【その3】アイリッシュの入門に最適な「ブッシュミルズ」
1608年創業と、現在操業中のアイリッシュウイスキー蒸溜所のなかで最古といわれるブッシュミルズ。伝統の3回蒸溜を守りつつも未発芽の麦は使用せず、ノンピート麦芽にこだわっているのも特徴です。心地よい飲み口で支持を得ているロングセラーであり、アイリッシュの入門にも最適といえるでしょう。
新商品はシェリー樽とバーボン樽で熟成された原酒をヴァッティングした後に、マルサラワイン樽で熟成。スムースな口当たりでありながら、余韻の長い複雑な味わいが特徴です。
【その4】超プレミアムバーボンの雄「ウッドフォードリザーブ」のライ
1812年創業のウッドフォードリザーブは、アメリカ・ケンタッキー州最古の蒸溜所といわれる名門です。イトスギの木桶による発酵や、ポットスチルでの3回蒸溜といった伝統的製法から生み出されるまろやかな味わいが特徴。
定番のバーボンは、エレガントなフレーバーとリッチな飲み応えで「スーパープレミアム」に格付け。また、アレンジがしやすいことから世界中のバーテンダーからもカクテルベースとして愛用されています。
今回の新作は原材料にライ麦を51%以上使用したライウイスキーとなり、それでいてライ麦の使用比率が53%と、一般的なライウイスキーよりも低めに設定。甘さとスパイシーさがバランスよく調和しています。
ライウイスキーも、「オールドファッションド」や「マンハッタン」などのクラシックカクテルのベースとして世界的に親しまれるアメリカンウイスキー。ということで、商品発表会ではバーボンベースで作ったカクテルとの飲み比べも体験しました。
感想としては、余韻のタイプがライのほうがスパイシーな印象。キャラクターは若干違えどそれぞれのよさがあり、甘香ばしく柔らかな飲み心地がたまりません。もしバーでカクテルを飲むなら、ウッドフォードリザーブをベースにしてオーダーを。
なお、いまでこそアメリカンウイスキーといえばトウモロコシを51%以上含むバーボンが主流ですが、もともとはライウイスキーから出発した歴史があるそう。そんな、アメリカンウイスキーの原点に思いを馳せながら飲むと、また楽しさが増すのではないでしょうか。
今回の4本はどれもそれなりの価格はしますが、そのぶんプレゼントにもぴったり。王道ならスコッチ、おだやかさならアイリッシュ、アメリカ好きならライなど、相手の性格に合わせるのもよし。また、熟成の年数やラベルのデザインで選ぶのもいいでしょう。贈答の機会に、ぜひ本稿を参考にしていただけたら。