本・書籍
2016/7/10 13:00

ゲス男をタイプ別に見きわめる50のチェックポイント

不倫の連鎖、どこまで続くのか。ベッキーさんと川谷絵音さんのその名も〝ゲス不倫〟から始まり、ファンキー加藤さん、落語界では重鎮の桂文枝・三遊亭圓楽両師匠。さらに政界からは宮崎謙佑元議員。そう言えば、乙武さんの一件の最大瞬間風速もかなりのものだった。

20160710-a05

とあるスポーツ新聞によれば、今年これまで明らかになった不倫騒動のキーワードは〝ギャップ〟だという。「まさかあの人が」というギャップが話題性に拍車をかけたということらしい。

 

■不倫は文化

情報バラエティー番組お約束の展開として、この種の話になると、必ず「不倫は文化」発言が蒸し返される。それだけインパクトがあるキャッチーな発言だったということだろう。

 

発言者の真意は推し量るしかないが、不倫がバレて謝罪という段になると、日本社会の文化的背景とか特質がもろに影響するようだ。とある欧米系コメンテーターは、「顔のない倫理というものに対して謝罪している」と語っていた。

 

60代のとある日本人コメンテーターは「日本社会の特質として世間体が挙げられる。世間に向けての印象が悪くなった以上は真摯な謝罪が適当」という旨の発言をしていた。

 

不倫でイメージが悪化し、結果としてスポンサーやレギュラー番組関係者に迷惑をかけるという状況に対しての謝罪なら、対象はかなり絞られる。その一方、一連の報道を見ていると、〝不倫なんていう行いをしてしまった自分のいたらなさ、人間としての未熟さ〟を世間に対して謝罪する姿勢が目立っているようだ。

 

■真摯な謝罪

そんな中、今回の一連の騒動の関係者のひとりが、「すごいネットとかでみんな謝れって言うけど、世間の誰に謝ればいいの?」と発言して多くの人たちをエキサイトさせた。エキサイトした人たちは確かに多かったけど、これってある意味正論かもしれない。

 

仕事面で実質的に迷惑をかけてしまった人たちには謝るべきだろう。謝罪という行いにそれ以外の意味があるとしたら、先に紹介したコメンテーターの意見のように、誰のものであれ〝世間に向けての印象が悪くなってしまったことへの後悔と反省〟なんじゃないだろうか。

 

■アメリカの有名ギャップ男

ギャップを軸にして考えるなら、クリントン元大統領とホワイトハウス実習生(当時)モニカ・ルインスキーのラブアフェアもモデルケース級だ。この時はクリントン大統領が会見で口にした〝不適切な関係=inappropriate relationship〟が旬なワードとなった。

 

さらには、母国アメリカのマスコミでは現代プロスポーツ選手の理想型とされていたタイガー・ウッズも、度重なる不倫でセックス依存症と診断され、治療を受けるクリニックの名前まで公表された。

 

結局両者とも公式に謝罪して事態が収まり、今は両者ともギャップ不倫男のイメージから完全に脱却している。アメリカと言っても、世間体的感覚がやりとりされる場面はあるようだ。

 

■これ以上ないほどわかりやすいゲス男カタログ

人間関係にも世間体にも致命的ダメージを与える不倫。でも、交際や結婚にまつわる不幸の種は、決して不倫だけではない。女性目線だけでなく弁護士というプロフェッショナルの視点も盛り込んだゲス男検知マニュアルが「ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント」(堀井亜生・著/毎日新聞出版・刊)だ。この本、大分類が①隠れモラハラ系、②隠れ浮気系、③隠れマザコン系、④隠れドケチ系、⑤隠れDV系となっており、それぞれが〝日焼けと黒縁メガネにこだわるロン毛の男〟、〝多趣味な男〟、〝ファッションセンスが「パパの休日」な男〟、〝安い居酒屋で後輩とつるみたがる男〟、〝痩せ型で薄幸そうな女性を好む男〟など、いかにもいそうなタイプの男たちがカタログ化されている。

 

それだけじゃない。ゲス資質を潜在的に持っている男と出会っちゃって、好きになっちゃったらどうするか。そんなときの詳細で具体的な対処法も紹介されている。このあたり、「ホンマでっかTV」でも活躍する女性弁護士の現場で培われた専門知識がいきいき弾ける感じ。明らかになった彼氏のブラック度は、1~5までのスケールで数値化される。

 

ちょっとこわく感じたのは、たとえば〝痩せ型で薄幸そうな女性を好む男〟のように「これは問題ないだろ」と思われる項目もブラック度が意外に高いものがあることだ。 男女間の感覚のわずかなズレが、不倫その他の不幸の種になりかねない。今のパートナーが最高であると心から信じている人にこそ手に取っていただきたい一冊。(文:宇佐和通)

 

【参考文献】

20160710-a05

ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント

著者:堀井亜生
出版社:毎日新聞出版

「ブラック彼氏」とは、一見すると高スペックなのに、結婚したらとんでもない「事故物件」だったことが発覚してしまう男性を指します。たとえば、「結婚前は優しかったのに、結婚後はひどいモラハラ夫になった」とか、「結婚前は羽振りが良かったのに、結婚後はドケチ夫になった」など、結婚前に隠れていたブラック性が、結婚後に現れる男性は意外と多いのです。本書では、実際にあった数多くの離婚事件をもとに、結婚前にブラック度を見抜く50のチェックポイントを挙げています。多くの女性たちが良きパートナーと巡り会い、幸せな結婚生活を送るための実践的なアドバイスが満載。婚活中の女性必読、確実に結果が出る婚活指南書の決定版。

Kindleストアで詳しく見る

楽天Koboで詳しく見る

BookBeyondで詳しく見る

BookLive!で詳しく見る

hontoで詳しく見る

紀伊國屋書店ウェブストアで詳しく見る