グルメ
2017/3/8 11:00

イタリアで日本食系インスタントが増殖中!「カップ焼きそば」もイタリアだけにお洒落?

イタリアでも大人気のラーメン。イタリアの有名食品メーカーから、インスタントも発売されています。最近では、ラーメンのスープなしバージョン=焼きそばも人気。話題の“カップ焼きそば”をイタリア人が初体験してみましたよ!

 

ラーメンブームも浸透しすぎてイタリア製カップ麺が登場

世界を圧巻する日本食ブーム。スーシー、テンプーラにとどまらず、ウメボーシ、トーフ、ユーズーを経て、最近はワギュー、ショーチューなどなど。ミステリアスでヘルシーで、なんだか魅力的なクチーナ・ジャポネーゼは、イタリア人にとって憧れの的のよう。モノによっては、すっかり暮らしの中に定着しているものもあります。

 

醤油、ワサビ、そして……ラーメン。

 

特に、ラーメンの浸透ぶりはすさまじい! 数年前に、ミラノでオリジナルのラーメン店が続々オープンしたかと思えば、最近はイタリア全国のスーパーマーケットの棚に、カップラーメンが並ぶように。しかも、ちゃっかりイタリア製だったりするので驚きます。

 

参入メーカーは、パスタの老舗“ブイトーニ”やトマトソースの大御所“スター”。たしかに、ラーメンはパスタ料理カテゴリー。お家芸と言わんばかりに、イタリアを代表する食品メーカーが参入したなら、それはもう…国民食街道まっしぐらではなかろうか?!

 

数年もすれば、子どもたちが「ラーメンはイタリアのパスタだよ? 」なんて言い出さないか、ヒヤヒヤしたり……はしませんが、インド人もびっくりさせた日本のカレーライスよろしく、日本人もびっくりの美味しいイタリアン・ラーメンが食べられる日も、そう遠くはないかもしれません(いまのところ、ラーメンはまだ美味しくないw)。

 

イタリアのインスタント事情もついでにご紹介

イタリアは、言わずと知れたスローフード発祥の地。マンマの料理が世界一だし、おばあちゃんの畑で採れたトマトで作ったトマトソースを1年中使うし、なんなら旅行にも持ってちゃうし……(本当)。老若男女が健康的な食生活を好む傾向にあります(基本人間はそうなのかもしれないけど)。美味しい夕食を作りたいがゆえに、仕事を放りだしてとっとと帰る人が多い国では、インスタント食品業界もやる気を失うのか、イタリアのインスタント食品は日本のソレと比べたら、鼻で笑っちゃうくらい発展していません。

 

鶏が先か、卵が先か。種類も少ないから使う機会も極稀で、瓶詰パスタソースや冷凍ピッツァもありますが、冷蔵庫に食材が何もないうえ、空腹で死にかけているくらいのときに使う「最後の手段」の位置づけ。

 

それでも、火にかけたり、オーブンで焼いたり。お湯をかけてどーにかなるレベルのものでもないので、人によっては料理した気分さえ味わえそうなものですが、イタリア人はミゼラブルな香りを漂わせ、「ああ、こんな食事をしなくちゃならないなんて!」と嘆き悲しみながら、震える手で封を切るのです。

 

要するに、これだけ馴染みが薄~いインスタント界において、スーパーマーケットのいわゆる「ツキダシ」に山積みになるカップ麺。その風景は、たいそう衝撃的なわけです。

 

噂のカップ焼きそばをイタリア人が体験してみた!

さて、前置きが長~くなりましたが~、ココから本題です! 話題のカップ麺の中でも、特に人気を博しているヤーキソーバーを健康優良な30代のイタリア人たちが初体験してみました!

 

まずは、作り方を把握するところからスタートです。このピュアさ! これが、インスタント経験の浅い平均的なイタリアの30代の姿です。健康的!

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今回、試食チャレンジしてくれたのは、安い白ワインを飲むと胃が痛くなるというデリケートなルーベン君と、最近、YouTubeで出汁の摂り方を勉強中のジョルジャさん、箸の持ち方が独自過ぎるフェデリコ君とワカメが食べられないカミッラさん。映像ディレクターやカメラマンなど、忙しい業界人ながら爽やか健康ライフをキープする4人です。

 

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ブイトーニ製は、カヤクとスパイス(のようなもの)を入れ、熱湯を加えて蓋をして4分。一方、スター製は、蓋をしないで3分。それぞれの研究の成果なんでしょうね。

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お湯を捨てるスタイルは、世界のぺヤングと一緒。ソースをプラスして、かき混ぜて試食です!

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さて、お味の方は?

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「Buono!(美味しい!)」

 

へー。イタリア人のインスタント食品の定番感想「化学調味料臭い」を期待していたのに、ちょっと期待はずれ(笑)。ブイトーニ製は、麺にシコシコした食感が残っており、スター製はソースの味が濃い目でしっかりした味付けでした。それぞれの得意分野が生かされているようです。

 

カヤクは、野菜が多めで、ソース味がなければ「チリチリ細パスタの野菜和え」とも言えそう。あ、焼きそばも、やっぱりパスタ料理なんですね~。そういえば、紅ショウガと青のりがありませんでした。

 

「3か月に1回くらいなら食べてもいいかも」とのこと。それは、相当美味しいということでしょう!

 

ちなみに、4人ともソース自体が初体験。日本のソースよりは薄味でしたが、初めての味に興味津々でした。ただ、ちょっとケミカル臭かったみたい(←出た!)。んーま、それがインスタントに慣れていない一般的なイタリア人の感想かもですね。そうして何度も食べていくうち、くせになっていくのです。ふふふ。

 

ヘルシーイメージの日本食×空前のラーメンブームの波に乗ったインスタント砲が、健康的な食生活を守り抜いてきたイタリア食文化の牙城を切り崩したようで、申し訳ないような気持ちがしないでもありませんが、まあ、それはそれ。これはこれ。

 

もしイタリアに来られることがあったら、イタリア製カップ麺。お土産にいかがです?