「もう、パソコンはいらない。スマホがあればどこにいても働けるし稼げる」
堀江貴文さんは5月11日発売の新著『スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル』のなかでこう書いています。
堀江さんはもうほとんどパソコンを使いません。ビジネスもプライベートも連絡はLINEなどのスマホアプリが中心で、メルマガの原稿もフリック入力を駆使してスマホで書いているといいます。
新型コロナウイルスの感染拡大防止策としてテレワークが推奨されているいま、会社に出社してパソコンにしがみついて仕事をしている人は、時代の変化に取り残され、職を失うかもしれません。
しかし、スマホを本来の使い方で使えば、時代に取り残されることなく生き残ることができます。スマホで人生を切り開く――その秘訣を新著から一部を抜粋して紹介します。
僕のスマホに入っているアプリは、一般のビジネスパーソンと大して変わらない。使っている時間も人より長いわけではない。僕が得ている情報の入手経路も、あなたや他のみんなが得ているものとさほど変わらない。
SNSで主に使っているのはTwitterとFacebook、Instagramなど。もちろんLINEも使っている。基本的にそれらの組み合わせで身のまわりの情報を得て、仕事や遊びの予定をこなしている。
ニュースはNewsPicks、LINE NEWS、Gunosyで読んでいる。本を読むのは、もっぱらKindleだ。
知り合いの人から「Gunosyを使っているのは意外」だと言われたが、芸能情報やバズっているニュースなどもあえて読むようにしている。
世間の人たちが何に興味を持って、どのように社会の空気が動いているのか、チェックしておきたいからだ。
僕のように複数の事業を同時に進めていくためには、世の流れをタイムリーにつかんでおくことが重要だ。本質的にくだらなくても、バズった情報はリアルタイムで得ておく必要がある。
どんな価値観で、情報をゲットするか
さらに言うと、特別な「ニュースソース」なども持っていない。
けれど、僕は一般の人よりも早く価値の高い情報をつかんで、価値の高いビジネスプランや、多くの人に楽しんでもらえるエンターテインメントを発信できる。
それはなぜか? 情報をゲットする際の「価値観の違い」が大きいだろう。
まず第一に挙げられるのが、「僕自身が楽しい、ワクワクするような情報」を積極的に取りに行っていることだ。
意外と多くの人が、これをできていないのではないか。
「役に立ちそう」「知らないとバカにされそう」「知ってると頭がいいと思われそう」こんな理由、つまり〝損得″で情報収集している。
損得とか、まわりの評価なんか気にしなくていい。そんな価値観で手に入れた情報は、しょせん誰もが知っている二束三文の情報ばかりだ。
真の価値を生む情報とは、あなたの感情のフィルターにひっかかった情報のことだ。他人の思いつかない独自のアイデアと図抜けた行動力は、理性ではなく感情からしか生まれない。
ただ純粋に、知りたい! 追いかけたい! という〝感情″で情報を選んで、絶えず自分の頭の中に入れ続けることが重要なのである。
第二に、僕がフォローしている人や情報ソースは、普通の人が何気なく読んでいるものより、「情報の精度と信用度が高い」と感じられるものを選んでいる。
厳選された情報を集積することで、周囲から少しだけ先を行く思考や行動のきっかけを得られるのだ。
僕がTwitterでフォローしている言論人や著名人の具体名は、僕のフォロー欄をチェックすれば簡単にわかる。
基本的に、仕事のつながりや友達関係という観点からフォローすることはない。情報感度が高く、発信する内容に信頼のおける人たちを選んでいる。
興味があるなら、その人たちを全員フォローしてみるだけで、とりあえず僕の見ているタイムラインと同期することができるだろう。
メルマガでは中島聡さん、藤沢数希さんなどの配信を読んでいる。また、定期購読はしていないが、個人的な付き合いで送ってくださる方もいる。僕が読むレベルに達したメルマガは、どれも新しい情報が多く、考察の行き届いた内容だ。いろんな場で参考にさせてもらっている。
