せっかくの夏休み。「あぁ〜今ごろオリンピックだったなー」とか「オリンピックを避けるために旅行する予定だったのに」と思っている人、多いのではないでしょうか?
えぇ、私もです! 今ごろ、武道館で空手(形)を観ていたはずだったのに……。悔しい気持ちはありますが、嘆いても仕方ないので、自宅でできる楽しいことを考えましょう!
ということで、今回ご紹介する『世界の郷土料理事典』(青木ゆり子・著/誠文堂新光社・刊)は、なんと世界300地域のレシピ本! 「シガ」「イカ・マタ」「ツェペリナイ」と、名前すら聞いたこともないような料理がページをめくるたびに出てきて、見ているだけでも飽きません。しかも、日本のスーパーで購入できるような身近な素材で作れる料理も多いので、手軽で簡単! 実際に作ってみながらご紹介していきます。
分厚いし、情報も満載!
この本、驚くほど分厚いんです! フルカラーで303ページもあって、レシピの他にも宗教に関することや、各地域の食文化についても丁寧に解説されています。このレシピはすべて「https://e-food.jp/」サイト監修で作られているので、どれも本格的で魅力的。あと地味にうれしいのが本の見開きがパタンと固定される体裁になっているところ! 台所でレシピ本を広げながら作れるのでめっちゃおすすめです(笑)。
著者で、各国・郷土料理研究家の青山ゆり子さんも「はじめに」で、紙面の許す限りレシピを紹介したいと書かれており、ひとつひとつのレシピを読めば読むほど、その知識の幅広さと奥深さを体験できます。
もちろん日本の郷土料理も丁寧に紹介されていて、沖縄の「ヒラヤーチー」というチヂミのような食べ物や、見た目も綺麗な京都の「京手まり寿司」、北海道でアイヌの人々が食べていたと言われる「オハウ」、意外と知られていない西洋と中国と和食がミックスされた長崎の「ぱすてぃ」という鳥もも肉や長芋を使ったパイ料理の4つが掲載されています。アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、北・中央アメリカ&カリブ、南アメリカ、オセアニアと7つのエリアに分けて300のレシピが紹介されています。
今回は夏にぴったりな2品を作ってみたのでご紹介します!
インド洋に浮かぶモーリシャスの「タコのカレー」を作ってみた!
タコでカレー!? って思いますでしょ? これがめちゃくちゃ美味しいんですよ〜!
このカレーは、東アフリカ地域にあるモーリシャスの郷土料理なのですが、「神はモーリシャスを最初に創り、そしてモーリシャスを真似て天国を創った」なんて『トム・ソーヤーの冒険』の作家マーク・トゥエインも語ったと言われ、セレブにも大人気の国なんです!
材料(4人分)
ゆでダコ……500g
【A】玉ねぎ(みじん切り)……1/2個
【A】にんにく(つぶす)……1かけ
【A】しょうが(つぶす)……1かけ
【A】タイム(粉でもよい)……小さじ1
トマト缶……1/2缶
カレー粉……大さじ1
【B】コリアンダーの葉(みじん切り)……1枚
【B】カレーリーフ(あれば)……10枚
【B】塩……大さじ1
植物油……適量
ごはん……適量
チャツネ(好みで)……少々
(『世界の郷土料理事典』より引用)
作り方は、最初に【A】を弱火でじっくり20分炒めて、トマト缶を足して20分煮込み、カレー粉とタコと【B】を足し、水を少しだけ加えて弱火で20分煮込んで出来上がり。
我が家にはタイムくらいしかスパイスがなかったので、ないものは入れずカレールー作ってしまったのですが、めっちゃ美味しかったです!
タコってどうなの? と思いましたが、ありがとうモーリシャス!!! 我が家の夏の味に加わりました(笑)。
さっぱりうまい! フィリピンの「アドボ」も作ってみた!
茶色ばっかりで渋いチョイスになってしまったのですが(笑)、こちらはフィリピンの人気料理「アドボ」。酢を使った煮込み料理で材料もシンプルで、大量に作ってほぼほったらかしでできる&つくりおきにもぴったりな夏に嬉しいレシピでもあります。
材料(4人分)
豚バラ肉(かたまり)……400g
【A】しょうゆ……1/4カップ
【A】にんにく(つぶす)……1かけ分
【A】はちみつ……大さじ1
【B】月桂樹の葉……2枚
【B】こしょう……大さじ1/2
酢……大さじ1〜2(好みで加減)
塩……少々
(『世界の郷土料理事典』より引用)
こちらの作り方も時間はかかりますが簡単です! 豚肉を食べやすい大きさに切ってAと絡ませ、冷蔵庫で1時間。水1/2カップと一緒に弱火で40分煮込み、最後に酢と塩で味を整えたら完成!
これがニンニクと豚肉のガツーン! としたスタミナだけじゃなく、酢がさっぱりとさせてくれるので、ご飯に汁ごと乗っけて食べるとうまいんです〜! この煮汁も美味しいので、私はゆで卵も入れてしまえー! と2日目はゆで卵をインしちゃいました。
今回は夏におすすめのレシピを紹介しましたが、『世界の郷土料理事典』には本当にたくさんの国の知らない味が掲載されています。なかなか旅行のできない今だからこそ、世界を料理で旅してみてはいかがでしょうか。
【書籍紹介】
世界の郷土料理事典
著者:青木ゆり子
発行:誠文堂新光社
食を通して、世界を知ろう!「世界の料理総合情報サイトe-food.jp」は、2000年のオープン以来、世界各地のさまざまな料理情報を発信し続けてきた。その代表であり、郷土料理研究家の青木ゆり子による待望のレシピ集。多数の現地取材、ていねいなリサーチにより、料理の背景にある歴史や文化、今考えたい食の国際儀礼や宗教の食規定などもわかりやすく解説。