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自己啓発
2021/7/29 6:15

選択肢を絞るな!二兎を追え! TEDトーク350万回超再生の著者が語る「自分だけのキャリアの見つけ方」

大谷翔平選手が、ホームラン王を狙う勢いで活躍している。投手としての成績も15登板で5勝1敗/防御率3.04(執筆時現在)。二刀流という言葉をこれほど明らかな形で実現している野球選手はいない。

 

自分という存在の定義

野球以外のジャンルにも、二刀流という言葉で形容できる人がいる。お笑い芸人で芥川賞作家。医師で弁護士。グラドルで女子プロレスラー。こういう生き方って、ごくわずかな、選ばれた人にしかできないんだろうか。

 

実はそうでもなさそうなのだ。『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』(エミリー・ワプニック・著、長澤あかね。訳/PHP研究所・刊)は、読者に「ひょっとしてありかも」と思わせてくれる一冊だ。まず、次の文章を読んでいただきたい。

 

これは、「やりたいことを一つだけ選んで、残りをすべて捨ててしまうなんてイヤだ」と考える人たちのための本です。好奇心旺盛で、新しいことを学ぶのが大好きで、いくつものアイデンティティをはぐくみ、それを自在に行き来するのを楽しむ、あなたのための本なのです。

『マルチ・ポテンシャライト』より引用

 

人は、ひとつの要因で定義されるわけでは決してない。それがこの本のテーマの明確なメッセージだ。

 

可能性のリストアップ

「二兎を追う者は一兎をも得ず」「転石苔むさず」といったことわざで端的に示されるように、特に日本社会では、色々なものに手を出したり、居場所を転々と変えたりというあり方にネガティブな視線が向けられることが普通な時代もあった。

 

しかし今、自分のさまざまな可能性を試すことをためらう必要はない。必要なのは、新しい時代の価値観に基づく意識の変容を自分ごととしてとらえていく姿勢だ。否定から始めるのではなく、可能性のリストアップから始めると、ものごとがまるで違って見えてくる。

 

マルチ・ポテンシャライトとは

マルチ・ポテンシャライトとは、マルチ(多くの)―ポテンシャル(潜在能力を持つ)―アイト(人)という意味だ。目次を見てみよう。

 

・マルチ・ポテンシャライト=世間にしばられず、複数の転職を追究する人たち

・マルチ・ポテンシャライトのスーパーパワー

・マルチ・ポテンシャライトが幸せに生きる秘訣

・グループハグ・アプローチ=ある一つの多面的な仕事に就き、その中でいくつもの分野を行き来する

・スプラッシュ・アプローチ=パートタイムの仕事やビジネスを掛け持ちし、精力的にその間を飛び回る

・アインシュタイン・アプローチ=安定し「ほどよい仕事」をしながら、情熱を注げる取り組みをほかに持つ

・フェニックス・アプローチ=数か月、数年ごとに業界を移り、興味を一つずつ掘り下げていく

・自分に合う「生産性システム」の作り方

・マルチ・ポテンシャライトが抱く「不安」に対処する

 

マルチ・ポテンシャライトという生き方・あり方に関わる多様性やダイナミズムが具体的に想像できると思う。

 

アイデンティティをはっきりさせていく過程

「バイトをいくつもかけもって生活を維持する生き方」という言い方からポジティブな雰囲気を感じる人は、それほど多くないはずだ。でも、そういうライフスタイルを送っている本人はむしろ「マルチ・ポテンシャライト」にきわめて近い感覚で日々を過ごしているのかもしれない。

 

会社に勤めながら副業でも活躍したり、社内で副業を持ったり、あるいは“複業”という言葉で表されるように二つ以上の仕事を持つなど、「自分を活かせる場が二つ以上ある」ことは普通になりつつある。そして、自分を活かすのが仕事がらみの場だけとは限らない。ただ、こうした場を探す過程には悩みや葛藤がつきものだ。

 

「自分の人生の目的って何なのだろう?」という問いは、年齢を問わず人々を悩ませている。そうした悩み―キャリアだけでなく、「アイデンティティ」そのものをめぐる悩み―を経験するのは、浮ついているからではない。本人は、身のすくむような気分でいるのだから。

『マルチ・ポテンシャライト』より引用

 

自分という存在を定義する要因は、生き方にそのままつながる「アイデンティティ」をはっきりさせていくプロセスに不可欠だ。だから、悩むという行いも欠かせないのだろう。

 

生き方も働き方も変わる時代

著者のエミリー・ワプニックさんは音楽・アート・映画・法律という4つの分野を仕事や学問として探求してきたマルチ・ポテンシャライトだ。ほかの人たちとはちょっと違う生き方・働き方をしてきた彼女は、読者に語りかける。

 

この本の情報は、自分に合うものだけを取り入れて、残りは無視しよう。複数のワークモデルをスムーシングしてみよう。毎年新しいワークモデルを試すのが心地いいなら、そうしよう。いろいろ実験し、繰り返し試して、自分仕様にしてほしい。あなたの仕事で、あなたの人生なのだから。(太字部分本書ママ)

『マルチ・ポテンシャライト』より引用

 

私たちは、生き方や働き方に対する考えが根本から変わりつつある時代のさなかにある。そういう時代を生きている自分の現在位置を確かめ、これから向かっていく場所に思いを馳せるのに役立ってくれるだろう。

 

【書籍紹介】

 

マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法

著者: エミリー・ワプニック(著)、長澤 あかね(訳)
発行:PHP研究所

TEDトーク350万回再生超!「人生の選択肢が絞れない……」と悩む人が、自分だけのキャリアを見つけられる画期的な方法。

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