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2021/3/4 6:30

オンライン会議で知っておきたい「話し方」のコツ−−『世界最高の話し方』

日本がリモート化してから、早いもので1年が経とうとしています。「どうやって打ち合わせしよう?」とか「オンラインで伝わるの?」などなど疑問に思っていたのが嘘のように、リモートスタイルに移行した会社は多く、すっかり「当たり前」になってしまいました。

 

昨年10月に発売された『世界最高の話し方』(岡本 純子・著/東洋経済新報社・刊)には、元・新聞記者でエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジストというすごい肩書きをお持ちの著者、岡本純子さんのノウハウが50のルールとして余すところなく掲載されています。今回は、オンラインミーティングに慣れてきた今だからこそ改めて学んでおきたい「話し方」のコツをお伝えしていきます。

リモートはそもそも集中力が持ちにくいと心得るべし

たまに5名以上のウェブ会議に参加すると、画面も音声もミュートにしている人がいて「本当に聞いてもらえているのかな?」と心配になりますよね。でも、自分も担当部分が終わればコーヒーを淹れちゃったりして(笑)、顔を合わせていた時よりも集中していたか? と聞かれると正直できていないことの方が多いなーと思います。

 

Amazonの「めっちゃお得〜」のCMでも、リモート打ち合わせ中にAmazon見ている設定になっていますから、リモートでは聞く側は集中できていない状態かもよ! ということを前提に話し方を工夫しなければいけないそうです。

 

全身の五感で感じ取っていた情報を、目と耳だけで吸収しなければならないリモート環境では、発信者はこれまで以上の努力をしなければ、伝わりません。

聞き取りやすく緩急をつけた声も重要ですし、表情やプレゼン資料の「見せ方」「魅せ方」にもいっそうの工夫を凝らさなければならないということです。

(『世界最高の話し方』より引用)

 

その「工夫」は、YouTuberに学ぶのが良いのだとか。確かに人気YouTuberの動画を見てみると効果音をふんだんに使っていたり、大きなテロップが入っていたり、商品の見せ方を工夫していたり、「視覚」と「聴覚」へのアプローチが上手ですよね。大事な会議でYouTuberのように「はいどーもー!〇〇ですっ♪」と言われてしまったら驚きますが(笑)、しっかり聞いてもらえるための見せ方は真似できる部分がありそうですね。

 

プレゼン達人の必殺技

リモートになったからといって、商談やプレゼンの場が減ったわけではありません。むしろ、遠方の会社とも商談しやすくなったのでプレゼン機会が増えた! なんて人も多いと感じます。ただでさえ、集中力が持たないオンラインミーティングで上手なプレゼンをするためにはどうするのが良いのでしょうか? プレゼンの達人はとっても簡単な方法を使っているそうですよ。

 

有名な動画配信プロジェクト「TEDトーク」の最も人気のある上位25のプレゼンテーションを分析したところ、次の3つの特徴がありました。

・笑いをとっている
・拍手や歓声をあつめていた
・問いかけが多い

「?」の数は579あり、ピリオド、つまり日本語の「。」が3910でした。

「。」で終わる文が6に対し、「?」つまり質問や問いかけを1の割合で入れていくべきだというわけです。

(『世界最高の話し方』より引用)

 

そんな簡単でいいの? と思ってしまいますが、「。」を「?」に変えるだけで、一方的な自分語りから相手との対話となるため、関心を持って聞いてくれるようになるそうです。なんだか最近、リモートだと商談がうまく進まないなぁ〜と思っている人は、話している内容の語尾をほどよく「?」に変えてみると、いつもと違うリアクションがもらえるかもしれません。

 

オンラインでの部下の褒め方

社内のコミュニケーションもリモートによってちょっぴり希薄になったと感じる人もいるかと思います。また便利なチャットツールが主流になった今は、直接「褒める」ということも減りましたよね。頑張っている部下を褒めてあげたいのだけれど、どうやって褒めたらいいか、どう話したらいいかわからないという方におすすめの「ミカンほかん」の法則をご紹介します。この法則は、「承認(みとめる)」「共感」「賞賛(ほめる)」「感謝」の「み・感・ほ・感」を組み合わせたものなのだとか。

 

「ミカンほかん」を実践すると、こんな感じの伝え方になります。

 

大口の契約がとれたそうだね。(承認・認める)

つらい思いをしたから、余計うれしいよね。その気持ちはよくわかるよ。(共感)

お客様への心配りも素晴らしかった。よくがんばったよ。(賞賛・ほめる)

心からおめでとう。そして本当にありがとう。(感謝)

(『世界最高の話し方』より引用)

 

ここまで褒められたらうれしいですよね! 心のどこかで「うそ〜」「またまたぁ〜」とは思いつつ、言われて嫌な気持ちがしないから不思議です(笑)。

 

「話し方」は、教えてもらう場面が少ないので、ついつい我流でやってしまいますが『世界最高の話し方』を読んでいると、知らず知らずのうちにやっていた自分のクセや間違った話し方に気がつくようになります。項目が細かく分かれ、さらっと読める一冊なので「話し方を鍛えたいけど読書が苦手で……」という人もおすすめです。また春から新しい環境で働くという方もオンライン時代にあった「話し方」を身につけられるはずです。

 

リモートワークが中心となり、人と話す機会も減っている今のうちに改めて「話し方」のコツを身につけてしまいましょう!

 

 

【書籍紹介】

世界最高の話し方

著者:岡本 純子
発行:東洋経済新報社

1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた「伝説の家庭教師」の全メソッドが、初めて書籍化! 完全初公開! 「雑談」「プレゼン」「説得」「説明」「ほめ方」「叱り方」、話し方にまつわる全スキルが、たった1冊で身につく! リモートにも完全対応!「伝え方」「目線」「声」「しぐさ」今知りたいノウハウが満載! 仕事も日常会話も、この「黄金50のルール」でうまくいく!話し方が変われば、人生が変わる!

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