ここまで読んで、僕が手に入れている情報は基本的にみんなと同じ種類のものであることがおわかりいただけただろう。
違いがあるとすれば、いくらでもある情報の、どの「扉」を開けるか。つまり、情報の発信元のセレクトの仕方と、その情報の解釈の方法が他の人とほんの少し違う、という感じではないだろうか。
ソーシャルフィルタリングという情報収集の「扉」
ビジネスで成功するには、大量の情報を浴びなくてはいけない。それだけに、情報の「扉」の種類を選ぶセンスは大切だ。
スマホのニュースアプリやSNSを使っていれば、情報はとめどなく押し寄せてくる。膨大な量をさばききれず、自分にとって有益な情報を見逃したり、不確かな情報を誤読したりというミスを犯すこともあるだろう。
最近YouTubeで人気の教育系コンテンツなども、平気で間違った知識を垂れ流しているから、見る側は注意が必要だ。
そういった失敗を防ぐためには、自分がフォローした人に、情報抽出の「扉」の役割を果たしてもらえばいい。
つまり、自分がフォローした人の情報選択のセンスと、その人がその情報から得た思考をいただくのだ。
信用している筋が発信する情報を、集約して学ぶ。これは「ソーシャルフィルタリング」と呼ばれている作業だ。情報のフィルタリングの究極のツールは、人間の脳だ。
例えば独立系研究者の浅田一憲さんや、ジャーナリストの佐々木俊尚さんのTwitterでは、彼らの脳内でかみ砕かれた質のいい情報が発信されている。
優れた思考を可視化したものを、SNSからリアルタイムで読み取ること。これこそがスマホにおけるソーシャルフィルタリングなのである。
Twitterでは、あなたがフォローしている人が扉であり、タイムラインはさまざまな人たちが積み上げていく思考の道路のようなものだ。
それを眺めているだけで、情報は自然に脳内に浸透してくる。それにより、あなたが取る行動にも影響が出てくるだろう。
だから当然、フォローする人は精査しなくてはいけない。
読んでいて思考のステージがまったく変わらなかったり、罵り合い、足を引っ張り合うような、貧しい景色ばかり見えてくるようになると要注意だ。そんなときはフォロー先を変えよう。
フォローを外すと相手と気まずくなる……みたいな心配は、問題外だ。関係性を押し付けるような扉は、さっさと捨ててしまっていい。
「いい発言をしてくれるけど、ポエムみたいな長文が鬱陶しい」という人もいる。そういう人ならリストをつくって、たまに発言をまとめ読みするだけでOKだ。
「質」の良い情報を「感情」で選択する
こうした日常の工夫を嫌って、あなたは毎日、惰性で情報をだらだらと流し読み、貴重な時間を無駄にしていないだろうか。
人の情報をいつも鵜呑みにして、何の成果も挙げられていない人は、一度この「扉」のことを考えてみてほしい。
筋のいいフォロー先を選び、良質な情報を浴び続けていると、そのうちに自分の思考がブラッシュアップされてくる。
役に立ちそうだから、知り合いのあの人がフォローしているから、などという損得よりも、感情を優先させるべきだ。
面白い! 追いかけたい! という気持ちで読んでいるだけで、思考のステージは上がるのである。
思考のステージを上げる“コツ”などは気にしないでいい。ひたすら、自分の感情が揺さぶられる、良質な情報を浴び続けよう。
するとだんだん、わからなかった話がわかるようになったり、いいアイデアが浮かんでくるようになるはずだ。
【書籍紹介】
スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル
著者:堀江貴文
発行:学研プラス
「スマホとは何なのか?」「どう使えば人生は最大化するのか?」 IT起業家として、インターネット黎明期から第一線を走り続けた堀江貴文さんが今まで語らなかった“スマホの真実”を、縦横無尽に語り尽くします。お金、教養、フォロワー…すべてをゲットして、小さなデバイスで人生を大きく変えていくコツが凝縮された一冊。