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2021/8/4 6:15

『おかえりモネ』ファンは必読!? 『ときめく雲図鑑』を片手に夏の空を見上げよう

毎日暑いですね〜。外出しにくい時期でもあるので、涼しい家のなかでじっとしている人も多いかもしれませんが、ご自宅の窓やベランダから空に浮かぶ雲を眺めて、観察してみませんか?

 

ときめく雲図鑑』(菊池真以・著/山と渓谷社・刊)には、「こんな雲があったの?」と思うような珍しい雲や、「こんな名前だったんだ!」と初めて知る雲がたくさん掲載されています。今回は炎天下の暑い日でも、雲を知ることで夏の空が好きになるかもしれない、そんな一冊をご紹介します。

雲は大きくわけると10種類

一言に「雲」と言っても、同じ形のものはほとんどありません。素人は「どれも同じでしょ?」なんて思ってしまいますが、世界気象機関が「10種雲形」としてしっかり雲の種類を分類しています。

 

巻雲(すじ雲)/乱層雲(あま雲)/巻積雲(うろこ雲)/層積雲(うね雲)/巻層雲(うす雲)/層雲(きり雲)/高積雲(ひつじ雲)/積雲(わた雲)/高層雲(おぼろ雲)/積乱雲(にゅうどう雲)

(『ときめく雲図鑑』より引用)

 

「何個かは聞いたことがあるけれど…」と思いますが、実際に絵に描いてみろ! と言われても描けないのが正直なところですよね。『ときめく雲図鑑』では、写真とともにそれぞれの雲が紹介されているので、わからなくても大丈夫! 図鑑と照らし合わせながら、「あれはひつじ雲かな?」などと理解していくことができます。また見分けが難しい雲も紹介されているので、分類に困った時にも助けてくれます。

 

夏の空に現れる「にゅうどう雲」

夏といえば、真っ青な空にもくもくと大きく広がる「にゅうどう雲」のイメージがありますよね。このにゅうどう雲は“雲の王様”とも呼ばれていて、雲の厚さは10キロメートル以上にもなるのだとか。

 

雲はぷかぷか浮いているので、「軽そう〜」「ふわふわしていそう〜」とメルヘンなイメージがありますが、現実は水の集合体です。0.01ミリメートルの小さな水の粒が集まって、ひとつの雲が構成されています。にゅうどう雲のように大きな雲にはどれくらいの水が含まれているのでしょうか?

 

にゅうどう雲のように大きな雲に含まれる水の量は、数万〜数十万トンにもなります。このたっぷりの水が大雨のもとになることがあります。

(『ときめく雲図鑑』より引用)

 

すごい量! そりゃ雨降るわ〜と思いますよね(笑)。またこのにゅうどう雲は、急ににゅうどう雲として出現するわけではありません。発生要因のひとつに小さい子どもが描く絵のような形をしたわた雲が組み合わさって、にゅうどう雲になる場合があります。特に、気温の高い日は、地表の空気がどんどんあたためられ、わた雲がたくさん発生しやすいため、それらがくっつきあって、夕方には大きなにゅうどう雲が発生するなんてことも。時間がある人は、わた雲がある場所を定点カメラで撮影してみるとどんどん大きくなっていく雲が撮影できるかもしれませんよ!

 

定点観測は、夏休みの自由研究にもおすすめ!

毎日をあくせくと動いているとなかなか雲を見上げる時間もなくなってしまいますが、「朝だけ」「夕方だけ」でも空を見上げれば季節を感じることができます。夏場は夕焼けがきれいに見える時期なので、テレワークをしている人は、少し手を休めてベランダから夕焼けを眺めてみる……なんてのもいいですよね〜。

 

ちなみに今のように天気予報がなかった時代は、毎日雲の様子や空の動きを眺めながら天気を予想していました。現代ならスマホを開けば降水確率がパッと出てきますが、雲の流れを見ながら「これはそろそろ雨になりそう」という直感的な感覚も忘れずにいたいものだな〜と思います。

 

現在放送されているNHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』でも番組の最後に「あなたの身近な観天望気」が紹介されています。観天望気とは、天気にまつわる言い伝えや、ことわざのこと。「猫が顔を洗うと雨」「夕焼けだと明日は晴れ」など、今ではなかなか天気のことわざを言う人も使う人も少なくなってしまいましたが、昔の人の知恵が詰まった観天望気は現代でも役立つことがたくさんあります。1日3分でも『ときめく雲図鑑』とともに空を眺め、季節の移ろいを感じることができたら、あつ〜い夏も少し好きになれそうな気がしてきます。

 

また空の観察は、夏休みの自由研究としても人気ですし、毎日続けていくことで新たに発見できることもあるはず。おうち時間が増えているので、ご自宅でできる自由研究にお困りの親御さんは『ときめく雲図鑑』が役に立ってくれますよ!

 

【書籍紹介】

 

ときめく雲図鑑

著者:菊池真以
発行:山と渓谷社

すべての雲には名前がある? もっとも身近な自然である雲を、気象予報士の菊池真以さんが解説します。基本となる10種類の雲「きほんの10種」、ほか空に現れるときめく雲たち「かわいい雲」「きれいな雲」「ふしぎな雲」「すごい雲」「めずらしい雲」、雲と光が作るコラボレーション「光×雲」など、充実した種類の雲を美しい写真とともに紹介。

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