本・書籍
2022/4/19 6:15

2040年には独身者が5割に!? 「おひとりさま社会・日本」を生き抜くための知恵とは?——『「一人で生きる」が当たり前になる社会』

2年以上も続くコロナ禍。新株の名前や第7波という言葉にリアリティを感じ始める人が多くなっている中、孤独死が増加の一途を辿っている。

「一人で死ぬ」まで続く「一人で生きる」ステージ

最近ではコロナに感染した独居老人の容態が悪化し、そのまま亡くなるというパターンも決して珍しくはないだろう。ただ、孤独死という現象自体はコロナ禍が始まってから顕著化したものではない。『特掃ジャーナル』の記事によれば、孤独死の増加が目立ち始めたのは2013年だった。50歳以上のグループに限って言うなら、2019年の孤独死総数は2015年度と比較して1.13倍に増加している。

 

当然ながら、一人で死ぬという状態の前段階には「一人で生きる」というステージがある。昭和・平成・令和と元号が新しくなっていく過程で、ライフスタイルや社会意識は大きな変化を遂げた。少し前から「おひとりさま」というフレーズがごく一般化していることからもわかるように、一番大きな変化が訪れたのは結婚観ではないだろうか。

 

「一人で生きる」が当たり前になる社会』(荒川和久、中野信子・著/ディスカヴァー・トゥエンティワン・刊)は、読者に客観的な事実を伝える文章から始まる。

 

2040年には、独身者が人口の5割になり、既婚者(64歳まで)は3割になる—。この衝撃的な数字を見て、みなさんはどのように感じたでしょうか。

『「一人で生きる」が当たり前になる社会』より引用

 

64歳までの既婚者は、かなりのマイノリティになってしまうということなのだ。

 

独身研究と脳科学

本書は、独身研究の第一人者である荒川和久氏と脳科学者の中野信子氏の対談というフォーマットに乗せて話が進んでいく。章立てを見てみよう。

 

第1章 「ソロ社会」化する日本

第2章 孤独とは悪いことなのか?

第3章 ソロの幸せ、既婚者の幸せ

第4章 恋愛強者と恋愛弱者の生存戦略

第5章 ソロ化と集団化の境界線

第6章 自分とは何か—一人の人間の多様性

第7章 世の中を動かす「感情主義」のメカニズム

終 章 「withコロナ時代」の生き方を考える

 

「2040年には、独身者が47%に」「一人でいたい人は4割、他者と一緒にいたい人は6割」「ソロ男の外食費は、一家族分の外食費の2倍近い!」「友だちの数が可視化されて、孤独を増進するSNS」など、思わず読んでみたくなる見出しが各章に並ぶ。

 

恋愛も結婚もディストピアでしかないのか

こんなやりとりがある。

 

中野 もう若い層は結婚しないほうが当たり前の世界がすぐそこに来ているんですね。

荒川 結婚したとしても晩婚になりますし、離婚も増えてきているので、必然的に独身が増えます。

中野 最近は、結婚するにしても「永遠の愛を誓う」というような風潮ではなくなってきたように思います。結婚する
メリットを疑ってかかる時代に、本格的に突入したという感じでしょうか。

                 『「一人で生きる」が当たり前になる社会』より引用

 

恋愛や結婚をディストピア視する人たちが増え始めたのはいつごろからだろうか。事態は想像よりもはるかに深刻なのだ。どれくらい深刻なのか。内閣府・男女共同参画局が主催する「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」で、「壁ドン・告白・プロポーズの練習」の必要性が大マジで取り上げられるほどなのだ。

 

まずは慌てず、今の歩みだけを見る

丹念にファクトを積み重ね、専門知識に裏付けられながら進む対談には深みと重みが感じられ、説得力は抜群だ。特定の主張を押し付けるようなニュアンスもない。冷静な口調で論拠が示された後の荒川氏の言葉は警鐘ではなく、ごく近い未来に確実に訪れる状況の説明にほかならない。

 

日本は今まさに、「少産少死」から「少産多死」の時代への過渡期にあります。すでに、日本は年間当たり出生数より死亡数の多い「多死社会」へ突入しています。まもなく数年後には、年間150万人以上の死亡が50年にわたって続く時代になるのです。

 『「一人で生きる」が当たり前になる社会』より引用

 

ただ、ディストピアの到来をじっと待つだけという手はないはずだ。あとがきに次のような言葉がある。

 

私たちが向き合うべきは、変わるはずのないものを変えられるかのような欺瞞や茶番ではなく、ファクトを知ったうえで、不可避な未来を見据え、今をどう歩いていくかということだと思います。ソロ社会、個人化する社会は、決して絶望の未来ではありません。

                 『「一人で生きる」が当たり前になる社会』より引用

 

スピリチュアリズムの話をしているわけではない。過去を悔やまず、未来を心配せず、今という瞬間だけを考えて生きる。そういう姿勢が実用的になる時代が来ることは、もはや確実のようだ。

 

【書籍紹介】

「一人で生きる」が当たり前になる社会

著者:荒川和久、中野信子
刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン

2040年には、人口の半分が独身者に…「ソロ大国・ニッポン」をどう生きるか、徹底検証!

Amazonで詳しく見る
楽天koboで詳しく見る
楽天ブックスで詳しく見る

TAG
SHARE ON