ビジネス
2020/11/26 18:00

リモートワークの次は「アバター」で瞬間移動して働く時代がやってくる! どういうこと?

「アバター」というと、SNSやゲームのプロフィールキャラクターのことを思い浮かべるかもしれませんが、実は最近、それとは別のアバターが注目されています。今回紹介する「アバター」は人間が遠隔から操作するロボット。コロナ禍で外出しにくい状況となったいま、新しいコミュニケーション手段としての役割が期待されています。

 

アバターにはウェアラブルタイプ、釣りタイプ、ハンドタイプ、二足歩行タイプなど、様々なタイプがあるのですが、本記事ではそのなかでも注目されているコミュニケーションに特化したものを紹介。ANAのグループ企業「アバターイン」が開発した「newme(ニューミー)」は、パソコンからアバターにアクセスするだけで、限りなく生身に近いコミュニケーションを取ることができるロボットです。

 

アバターインCEOの深堀 昂さんに話を聞き、その合理性と運用のイメージについてわかりやすく解説していただきました。

↑アバターインCEO・深堀 昂さん。ANA在職中、アバター事業を思い立ち、同僚とアメリカで開催された「10億人の生活を変える」コンペにアバターを出展し、グランプリを獲得。ANAに持ち帰り、アバターの事業化を推進。今年4月にANAホールディングスのグループ企業としてアバターインを設立。

 

コミュニケーションに特化した「newme」の普及

ーーまず、「アバター」の概念から教えてください。

 

深堀 昂さん(以下、深堀) アバターとは人間が遠隔から操作するロボットのことで、映画「アバター」でジェームス・キャメロン監督が描いたようなものをイメージしていただければ良いと思います。アバターには様々なものがあり、ANAホールディングス時代にCEATEC (アジア最大級のIT技術とエレクトロニクスの国際展示会)に出展した際には、多岐にわたるアバターを出展しました。

↑2019年のCEATEC AWARD 2019でのANAホールディングスブース。ここでANAホールディングスがnewmeによって新しい社会インフラのデモ展示を行い、「Society 5.0 TOWN賞」を受賞

 

↑こちらは「ウェアラブルアバター」で、操作者は両手にコントローラを持ち、頭にマウントヘッドを装着(右)。手と頭がついたアバターロボットを人(左)が背負うことで、遠隔での体験を二人羽織のように共有できる

 

↑「釣りアバター」。魚が餌を咥えた瞬間の引きの感覚を遠隔地でも同じように感じることができる。慶應義塾大学が開発したリアルハプティクス技術を同大学のスタートアップグループ「Re-al」が製作。ロボットの手で触った感覚を人間の手に伝えることができる

 

↑「ハンドアバター」。人間の手の動きを忠実に再現する。あらゆる業務をリアルな感覚とスムーズな動作で行うことが可能

 

↑「二足歩行アバター」。歩行経路の選択ができるほか、両腕で荷物を運ぶことも可能。山を登る、階段を登るなどの、人間が行けるところは全て二足歩行で行くことができる

 

深堀 これらのアバターはそれぞれ特性が異なりますが、ビジネスという意味でのニーズを考えると、newmeというモデルが最も汎用性があると考え、弊社ではnewmeでのサービス化を準備しているところです。コミュニケーションに特化したモデルで、見守りもできるし、ショッピングもできるし、リモートワークを進化させた形で使うことができます。

↑深堀さんとnewmeにアバターインしたアバターインスタッフ。遠隔地にいる人とアバターを介してコミュニケーションを図る

 

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