2018年も、フード&ドリンク界では多種多様のヒットアイテムが生まれました。これらすべてを一概に語ることは容易ではありませんが、全体を見渡してみたときに、傾向として「プチリッチ」というキーワードが浮上します。
新ジャンルにして“ビール感”を得られる本麒麟や、1缶で適度に酔える高アルチューハイは、「家飲み」充実化の切り札。高級食パンや夜マックはもとより、チーズドッグも若者のおやつとしては決して安いものではありません。
ガチのリッチは求めていないが、コスパを追求するだけでは物足りない。そんなカオスなニーズを捉えた、絶妙な秀作揃いの1年でした。
【その①】本麒麟
3月の発売から約半年で累計2億本(※)を突破!
キリン
本麒麟
130円(350㎖)
従来の1.5倍の長期低温熟成を採用した新ジャンル。アルコール度数は6%と高めで、コクと飲み応えを強化しました。一部にドイツ産ホップを使用したことで、リーズナブルな価格ながら上品な苦みと爽快感を実現しています。
※約550万ケースを350mℓ缶換算
【ヒットの真相】
「本当はビールが飲みたい」層に刺さった
同社の調査では、新ジャンルユーザーの6割以上が「本当はビールを飲みたい」と回答。このニーズを踏まえて製法や素材にこだわり、ビールらしいコクと飲み応えを実現しました。
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独自のプロモーションがウケた!
サントリー
ザ・プレミアム・モルツ
神泡体感キット
本製品ならではのクリーミーな「神泡」を、家庭で手軽に楽しめる購入特典。6缶セット(手動/写真)と24缶ケース(電動)で展開されました。
【その②】高アルチューハイ
発売約5か月で累計1億本突破
キリン
キリン・ザ・ストロング
実売価格116円(350㎖)
クリアウォッカを使用し、アルコール度数は9%。「ハードな炭酸感」と「ハードな味わい」も相まって刺激的な飲み応えに。
発売約3か月で年間販売目標の200万ケースを達成(※)
サッポロチューハイ
99.99
141円(350㎖)
純度99.99%のウォッカを使用し、透明感のあるクリアな味わいを実現。飲み応えはありながらも飽きない、スムースな飲み口です。クリアレモン(写真下)はキリッと引き締まった酸味が特徴。アルコール度数は9%。
※250㎖×24本換算
【ヒットの真相】
“高コスパ”で酔える手軽さがウケた
「働き方改革」推進の社会背景もあり、家飲みにシフトする層が増加。価格も安く手軽に酔える高アルコール飲料がヒットしました。RTDの新製品はアルコール度数9%が主流となりました。
【その③】サバ缶
販売数は累計で300万個以上に
岩手県産
サヴァ缶
実売価格1700円(3缶セット)
オシャレなパッケージが特徴的な、国産さばのオリーブオイル漬。プレーンな塩味(写真)のほか、レモンバジル味、パプリカチリ味といったバリエーションが好評です。「Ça va(サヴァ)?」はフランス語で「元気ですか?」の意味。
【ヒットの真相】
美容・健康志向のユーザーが支持
サバ缶には、美容や健康に効果的といわれるオメガ3脂肪酸のDHAとEPAが豊富に含まれます。多くのメディアでサバ缶を利用したダイエットが紹介され、大きな支持を集めました。
【その④】チーズドッグ
SNS映えするチーズドッグに平日昼から行列が絶えない
アリラン・ホットドッグ
チェダーレーラ(上)480円
ポテトレーラ(下)480円
とろ〜り伸びるチーズがたっぷり入った韓国風ホットドッグ。ケチャップやマスタードのほか、ココナッツシュガーなどの甘いトッピングも用意する点がユニークです。2017年に韓国から上陸し、新大久保店に1号店をオープンしました。
【ヒットの真相】
伸び〜るチーズがSNSで映えまくり
SNS映えフードとして、若い女性を中心に人気を集めました。2018年12月にオープンした表参道店はイートインメニューを用意する初のカフェタイプで、従来とは異なる客層を狙います。
【その⑤】透明ドリンク
発売から約3週間で出荷累計2000万本突破
コカ・コーラ
コカ・コーラ クリア
140円(500㎖)
強い炭酸の刺激とレモンフレーバーをゼロカロリーで楽しめる、カラメル不使用の透明飲料。様々な原材料とフレーバーを吟味し、調整と試飲を重ねて50種類以上のサンプルを作り、レモン果汁を加えて完成しました。
【ヒットの真相】
透明なら周囲の目を気にせず飲める?
