どのクレジットカードを持てばよいか迷っている“カード小羊”に、クレジットカードの鉄人・岩田昭男師範がカード選びの極意を伝授するコーナー。今回は、空の旅をもっとおトクに楽しめる新興エアライン系カードを紹介します。
【教えるのはこの人!】
岩田昭男
クレジットカード分野の論客として、20年以上取材・研究に携わる。同氏監修の「いま選ぶべき 最強クレジットカード&ポイント」(740円+税/学研プラス)が発売中です。
【今回の悩める子羊】
里海里 豆男(さとがいり・まめお/41歳)
東京在住の会社員。地方出身で、正月を含め年に2回は必ず故郷に帰ります。これまでマイルが貯まるクレカを使ってきましたが、近年の新興エアライン台頭に合わせ、カードの見直しを考え、道場の門を叩きました。
北海道へ行くならAIRDO VISA クラシックカード
岩田 新興エアラインの航空券と好相性のカードを探しとるのか?
里海里 田舎の両親も歳なんで、正月などマメに帰省してるんですが、節約で最近は新興エアラインを利用してて。でも、使ってるカードはマイルが貯まりやすいカード。新興エアラインはマイルが貯まらないので、変えようかと。
岩田 いまやJALやANAのマイルで特典航空券を得るより、新興エアラインのチケットを買い続けたほうが安あがりじゃからの。
里海里 では、やはり高還元率カードを作って、新興エアラインの航空券もそれで買うのがおトクだと?
岩田 いや、そうでもない。実は昨年末から、おトクな新興エアライン系カード(※)が出てきたんじゃ。
※:新興エアラインとカード会社が提携して発行するカード。カード利用で貯めたポイントを搭乗ポイントと合算し、高還元率でチケット購入に充てられます。優待特典も多いです
里海里 な、なんと! それは耳寄り情報ではないですか!?
岩田 たとえば、北海道を拠点とするAIRDO専用のAIRDO VISAクラシックカードは、AIRDO航空券の購入金額100円につき1ポイント付与、搭乗6回ごとにボーナスポイント100Pの付与に加え、カードでの購入についても150円につき1ポイントと、年1回ボーナスポイント100Pが付与される。東京 ― 札幌間なら2〜3往復すれば片道1回分の航空券が手に入るぞ。
【注目カードその1】
三井住友カード
AIRDO VISA クラシックカード
AIRDOのHPで航空券購入に使うとAIRDOポイントが貯まり、特典航空券と交換できるカード。普段の買い物で貯めたポイントもAIRDOポイントに移行可能です(※)。
※:移行サービスは2016年の夏頃に開始予定
【DATA】
国際ブランド:Visa
ポイント還元率:0.3~0.5%(ワールドプレゼント)
年会費:1728円(初年度無料)
九州便の利用が多いならSolaseed Airカードが便利!
里海里 航空券代に換算すると、すごい還元率ですね。でも私の田舎、九州・鹿児島なんですよ。
岩田 それなら、ソラシドエアのSolaseed Airカードじゃ!
里海里 ソラシドエアって九州路線に特化した航空会社ですよね。私もよく使ってます。
岩田 このカードは同社の便に搭乗のたびにソラシドエアのマイルが貯まるほか、毎年カード更新時にボーナスマイル(※)が500マイル付与される。また、カード利用で貯まるポイントは1ポイント=10マイルに交換可能。東京 ― 鹿児島なら2年で4〜5往復もすれば片道分のマイルは貯まるはずじゃ。
※:通常の搭乗マイルでなく、入会後最初の搭乗や毎年最初の搭乗時などに付与されるマイル。ステイタスや継続年数に応じてより多くボーナスを獲得できる場合も
里海里 搭乗で貯まるマイルとカード利用に付くポイントをまとめられるのはうれしいですね。
【注目カードその2】
三井住友カード
Solaseed Airカード(クラシック)
ソラシドエア便搭乗でマイルが貯まるマイレージ機能を一体化したカード。通常の買い物でのクレジット決済で貯まったポイントも1P=10マイルで交換できます。
【DATA】
国際ブランド:Visa
ポイント還元率:0.3~0.5%(ワールドプレゼント)
年会費:1350円(初年度無料)
大阪が中心ならPeach Cardがオススメ
岩田 ちなみに、大阪を中心に航空機に乗るなら、ピーチ航空のPeach Cardが必携じゃ。同カードのJCBベーシック版は年会費無料。カード購入で貯まるポイントを5ピーチポイントと交換できる。また、カード会員優待(※)で年に2回、ピーチ航空券をさらに安く購入可能。関西空港のある大阪府泉佐野市にふるさと納税をすると、寄付金額の半額分のピーチポイントがもらえるぞ。
※:クレジットカードに付帯したポイント以外の特典。新興エアライン系カードにも航空券セールや機内販売割引などの特典が付いています
里海里 新興エアライン系カードって、帰省や出張など、同じ路線を何度も使う人にメリットがたくさんあるんですね。
岩田 最近は「セカンドライフを田舎で」と考える中高年も多い。そういう人々が何度も現地を下見に行く際にも、これらのカードは役に立つじゃろうな。
【注目カードその3】
JCB/三井住友カード
Peach Card
Peach Aviationが発行するカード。カード決済で貯めたポイントを航空券購入などに使えるピーチポイントに交換できます。会員限定の航空券セールも実施。
【DATA】
国際ブランド:JCB/Visa
ポイント付与率:0.3~0.5%(Oki Dokiポイント/ワールドプレゼント)
年会費:無料(JCB)(※)
※:Visaはマイ・ペイすリボ設定を解除した場合と、入会2年目以降で前年のカード利用がない場合は、年会費が1350円かかります
【今回のまとめ】
その1 北海道によく行く人は、ボーナスポイント多数のAIRDO VISAクラシックカードを持つべし
その2 九州によく行く人は、Solaseed Airカード(クラシック)でさらにおトクに!
その3 大阪を中心に全国を飛び回るなら優待特典充実のPeach Cardが便利