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料理
2020/11/19 6:30

「手料理=愛情」ではなく「手料理=余裕」なんだ!−−『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』

毎日献立を考えて、ご飯を作っている方、正直しんどくないですか?

 

一人暮らしをしていたころ、仕事でムカつくことがあると夜中急に料理をしたくなることがあって、私にとって「料理」は、ストレス発散ツールでもありました。もちろんご飯を作るのも食べるのも好き。基本は好きなことなんです。

 

でも結婚して、料理担当に就任し、毎晩ご飯を作っているとどうもしんどい日が出てくる……。そんな時に「味噌汁の具多くない?」なんて言われたら、『水曜どうでしょう』の大泉 洋さんばりに「おみまいするぞぉー!」と叫んでやりたくなります(笑)。

 

本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』(コウケンテツ・著/ぴあ・刊)には、そんな私の気持ちを救ってくれるような言葉ばかりが綴られていました。今回は、「いやぁ、今日は料理作るのしんどいわ」という人に読んでほしいこの一冊をご紹介します。

 

どうしてしんどくなっちゃうのか?

私は、「はじめに」にあるこの一節で一気に心を掴まれました。

 

毎日毎日家族のためにがんばってごはんをつくっても、「ありがとう」も「おいしかったよ」の一言もなく、感謝もされず、味が薄いだの、濃いだの、バリエーションが少ないだの文句だけ言われる。気に入らない料理は食べてもくれない。食後もテーブルはそのままで、各々が好きなことだけに没頭し出す。自分自身は食べたいものも食べられず、家族の残り物を一人で食べる生活。なのに毎日「ごはんを作らねばならない」のである。

 (『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』より引用)

 

わ、わ、わかる! そしてこの言葉に元気をもらえるという人もいるのではないでしょうか?「しんどい」理由がわからずモヤモヤしてた方は、明確に言葉になったことで、多くの気づきを見つけられたのではないでしょうか。ごはんを作るのは毎日のことだから、どこかで「しんどいのも当たり前」と思っていたのですが、そうじゃなかったんだ! と気づけたのです。

 

お子さんがいると食卓は日々変化していくもの?

私は子なし夫婦世帯ですが、料理が「しんどい」と感じていても、私自身「作ること」が目標だったので、謎の使命感に燃えながら(笑)、毎晩料理を作っていました。最近ようやく「え〜い! 外食だ!」とか「え〜い! 今日は作らない!」と無理をしないようにできるようになってきましたが、お子さんがいる家庭では、「無理しないことができない」という人も多いのではないでしょうか?

 

著者である、コウケンテツさんは3人のお子さんとの5人家族。料理研究家だからきっと家でもすごく美味しい料理をふるまっているのでは? とか、めっちゃ料理が好きだから「しんどい」なんて思うこともないのでは? なんて思いがちですが、そんなことはないそうです。娘さんから「パパ、ごはん作っているとき、ここにシワがよるよね」と指摘され、眉間にシワを寄せ、イライラしながら料理をしている自分に気がついたエピソードが書かれてありました。

 

僕は料理をしながら明らかにイライラしていました。そういうときは態度に出てしまうものなんですね。自分なりにそのわけを分析してみました。

・もともと一日の中で家族みんなで晩ごはんをゆっくり食べる時間が一番好きだった

・長男、長女が保育園に通っていたころは、家族揃って早めの時間に晩ごはんを食べていた

・次女が生まれ、また長男、長女が習い事や塾に通い始め、晩ごはんの時間が遅く短くなった

・いつも夫婦で晩ごはんの準備をしていたのに、子どもたちの世話や家事をどちらかが担当することになり、一人で準備することが多くなった

・自分の思い描いている晩ごはんの時間ではなくなってしまった

 

そんな理由で僕は自分でも気づかないうちにイライラしてしまっていたのです。改めて書き出してみると、

「え? こんなことで?」

感がハンパないです。

 (『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』より引用)

 

このイライラが重なって、「もうしんどい」となっているのであれば、必ず解決策はあると感じます。中にはどうしようもない、やるしかない、解決策がないと考えている人もいるかもしれませんが、少し自分の状況を客観的に見てみると「あれ? 私って自分で自分の首を絞めていただけかも?」と思えることもあるかもしれませんね!

 

手の込んだ料理を作ってあげたい! けれど……

世の中的に、手料理=愛情がたっぷりというイメージがこびりついています。私自身も、母親が専業主婦だったため、毎日母が台所に立つ姿を見ていましたし、「女なんだから一通りの料理ができて当たり前よ!」なんて価値観の中で生きてきました。

 

でも本当にそうなのでしょうか? 共働きでも、親の介護に疲れていても、子育て100%で自分の時間が取れなくても、絶対に私が手作りで料理を作らなければいけないのでしょうか? 『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』には、絶対手料理を作りましょうなんてことは書かれてはいませんでした。

 

愛情を込めて作ることは間違いなく良いことだし、素晴らしいことなのですが、実は、「手料理=愛情のバロメーター」ではなく「手料理=余裕のバロメーター」と考えた方が、しっくりくるのではないでしょうか。

 

手料理に必要なのは、心の余裕、時間の余裕です。料理が苦手でも嫌いでも、心や時間に余裕があれば、作ってみようかなという気持ちが湧き出てくるかもしれない。だから、

「もう無理、めんどうくさい。疲れたから料理を作りたくない」

そう思う自分に罪悪感があるママは、ただ単に「余裕」がないだけなのです。

 (『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』より引用)

 

食べることをやめるなんてできないので、レトルトでも冷凍食品でもいいし、余裕がない時は、外食やお弁当だっていいわけです。余裕のバロメーターと言われるとなんだかホッとできますよね。

 

また『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』には、超簡単にできるナムルレシピなどパパっとできる料理が紹介されています。しかもレシピ本によくある、作り方の手順もなし。50〜60文字ほどの「作り方」と材料が載っているだけなので、「あれこれ揃えて……」なんて考えなくても、材料ちょっと足りないけど、いっか! なんて気持ちで作れるようなものが紹介されています。

 

気がつかないうちに「しんどく」なっている人は、ぜひこの本に癒されてみてください。きっと料理に対する力みが抜けて、新しい価値観を感じることができますよ。あと食べている側のみなさん! 食べることが当たり前と思わず、たまには「美味しいね」とか「後片付けはやるよ」とか「明日はお弁当デーにしようか」とか言ってみるのはいかがでしょうか? みなさんの食卓が明るく楽しい空間になりますように!

 

【書籍紹介】

本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ

著者:コウケンテツ
発行:ぴあ

今日はもう、作る気力も体力も残っていない…「おうちごはんを作る人」の気持ちに寄り添う一冊。

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