日清食品「どん兵衛 天ぷらそば」と東洋水産「緑のたぬき天そば」は、カップそば界の2大ブランドですが、実は地域によって味が異なります。そこで、2人のそば専門家に各地域のカップそばを食べ比べてもらい、味の違いをチェックしました。
↑比較を行なった吉田あたろうさん(左)、平島憲一郎さん(右)
「どん兵衛」は地域によって3つの味
日清食品の「どん兵衛」は1976年に誕生。当初から東西の味に違いがありました。2009年には北海道向けも登場し、いまも進化し続けています。
日清食品
日清のどん兵衛 天ぷらそば
各194円
【東日本向け】
江戸っ子も納得の鰹×醤油の王道つゆ
関ヶ原を境界に、本土東側はこのどん兵衛が販売されています。キレのいい鰹と醤油のつゆは、濃厚でコクも十分です。
「関西人に驚かれる濃~い色のつゆ」(吉田)
【西日本向け】
旨みと香りが広がり飲み干したくなる
鰹と昆布ダシをすっきり味わい深く仕上げたつゆ。上品かつまろやかな旨みがあり、思わず飲み干したくなります。
「淡い色のつゆだが味付けはしっかり」(吉田)
【北海道向け】
北海道の土産にも喜ばれる逸品
千歳の工場で製造される北海道の限定品。甘く香りのよいダシが効いたつゆは、北海道産利尻昆布を使用しています。
「広大な北海道を感じる大らかな味」(吉田)
「緑のたぬき」は4種類。西日本と関西を分けるこだわりぶり
東洋水産の「マルちゃん 緑のたぬき」は、1980年の誕生時から東西でつゆの味を変えて展開。その後2001年に関西向け、2014年に北海道向けが開発されました。
東洋水産
マルちゃん 緑のたぬき天そば
各194円
【東日本向け】
吟味し尽くされたしっかりめのつゆ
良質な鰹節のみを仕入れ、昆布のダシとブレンド。キレと旨みのある醤油で仕上げるしっかりめの味わいです。
「鰹ダシが効いて、意外にさっぱり」(平島)
【西日本向け】
昆布や淡口醤油で旨みの明瞭な味に
昆布をベースに、鰹節、煮干、雑節などを合わせて淡口醤油で仕上げています。旨みが前面に出た味わいが特徴です。
「多彩なダシの旨みが濃厚」(平島)
【関西向け】
うるめ鰯が軸のやさしい味わい
近畿エリアで展開。つゆには関西のうどんやおでんのダシによく使われる、うるめ鰯がたっぷりと入っています。
「ダシの種類は多彩だがやさしい味」(平島)
【北海道向け】
高級昆布が醸し出す上品で豊かな旨み
京料理などに多用される、北海道産の利尻昆布を贅沢に使用。豊かな旨みのなかに、ほんのりとした甘さもあります。
「鰹節と昆布による柔らかい味」(平島)
今日はいよいよ大晦日。年越しそばにカップそば、食べたくなったでしょう?