親のありがたみ」じゃないですけど、誰かを抜いた状況を想像したり試したりするっていうのをやると、より物事が見えることもあるのです。

 

だからといって、僕がわざと遅刻してるわけではないんですけどね。

 

自分や周囲の人のパーツとしての強み、弱みがわかると、仲間には、どういう人が必要か、そのプロジェクトで起こりうることを予測して、どういう人をメンバーに任命したら、最も効率的なチームになるかが見えてきます。

 

自分も含めて人を「パーツ」として捉えることで、ムダがなくて、かつハイパフォーマンスなチームができる。自分も、不得意なことで無理やり戦うよりも、ずっと省エネで効率的な仕事ができるわけです。

 

 

【書籍紹介】

なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23

著者:ひろゆき
発行:学研プラス

「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」「ペンギン村」……誰も思いつかなかった「価値」を生み出して「お金」も「自由」も手にした男が語る「時間をかけずに、コスパよくひとり勝ちする」方法とは…? 「時間」と「成果」に追われる人におくる、成果主義社会を生き抜く時間術。

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