コロナの影響から自炊することも増え、「あぁ〜作りたくないなぁ」なんて日もありますが(笑)、気分が乗っている時は「少しでもうまいものを作りたい」という気持ちになる日ももちろんあります。
そんな時に行って欲しいスーパーが六本木ヒルズの中にある「グランドフードホール」、通称グラホです。土地柄、名前からして高そうな感じなのですが、以前『カンブリア宮殿(テレビ東京系)』でも取り上げられた人気の新しい形のスーパーなのです。今回はこのグラホを運営する岩城紀子さんの著書『裏を見て「おいしい」を買う習慣』(岩城紀子・著/主婦の友社・刊)をご紹介します。
グラホってどんなところ?
兵庫県の芦屋と東京都の六本木にある「グランドフードホール」は、選りすぐりの調味料や商品が並ぶ、食のテーマパーク! イートインコーナーもあるので、グラホで買ったお惣菜をその場で食べることも可能(六本木はレストランになっているので、食事もできます)。私も『裏を見て「おいしい」を買う習慣』を読んでどうしても行きたくなり、六本木店にお邪魔してきたのですが、コンパクトな店内に見たことがない商品がみっちり並んでいて、気がつくと、味噌・キムチ・蜂蜜・ようかん……と次々カゴに入れていて、思いっきり買い物しちゃいました(笑)。ほとんど初めてみる商品ばかりが並んでいるのですが、一体どうやって選ばれているのでしょうか?
店頭に置けるものは、私の舌が「これが一番!」と確信したものだけです。だから1アイテムにつき、原則1銘柄しか店には置きません。「グラホ」なら、目をつぶって買ってもハズレがない」常連さんのこの言葉が私の誇りです。
(『裏を見て「おいしい」を買う習慣』より引用)
岩城さんは、美味しさを追求する生産者さんに代わって販路拡大、商品開発を担いながら、食品会社のコンサルやバイヤー代行もされているため、全国2600社以上のメーカーと繋がっているというすごい方。『カンブリア宮殿』を見ていても「この人がうまいって言った商品なら絶対うまいでしょ!」と思うほど、日本一いろんな商品を食べている方だと感じました。
また、メーカーや価格に左右されず、本当に美味しいものだけを選ぶために「ブラインド」という、パッケージもメーカーもなしの状態で、社内試食会を行うルールもあるんだとか。そういった厳しい基準を乗り越えた商品だからこそ、目をつぶって買ってもハズレがないということなのでしょう。
とはいっても、食費にお金をかけられない!
買ってきた味噌もキムチも私の中の細胞さんが「うまいっす!」と言っているのを感じられたのですが、毎日六本木の「グラホ」で買い物できるようなセレブ生活は夢のまた夢……。確かにいいものが揃っているし、食べても美味しかったのですが、全ての食事を「グラホ」で揃えてしまっては、家計を圧迫してしまう……というのが正直なところ(涙)。
でも、ちょっとでも「おいしい」ものを買いたい! という方は、調味料から揃えていくのがおすすめなんだとか。
1本1000円のしょうゆは、確かに高いです。でも1000円のケーキセットを高いと思いますか。ケーキは1回で食べきってしまうけれど、1本のしょうゆは長く持ちます。その価値をどうとらえるか、ということです。
(『裏を見て「おいしい」を買う習慣』より引用)
これは「ケーキよりしょうゆを買いましょう」とか「高い=いいもの」と言いたいのではなくて、いつも「なんとなく」で買ってしまっているしょうゆなどの調味料は、ちゃんと自分で選んで決めたものか? という問いなのです。
私なんかもスーパーで調味料を買う際、どうしても安いものから目にしてしまいます。買うときに、どうやって作られているのか? 原材料は何か? 添加物は入っていないか? なんてことは気にもしていませんでした。けれど、ケーキセットのケーキを選ぶ時ってめちゃくちゃ自分と相談するじゃないですか?(笑) それくらいのテンションでしょうゆも選べば、1000円だったとしても「全然モト取れますな。しかもおいしい!」となるはずです。『裏を見て「おいしい」を買う習慣』には、しょうゆだけではなく、砂糖、塩、みりんなど基本の調味料を買う際のポイントも紹介されているので、気になる方はぜひ読んでみてください!
買い物は「投票」
こうやって「しょうゆ」ひとつをこだわって選んでみると、次は豆腐、次は卵、次はお肉……と買い物で選ぶものが変わってきます。著者の岩城さんも、買い物は投票であると語ります。
買い物は投票です。日々の買い物は、「この店の味、この商品の味をまた食べたい」という思いを込めた一票なのです。その一票が、つぶれかかった良質な会社を救うことにもなりますし、粗悪な素材を添加物でごまかして安く販売している企業を応援することにもつながります。ブランドバッグのニセモノが作られるのは、ニセモノを買う人がいるからですよね。危険性のある添加物が入った食品も、求められるから作るのです。だれも買わなくなれば、メーカーも見直しを迫られます。
(『裏を見て「おいしい」を買う習慣』より引用)
私も『裏を見て「おいしい」を買う習慣』を読んでから、必要な分だけを買うように意識できるようになり、家庭内の食品ロスも減らせるなぁ〜と感じられるようになりました。「美味しいうちに食べきりたい!」という意識も働くため、使い切れるようになったのです。
ついつい「安いもの」「長持ちするもの」「いっぱい入っているもの」を選びたくなりますが、それが逆に食品ロスにつながることもあるのではないかな? と感じます。誰に投票するか、調べながら買い物してみると買い物は楽しく、毎日の食卓はさらに美味しくなりますよ!
【書籍紹介】
裏を見て「おいしい」を買う習慣
著者:岩城紀子
発行:主婦の友社
小さなメーカーが作る「おいしい」は私たちが買わないと消えてしまう。日本の食の未来を明るくする買い方の啓蒙書。