本・書籍
2021/3/24 6:30

今から発信者になるために必要なこととは?−−『自分メディアはこう作る』

筆者が敬愛してやまないオカルト研究の第一人者・並木伸一郎先生が立ち上げたYouTubeチャンネルに参加している。まさかこのタイミングでYouTubeに関わり始めるとは思っていなかったが、かなり前のめりになっていることが自分でもわかる。

 

各種SNSの連動体制

TwitterやFacebookの活用法や連動にすごく興味があり、試しにやってみたことが予想以上にハマると、ものすごい達成感がある。Clubhouseも最初はノリがわからなかったが、最近は、ひと昔前の表現を使うならザッピングやネットサーフィンみたいな感覚で複数のルームを行き来するようになっている。

 

休眠状態のブログも復活させて、音声配信も始めたい。Instagramもからめて互換性を高めたらどうだろうか。何かアイデアが生まれると、それを具体的な形にして記録するまで眠れない夜が続いている。

 

「自分メディア」って、なんて魅力的な響きなんだろう

ポジティブな形で背中を押されているのを実感している筆者が『自分メディアはこう作る』(ちきりん・著/文藝春秋・刊)をページごとに反芻する感覚で読み込んだのは、ごく当たり前なのだ。この本の基本的な性格は、ブログの定点観測・成長観察記録といったところだろうか。目次を見てみよう。

 

=第一章 出発点=

・日記帳からブログへ

・ブログ開始にあたって

・ネット上での個人情報公開

・初期のブログ

・メッセージを伝える

=第二章 ブレーク!=

・最初の転換点 ネットの有名人へ

・第二の転換点 ネットの外へ

・意識的なブログ運営の始まり

・ブランディングのために

=第三章 自分のメディアへ=

・メディア価値を高めるために

・自分のメディアを作るための5か条

・自分と読者のためのルール

=第四章 今、そしてこれから=

・読者と向き合う視点

・つながる危険と可能性

・ここまで大きくなりました!

・自分のためのブログ活動

・ちきりんブログ成功の理由

 

これに加え、「ベストエントリ20」として成長・キャリア・つながり・教育・政治・ビジネスという6ジャンルに分けられた実際のエントリの文章、そして“日本一のニート”として有名な人物を相手にネット・ブログ・本の関係性を軸に繰り広げる対談が収録されている。複数メディアの紐づけについても触れてくれている内容は、まさに筆者の望み通りといえる。

 

ブログの誕生と成長をつぶさに見せる構成

発信者側は、読者側の期待を感知しながらそれ以上のものを提供したい。ブログを媒体とした読者と発信者の理想的な関係をどう実現するか。本書では、そのプロセスが明確に言語化されている。自ら社会派ブロガーと名乗るちきりんさんの出発点は、こんな感じだった。

 

あるとき無名の会社員が“ちきりん”などというふざけたペンネームで書き始めた個人ブログは、今や日々数万人の読者が訪れる人気ブログとなりました。月間の読者数は20万人以上で、ちょっとした雑誌と同じレベルにまでなっています。

『自分メディアはこう作る』より引用

 

ちきりんさんが「Chikirinの日記」を始めたのは、ブログという言葉が流行語大賞に選ばれた2005年。ブログを書くという行いがぐっと身近になったこの年に「Chikirinの日記」が立ち上げられたことは、今考えればエポックメイキングな出来事だったにちがいない。

 

ヒントを探す作業

ちきりんさんの方法論が正しかったことは、20万人という驚異的な数の読者によって証明されている。

 

読んでいただければわかるように、私はかなり意識的に、そして戦略的に自分のブログを育ててきました。本書はノウハウ本ではなく、あくまで10年間の「Chikirinの日記」の舞台裏を綴る読み物ではありますが、自分もブログを書いているという人や、これからは自分も個人として発信していきたいと考える人にとっては、何かしらヒントになることもあるはずです。

 『自分メディアはこう作る』より引用

 

そう。この本には、経験則に裏打ちされた無数のヒントがちりばめられているのだ。

 

無名の書き手が注目される時代

ネット上にいる数えきれないほどの人たちに、自分が書いたものを読んでもらうにはどうしたらいいのか。すでに何万人という単位の読者を獲得しているブログの主催者が、ひとつ上のレベルを目指す手段を得るにはどうしたらいいのか。10年におよぶ記録から得られる具体的な答えは、想像以上に多い。

 

「何についてどう書くか」だけではなく、ブログ始める時に選ぶべきサービスやドメインに関する超実用的なアドバイス、予期せぬバッシングや炎上への対策、そしてブランディングに関するノウハウまで網羅されている。最後に、次のような言葉を紹介しておきたい。

 

皆さんのおかげで、今の“ちきりん”は存在しています。こんなふうに無名の書き手が見いだされ、注目される新しい時代を作っているのは、まさにそうした読者の方々の力によるものです。

『自分メディアはこう作る』より引用

 

まだ形がはっきりしていなくてもいい。発信したい気持ちが少しでもあるなら、今日から何かを始めるべきだ。

 

【書籍紹介】

自分メディアはこう作る

著者:ちきりん
発行:文藝春秋

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