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2021/2/3 6:30

騎手同志の対談でディープに迫る、競馬の楽しみ——『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』

自宅で過ごす時間が多くなり、色々なゲームに手を出しています。そんな中でも、めちゃくちゃ勉強になっているのがNintendo Switchの『ダービースタリオン』、そうダビスタ。ご存知の方もいるかもしれません。競走馬オーナーとなり、強い馬を育てていく競走馬育成シミュレーションゲームです。競馬の知識がほぼ0に近い私は、強い馬を育てられず、我がつるたファームは借金まみれですが(笑)、一攫千金を夢見て頑張っています。

 

競馬ってギャンブルの面が目立ってしまいがちですが、ダビスタをやっていると一頭の馬がレースに出るまでに、オーナー、飼育員、調教師、ジョッキー等、たくさんの「人」に支えられている競技なのだなぁと感じ、ゲームを始めてから日曜日の競馬中継を見る目が変わりました。

 

今回は競馬好き、ダビスタ好きにも読んでほしい『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』(藤岡佑介・著/イースト・プレス・刊)をご紹介します。

やっぱり、武 豊はすごかった!

競馬のジョッキーと聞いて思いつくのは、武 豊騎手ではないでしょうか? 前人未到のJRA 4000勝を2018年に達成し、誰もが知っている日本を代表するジョッキーです。

 

『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』は、競馬情報サイトnetkeiba.comで連載されている藤岡佑介騎手の対談コーナー「with 佑」をまとめたものなのですが、書籍だけのスペシャル対談として武 豊騎手との対談が収録されています。そこには負けてしまった時の心の保ち方、騎手という職業についてなど、競馬を知らない人が読んでも、言葉のひとつひとつからプロフェッショナルが溢れていて感動できる内容になっています。

 

数々のエピソードの中でも私が一番驚いたのは、騎手になる前のエピソード。ジョッキーになるためには競馬学校に入学するのですが、その時から武 豊は武 豊だったのです!!

 

―(中略)武さんの競馬学校時代の成績にも興味があります。「実はそれほど優秀じゃなかった」など意外すぎるエピソードがあったりして(笑)。

 

武 残念ながら優秀でした(笑)。卒業時は9人でしたが、入学当初は12人でスタートして、学科はだいたい3位か4位で中の上といったところでしたけど。実技は中間テストと期末テストがあって、3年間のうち一度だけ2位になってしまったことがありますが、あとは全部1位でしたね。

(『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』より引用)

 

小学5年生から乗馬を始めていたことや血筋もあるかもしれませんが、すごい成績ですよね! 「60歳でダービーを勝ちたい」と語っていたこともあるそうですが、現在51歳の武 豊騎手ならやってくれそう……と思ってしまいました。

 

「試合が終われば同士」と語る、外国人初の全国リーディングジョッキー

私は同じ公営競技の中でもボートレースが好きなのですが、日本と韓国にしか競技がないため、「外国人選手」がいません。しかし競馬はグローバル! 日本で活躍する外国人騎手も多く見られるようになってきました。

 

『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』には、フランス出身のクリストフ・ルメール騎手との対談が掲載されています。そんなルメール騎手は、日本ダービーという大舞台でたった8cmの差で一着を逃したことがあったそう。ゴール後「負けたけれど、いいレースができてうれしい」とコメントし、優勝した川田騎手に手を差し伸べたのだとか。その時を振り返り、このように語っていました。

 

ルメール うん、至って自然に手が出たよ。誰が勝ったとしても、自分の仲間がダービージョッキーになったわけだから、彼の美しい1日を心から喜ぶべきでしょ? 自分が勝ったときも、周りの人たちから「おめでとう!」と言われたいから、自分も仲間の勝利を喜べる人間でいたい。

(『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』より引用)

 

美しい……! 尊い……! 一戦一戦に魂を込めた、まさに命懸けの戦いを目にすれば、ギャンブルという枠を超えたスポーツとしての魅力やヒューマンドラマに出会える! と、忘れかけていたレース自体の楽しさを思い出させてくれました(もちろん、お金も欲しい! けれどギャンブルなので嗜む程度にしておきましょうw)。

 

ちょっと目線を変えると、競馬がもっと面白くなる?

最後に「競馬を通じて、ひとりでも多くの人と1頭でも多くの馬を幸せにしたい」と語る、著者である藤岡佑介騎手の言葉をご紹介します。

 

競走馬は、たくさんの人の思いを背負い、決して大げさではなく、本当に命を賭してレースに臨んでいます。そんな彼らの頑張りに精一杯の騎乗で応えるのはもちろんのこと、その走る姿や着順という結果により、ひとりでも多くの人に幸せをもたらすことができたら——。そんな思いが僕のモチベーションのひとつであり、馬に携わる仕事をさせてもらっている“ホースマン”としての大事な使命だと僕は考えます。

(『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』より引用)

 

誰よりも競馬が大好きで、誰よりも競馬の未来を考えている藤岡騎手との対談だから引き出せるジョッキーたちの想いがたっぷり掲載されている一冊でした。競馬や騎手という職業を詳しく知らない方はもちろん、週末は競馬をしている方も、私のようにゲームで楽しんでいる方も、騎手の胸の内やプライベートを知ることで、新しい競馬の楽しみ方と出会えるような気がしています。

 

私も藤岡騎手と11人の騎手が楽しそうに過去のレースを振り返り、そしてこれからについて語っている言葉に「競馬ってこんなに奥が深くて、幅も広くて面白い世界だったのか!」と感じました。ギャンブルだけじゃない面白さを多くの人に知ってもらいたい! そしてダビスタでは、藤岡佑介騎手で優勝したい! そんな思いで日々ゲームを楽しんでいきたいと思っています(笑)。

 

【書籍紹介】

ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話

著者:藤岡佑介
発行:イースト・プレス

武 豊騎手との特別対談を収録!! あのレースの真実、勝負に臨む覚悟、ライバル心…騎手同士だからこそ話せる“ここだけの話”!

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