本・書籍
2022/12/13 21:30

やはり英語学習は「話す・聞く」が重要? 本当に使える英語が身につく『「耳コピ」日常英会話』

先日、とあるアメリカ人UFOリサチャーにオンラインのインタビューを受けた。こういう機会は本当に久しぶりで、収録最中はまあまあいい感じだったのだが、後でアップされた動画を見て愕然とした。発音がダメだ。

 

発音矯正のキーポイントは耳コピ英会話?

合の手や間の取り方はそこそこいいんだけれど、慌てるととにかく発音がダメ。言い直しても納得いかないと、そればかりが気になって泥沼にはまっていくだけ。

 

筆者は英語学習に関してかなり多くの時間を費やし、多くの資料に目を通して、自分なりの方法論をアップデートし続けている。弱点を見せつけられた感覚が拭えないままでいる今の筆者の最新アップデート要素として紹介したいのが、『「耳コピ」日常英会話』(竹内薫・著/PHP研究所・刊)という本だ。著者の竹内薫氏は8歳から10歳までニューヨークの現地校に通い、東大教養学部、理学部卒業からカナダのマギル大学で博士課程を修了したサイエンス作家/翻訳者だ。

 

聞く・話す>読む・書く

大学3年の時にオレゴン州に留学した筆者は、かなり時間をかけて勉強した英語とアメリカでごく普通に使われている英語のギャップが想像以上に大きいことに愕然とした。だから、8歳の時に父親の海外赴任によって“いきなり”現地校で学び始めた竹内氏の体験のハードさは皮膚感覚レベルで理解できる。泣きながら勉強してバイリンガルになり、子どものために、自分ほど苦労せずに日本語/英語双方に堪能になれる方法を考えようと思った。これが本書のスタートだ。「はじめに」に記されている本書の命題的な部分を示しておく。

 

この本は、そんな私の教育奮闘記でもあるのですが、とにかく実践的な内容になるよう工夫を凝らしました。母国語を習得するのと同じ状況を疑似的に作り出し、とにかくリスニング(「聞く」)とスピーキング(「話す」)を鍛える。決して、リーディング(「読み」)とライティング(「書き」)からは入らない。

『耳コピ日常英会話』から引用

 

言い古されていることは十分わかっているのだが、あえて言っておきたい。読み書きに重きを置いてスタートするこれまでの日本の英語教育は、やはり方法論として間違っていた部分が多いのかもしれない。読む・書く・話す・聞くという4つの軸のうち、ふたつに対して費やす労力と時間を圧倒的に多くした結果、理論的にはきれいなひし形になるべきものが、いびつな形に仕上がってしまうのだろう。

 

ズームイン/アウト自由自在な章立てと項目

章立てを見てみよう。

 

主章  竹内式英語習得絶対法則

副章1 「読み」「書き」の上達は教材選びで決まる!
副章2 絶対に続く! モチベーションを保つ方法
副章3 ネイティブの英語感覚を身につける
副章4  英語力を飛躍的に高める3つの魔法

 

これだけ見ると本当にざっくりした感じだが、それぞれの章にきめ細かい設定が行われている。「日本語脳の呪縛」「日本人が英語を使えるようになるために必要なこと」といった大き目のスコープの話題から「本や雑誌の選び方のコツ」「脳科学でモチベーションを保つ」「会話の文法間違いはむしろ自然」といった自分ごと視線のトピックまでバラエティ豊かなアプローチで展開してくれる。

 

聞く・話すのテンポをデフォルト化しよう

今の筆者に最も響いたのは、主章と副章1の間に設けられている発音の良化を意識したフレーズ集だ。この本に繰り返し出てくる耳コピを通した“英語勘”を得るプロセスが凝縮された部分だと思う。「Feet on the floor!」(足を床につけて!)「Tuck in your chair!」(イスを机の下に入れて!)「Make a line!」(一列に並んで!)といった子どもがごく普通に学校で使う短いフレーズ—竹内氏は“コドモ英語”と表現する—がダウンロード可能な形でデータ化され、イントネーションや発音を繰り返し練習できるようになっている。文章も徐々に長くなるので、反復練習を通してデータ通りに再現できる確率が高くなる。

 

聞く/話すから成るコミュニケーションには即応性が求められる。そのテンポをデフォルトにしておけば、読む・書くへの応用性は自然に身につくはずだ。

 

学び直しの理由を再認識する

学び直す理由を再認識するための指標としても役立ってくれる本書をきっかけにする人も少なくないだろう。特に筆者のように、弱点が明瞭な形でわかっている場合は、より高い効果が期待できるに違いない。

 

FBの海外の友だちに気の利いたメッセージを送りたい。読み手にもっとインパクトを与えるような英文メールを書きたい。目的はそれぞれあるはずだ。筆者はこの本で発音を特訓して、次のインタビューを誰よりも自分が一番納得できる仕上がりにすることを目指す。

 

【書籍紹介】

「耳コピ」日常英会話

著者:竹内薫
発行:PHP研究所

“日本人は英語力を「50%」持っている”“「音を聞く」-発音記号は勉強しなくていい!?”“「コドモ英語」で耳コピに挑戦!”“「読み」「書き」の上達は教材選びで決まる!”“絶対に続く!モチベーションを保つ方法”海外経験ゼロでも、普通の大人でも、短期間で、「本当に使える英語」が身につく!

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