大手暗号通貨取引所のFTXが、取り付け騒ぎにより経営危機に陥っています。また、FTXの日本法人となるFTX Japanにたいしても、関東財務局から業務停止命令と業務改善命令が下されています。
FTXは業界トップのバイナンスに次ぐ、世界第2位の暗号資産取引所。日本でも、野球選手の大谷翔平選手がFTX JapanのテレビCMに登場したことでも目にした方がいるかもしれません。また米議会でのロビー活動やスーパーボウルでのCM放映など、アメリカでは広く知られた会社でした。
今回の経営危機の発端は、11月6日にバイナンスがFTXのネイティブ・トークンである「FTT」の全売却を発表したこと。これによりFTTの価格は暴落し、11月8日にFTXのユーザーを救済すべくバイナンスによる買収が発表されたのでした。
しかしその後、FTXの関連会社であるトレード会社のAlameda Researchの資産のうち数十億ドル(約数千億円)がFTTで占められていたことが発覚。これをうけ、11月9日にバイナンスはFTXの買収を「コントロールできる範疇にない」として取りやめ、FTXの倒産が危惧されているのです。
米証券取引委員会(SEC)のトップは、直接FTXを名指ししなかったものの「暗号資産取引所が倒産した場合は、破産するしかない(資金は戻ってこない)」と発言しています。たびたび危機が訪れる暗号資産業界ですが、今回の危機は乗り切ることができるのでしょうか。