本・書籍
2023/9/22 20:00

温度と時間に正解ある? お風呂の知識が詰まった『入浴は究極の疲労回復術』

猛暑、酷暑と年々暑さが増していく、日本の夏! 9月に入り少しずつ秋の気配を感じていますが、まだまだ暑い……。季節の変わり目には体調を崩しやすいので、健康管理もしておきたいですよね。そこでおすすめなのが、お風呂! 最近はサウナブームも相まって、若者にもお風呂が人気になっています。しかし、正しいお風呂の入り方をご存知でしょうか?

 

今回は『入浴は究極の疲労回復術』(早坂信哉・著/山と渓谷社・刊)から、今より健康で元気になれる入浴方法をご紹介します。

入浴習慣がある人は「幸福度」が高い!

お風呂は健康にいい、そんなイメージを持っている人は多いでしょう。しかし、具体的に「何」に良いのかは、あまり知られていないかもしれません。『入浴は究極の疲労回復術』の著者である早坂信哉さんは、20年にわたって3万人以上の入浴を調査した温泉療法専門医。入浴による健康効果を日々、研究されています。これまでに入浴が健康寿命をのばすこと、脳卒中や心疾患、糖尿病を防ぐことが報告されているそうです。

 

また、心にとってもメリットが大きいそうで、毎日お風呂に入っている人のほうが、そうでない人より幸福度が高いという調査結果も報告されています。

 

私たちの研究グループで入浴時のホルモンの変化を調べたところ、湯船に入ると、ストレスを受けた時に分泌されるストレスホルモンの「コルチゾール」が減り、逆にストレスを緩和する幸せホルモンの「オキシトシン」が増えることがわかりました。

(『入浴は究極の疲労回復術』より引用)

 

早坂さんは銭湯での研究も行なっているのですが、銭湯のような広い湯船に浸かると、家庭用の湯船に浸かった時と比べて数倍も多い「アルファ波」が出たそうです。さらに、週に1回以上銭湯に通う人は、全く行かない人と比べて自分は健康で幸せだと感じている割合が高くなるという結果も出たそうです。

 

ストレス社会に疲れたら、自宅のお風呂で幸せホルモンを増やし、週に1度は銭湯でアルファ波を放出するのが良いかもしれません。暑い日はシャワーだけなんて人も、今夜は湯船に浸かってみるのはいかがでしょうか?

 

何度で何分、お風呂に入るのが正解なの?

何度のお湯に何分浸かるのがベストなのでしょうか? 早坂さん曰く「40度のお湯に10分、全身浴する」のがおすすめとのこと。10分は、5分ずつにわけてもいいそうです。長すぎると熱中症のような症状が出てくるそうなので、気をつけてくださいね。また、気分によって温度や入浴する時間を変えるのもいいそうですよ!

 

目安をいえば、38℃から40℃のお風呂に入ると副交感神経が刺激され、42℃以上の熱いお風呂では交感神経が刺激されます。

ですから、イライラしている時、不安や心配事があってリラックスしたいときには40℃までの「ぬる湯」で。

体調が悪いわけではないのになんとなくやる気が出ない、シャキッとしたいというときには42℃くらいの「あつ湯」を短時間(5分ほど)。

そんなふうに、気分に応じてうまく使い分けてください。

(『入浴は究極の疲労回復術』より引用)

 

朝風呂を習慣にしている方の場合は、交感神経を刺激する「あつ湯」がおすすめ。また銭湯やサウナに行く方は、しっかりとかけ湯をしてから、まずは「ぬる湯」に静かに入り、「あつ湯」やジェットバスなど刺激のあるお風呂やサウナを堪能してから、ゆったりと「ぬる湯」で締めるのがベストな流れだそうです。『入浴は究極の疲労回復術』には細かく入浴方法が記載されているので、気になるところから読んでみるのが良いでしょう。風邪を引いた時の入浴法や、高齢者が気を付けることなど細かく紹介されていますよ。

 

おうちのお風呂が楽しくなる「季節湯」

おうちでお風呂を楽しむ方の中には、入浴剤を入れている人も多いかもしれませんね。最近は、子ども向けからリッチな温泉気分を楽しめるものまで、さまざまな入浴剤が販売されています。ちなみに日本で初めて入浴剤が使われたのは、明治時代と言われています。そのころは、薬湯と言って、端午の節句に菖蒲湯にしたり、冬至に柚子湯にしたり、季節ごとのお湯を楽しんでいたそうです。

 

現代でもそんな「季節湯」は手軽に楽しめます。9月なら老廃物の代謝を良くする菊の花を浮かべた「菊湯」で夏の疲れをリフレッシュ。10月ならスライスした生姜を浮かべた「生姜湯」でポカポカに。『入浴は究極の疲労回復術』には1月〜12月までの季節湯が紹介されています。気になる方はぜひご覧ください。

 

毎日何気なく入っているお風呂も、効果的な入り方を実践すると今よりもっと健康になれちゃうかもしれませんよ。季節の変わり目を元気に乗り越えるためにも、毎晩のお風呂をちょっと工夫してみてくださいね。

 

【書籍紹介】

入浴は究極の疲労回復術

著:早坂信哉
発行:山と渓谷社

20年にわたり、3万人の入浴データを検証してきた専門医が語る、自律神経を整える、温冷交代浴。テレワークのオンオフをリセット。入浴は最高の睡眠導入剤。

楽天koboで詳しく見る
楽天ブックスで詳しく見る
Amazonで詳しく見る