あのコカ・コーラが透明になったことは大きな話題となり、認知拡大につながりました。また、透明ならオフィスでも周囲の目を気にせず飲める心理も働き、購買に影響しているようです。
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無糖のストロング炭酸水もヒット!スノーピークとの共同開発としても話題に
サントリー
南アルプススパークリング
108円
従来品に比べて製造充填時のガス圧を大幅にアップし、爽快な刺激と後味の良さを楽しめます。ペットボトルの先端をシャープな形状にすることで、口に流れ込む量を約1.25倍に増加させました。
【その⑥】バターコーヒー
発売から約1年でシリーズ累計750万本を突破
ファミリーマート
バターコーヒー オリジナル
198円
アラビカ種のみを使用したコーヒーに、ニュージーランド産のグラスフェッドバターと、吸収や分解燃焼の早いMCTオイルを配合。味わい深く、まろやかですっきりした口当たりに仕上げました。
【ヒットの真相】
高感度なファミマがブームの裾野を広げた
一部の健康志向ユーザーの間で話題となっていたバターコーヒーを、2017年12月にファミリーマートがいち早く製品化しました。200円以下で手軽に買えることで裾野を拡大させました。
テイクアウト専門店も大人気!
最強のバターコーヒー
代々木店
テイクアウト専門のバターコーヒー店。バターをはじめとする素材や製法に徹底してこだわります。管理栄養士がショップに常駐して製造・販売を行うため、食生活の悩みなどを気軽に相談できるのもうれしい。
住所:東京都渋谷区代々木1-38-6
営業時間:8:00〜20:00
休日:年中無休
【その⑦】高級食パン戦争
大阪で人気の食パン店が東京に進出して話題に
LeBRESSO
レブレッソブレッド
650円
北米産の小麦粉を使用し、卵と防腐剤は使用しないで作られます。炊き立てのご飯のようなもっちりとした食感と、ほんのり甘さを感じる独特のうまみが特徴。トーストにぴったりな、飽きのこない味に仕上がっています。
多い日には全国で2万本以上も販売
乃が美
高級「生」食パン
432円(1斤)
多い日には全国で合計2万本以上を売り上げる人気商品。同店オリジナルブレンドの小麦を使用し、卵は不使用です。一度食べたらやみつきになる、しっとりもちもちの食感を実現しています。2018年11月に東京出店。
【ヒットの真相】
食パンの名店がしのぎを削る!
2018年7月に大阪で人気のLeBRESSOが東京・武蔵小山に進出。いまや全国で展開する人気店・乃が美などとしのぎを削ります。田園調布の嵜本や、清瀬の考えた人すごいわなども注目。
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乃が美クオリティを自宅で再現!
パナソニック
SD-MDX101
実売価格4万1950円
乃が美は、パナソニックのホームベーカリー専用の「生」食パンレシピ「おうち乃が美」を監修。レシピはパナソニック公式HPなどで公開されており、SD-MDX101などの対応製品を使って作れます。
【その⑧】夜マック
100円UPでパティが2倍に!サービスを開始した月の売上が前年比で10%アップ
マクドナルド
倍グラン クラブハウス
590円
17時以降に、プラス100円でパティを倍増できるサービス。ジューシーな100%ビーフパティが倍になると、おいしさもボリュームもアップします。手丸めでスチームしたバンズやスマートベーコン、ホワイトチーズとの相性も抜群です。
【ヒットの真相】
高カロリーでもユーザーの約4割が女性
18年3月に全国展開すると、投入した店の売上高は前年同月比で10%アップ。レギュラーメニューに定着した。高カロリーの商品ながら、同社調べではユーザーの約4割が女性。