本・書籍
2023/2/2 21:30

片付けても片付けても汚部屋になってしまう人必見! 整理整頓のコツは「ちゃんとしない」だった!!

昨年の暮れ、大掃除をしないまま夫の実家に帰省してしまいました。何だかやたらと忙しく、それどころではなかったのです。実は今までも、大掃除が途中のままで帰省したことは何度もありました。けれども、まったく何もしないまま年を越してしまったのは、結婚して初めてのことです。新年にまとめてやるからと言い訳したくせに、実はまだ果たしていないのです。

 

何とかしなくちゃ

ふと気づけば、もう2月、部屋の中は魔窟と化しています。こうなると、どこから手をつけたらいいのかわかりません。おまけに、寒いし、忙しいし、肩やら腰やらあちこち痛いしで、荒れていく部屋を見て見ぬふりの毎日を送っています。

 

これはまずいとわかってはいます。魔窟状態に慣れると、これはこれでいいかとなっていきます。のんびりできて快適だとさえ思います。毎日、毎日、ものを片付けるのはストレスになります。料理と洗濯はさぼると健康にかかわりますが、部屋は汚くても死にはしません。

 

開き直って、散らかったままで暮らしていたら、生活に悪影響が出始めました。やたらとモノがなくなるのです。先日も、暖房を消そうとしたら、リモコンがありません。「どこにいったんだよ」と、夫はイライラしますが、そんなことリモコンに聞いてほしいものです。以前、忘れ物をして遺失物係に行くと「どこでなくしましたか?」と、聞かれました。答えたいとは思いますが、どこでなくしたかわからないからここに来たのです。

 

もっとも、我が家のリモコンは家の中でなくしたに違いありません。家のどこかにあるはずです。ところが、探しても探しても出てきません。もしかしたら、間違えてゴミとして捨ててしまったのではないかさえ思ったりもしました。必死で大捜索する私を見ていた夫は、「もう待ってはいられない」と、ネットで新しいリモコンを買ってしまいました。翌日、リモコンが届き、ほどなくして元のリモコンも見つかりました。DVDのホルダーの中に入っていたのです。

 

ではこれで安心かというと、そうではありません。もう一つ予備があるという甘えがあるせいでしょうか。新旧2個のリモコンがしょっちゅうなくなってしまうのです。これは何とかしなくてはと、『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら二度と散らからない部屋になりました』(なぎまゆ・著/KADOKAWA・刊)を読みました。二度と散らからない部屋が欲しかったからです。

 

ゆるゆるできる片付け本

この本は、漫画家のなぎまゆが、足の踏み場もないほど散らかっている友人の部屋の片付けを手伝った顛末を描いたものです。著者自身、元・片付けられない人だったそうです。子どものころから親に「いい加減片付けなさい」と、叱られて育ち、大人になっても片付け下手でした。来客があるとあわてて片付け、一応は綺麗な部屋に通しましたが、そうした片付けは所詮は付け焼き刃であり、すぐに元の状態に戻ってしまいます。彼女はそれをリバウンドと呼んでいますが、確かに、一瞬で綺麗になった部屋は一瞬で散らかるものです。床の上にあったものを大急ぎで押し入れに押し込め、すっきりしたように思えても、夜になれば、布団と一緒に洋服や本がドドドと崩れ落ちてくるというわけです。

 

悩んだ彼女は、自分なりの片付け方を模索します。そして、一つの結論に達しました。

 

何度トライしても「大雑把」である自分が「几帳面」な人と同じにはなれませんでした。それならば必要なのは几帳面な人と同じになる「努力」ではなく、大雑把な私でも片づいていられる「工夫」ではないか

(  『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら二度と散らからない部屋になりました』より抜粋)

 

つまり、自分なりのゆるゆるな片付け方を会得すれば、友達を助けてあげるまでに成長できるということでしょう。魔窟状態の部屋に住む友人に対して、著者は優しい視線を注いでいます。頑張って片付けても、いつの間にか元通り散らかってしまう部屋を前にしたときの情けなさをよく知っているからです。だからこそ、片付けられない友人の元へ駆けつけることをいとわないのでしょう。

 

片付けお助け人

まずは友人Aさんのケース。彼女の部屋は、部屋に入れないくらい、ものがいっぱいです。おまけに謎の物体が散らばっていました。飼い猫がいるので、糞かと思ったら、なんとそれはそれはマタタビでした。片付けを手伝いに行きマタタビに悩むというのも、そうはない体験でしょう。

 

さらには、無限に出てくる封筒にも悩まされたといいます。書類などを封筒に入れて片付けるといいというアドバイスに従い、それを守っていたら、わけのわからないことになってしまったというのです。この時、処分した紙の量は軽く100kgを越えたというのですから、めまいがします。

 

他にも限りなく出てくる文房具の話も参考になりました。なくしたと思って新しく買っているうちに、ホチキスが12個、ボールペンの替芯が50本という風に、無限にたまっていたといいます。手軽にネットで買えるだけに、探すより買ったほうが早いという考えに至るのでしょう。

 

さて、次にもう一人の友人Mさんのケースを見てみましょう。著者は漫画家ですから、天井から見たMさんの部屋の間取り図を描いています。それを見て思い切り笑ってしまいました。物がぎっしりいっぱいで、床が描いてありません。描きたくても見えなかったのでしょう。しゃれたロフトベッドがついていますが、そこで眠ることは不可能です。物置場と化しているからです。

 

衣類だけを集めたくても物がミルフィーユ状に積み重なっていて、集めることが困難

 (『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら二度と散らからない部屋になりました』より抜粋)

 

こんな状態の部屋を前にしても著者はひるみません。捨てて捨てて捨てまくるのです。ここにあるのは、友への愛と共感です。

 

私もトライします

『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら二度と散らからない部屋になりました』は、私を励ましてくれました。リモコンをなくしてしょんぼりしていた日々から、救い出してくれました。自分の性格にあった収納環境とルール作りができれば、部屋を片付け、その後も綺麗な状態を維持できるはずです。

 

著者が片付けを手伝ったAさんもMさんもいまだリバウンドすることなく、片付いた部屋で暮らしているというのですから。

 

『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら二度と散らからない部屋になりました』には、ものの捨て方や、片付け方のヒントがわかりやすく示されています。是非、参考にしてみてください。私もこの締め切りが終わったら、本来は年末にするべきだった大掃除にとりかかります。そして、リバウンドしないようにするつもりです。リモコンを買い直す必要がない部屋を取り戻すため、頑張らなくては。そう思わせてくれる本でした。

 

【書籍紹介】

「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら 二度と散らからない部屋になりました

足の踏み場もないほど物が溢れすぎている友人宅のお片付けレポを通して、整理整頓ができない理由、キレイな状態を続ける方法を解説! 元・片付けられない人だった著者がおくる、お片付け系実録コミックエッセイ。

著者:なぎまゆ
発行:KADOKAWA

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