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2018/10/26 10:00

GetNaviプロデューサー、宮崎の焼酎蔵で「熟成焼酎」の深みにハマる! 「究極のレモンサワー」のための焼酎を探す旅

桜樽の中身を採取し、特別に香りを嗅がせてもらう

「⿊壁蔵」には、アメリカンホワイトオークを使ったタイプのほか、主に同社の宝焼酎「NIPPON」という革新的な甲類焼酎に用いる桜樽(1本220約リットル)も貯蔵されている。今回、手動倉庫と呼ばれるやや小規模な倉庫では、桜樽の中身も見られるということで、そちらへ移動。

↑手動倉庫。自動倉庫ほどではないが、十分な広さと高さがあり、樽に触れることもできた

 

手動倉庫では、スポイトのようなツールを使い、樽から貯蔵酒を採取して香りをかがせてもらった。今回は約6年貯蔵した熟成酒をサンプリング。「アロマが強い! オレくらいになると、この香りだけでボディのまろやかさがわかるね」

↑スポイトのような器具で樽から熟成酒をサンプリングする様子

 

官能検査室で熟成による香りの違いを比べてみたら

その後、実際に官能検査室で熟成による⾹りの違いを⽐べてみた

 

香りが……香りが丸いッ! 若い酒とはまったく違う!」

 

蒸留したての焼酎にはガスのような刺激臭を感じるが、熟成から3か月ほど経つにつれて刺激臭が減少し、やがて落ち着きのある風味となる。さらに数年をかけると樽貯蔵によるタンニンやバニリンなどの木の成分が加わり、芳ばしく甘い香りが生まれる。さらにまろやかさや甘さなどの複雑味が増加し、独特の味わいが形成されるのだ。

 

これはすごい。一見無個性に見える甲類焼酎でも、熟成することでここまで特徴を引き出せるのか……。松井は改めて熟成の奥深さを知り、この地を訪れたのが間違いではなかったと確信した。

↑左が「たれくち」と呼ばれる、熟成前。中央が数か月、右が数年もの

 

樽の内側を焦がして再生加工する現場も訪問

「樽のことをもっと知りたい!」樽の神秘に触れた松井は、続いて樽再生加工の現場へ。宝酒造では樽も「貴重な資源」と考え、「⿊壁蔵」では約10年熟成に使用して熟成効果の薄れた樽の再生加工を行っているのだ。何でも、樽を削って内部を焦がすことにより、さらに30~40年ほど使用することが可能になるという。ここまで1つ1つの樽を大切にする姿勢に、リスペクトを覚えた。

↑内側を焦がす「チャー」という作業のラスト。火力を上げて、焦げ具合を調整。その焦がし加減によって、のちの熟成度合いが変わる。チャーの作業が終わると、周囲には蘇った樽の甘い香りが漂っていた

 

↑樽の⾦具を外したり、締め直したりする機械もある

 

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