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2019/5/22 22:30

来日した「伝説のバーテンダー」に聞いた、良いバーと良いカクテルの「条件」

世界的に盛り上がっている、バーとカクテルシーン。先日、この業界で“伝説のバーテンダー”として影響を与え続けているチャールズ・シューマン氏が来日し、イベントが開催されました。

 

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↑左がシューマン氏。右は、会場となった六本木「MIXOLOGY experience」の店主であり、日本におけるミクソロジストの第一人者である南雲主于三氏

 

自らの店をもちながらも世界中を巡り、一流バーテンダーとの交流を深めるシューマン氏。そこで、なぜバーテンダーを目指したのか、またバーやカクテルの魅力などを聞いてみました。

 

伝説の男がバーテンダーを志した理由

まずはシューマン氏の紹介から。1941年ドイツ生まれ。1982年、ミュンヘンに「シューマンズ バー」をオープン。当時、バーと言えばホテル内にあるのが通例で、一般的には敷居が高かったのですが、気軽に入れて食事もできる路面店バーとして爆発的な人気に。

 

その後1991年に上梓したカクテルのレシピ本「シューマンズ バー ブック」は、世界中のバーテンダーのバイブルとして有名です。

 

↑2017年には映画「シューマンズ バー ブック」も上映。世界中の有名なバーやカクテルを通じてその文化を探る内容で、新宿「バー ベンフィディック」など日本のお店も登場しています

 

そんなシューマン氏が、バーテンダーを志した理由を聞くと、特別なものではありませんでした。そこには当時のバーを取り巻く環境が関係していたとも言えるでしょう。

 

「当時のバーの仕事は人気が高くなくて、比較的だれでも働けたんです。若いころはとにかく生活していかなければなりませんでしたから、アルバイトのひとつとして選んだのが、たまたまバーだったんですよ」(シューマン氏)

 

とはいえ、幼いころの記憶に刻まれていたお酒があったそう。それが「カンパリ」。今回のイベントにもつながっているのですが、シューマン氏の人生において欠かせないのがこの銘酒なのです。当時の思い出を教えてくれました。

 

「幼少期、休暇になると家族でよくイタリアに遊びに行っていました。私は子どもだったのでエスプレッソを飲んでいましたが、大人にはカンパリが大人気でしたね。すごく冷えていておいしそうでした。そして香りがよく、鮮やかな色合い。その原体験が、私のバーマンとしての人生に大きな影響を与えていることは間違いありません」(シューマン氏)

 

↑事実、シューマン氏はミュンヘンに、カンパリ専門のバー「シューマンズ カンパリーノ」を出店しています(写真:オフィシャルサイトより)

 

バーの魅力は“人”に尽きる!

今回のイベントは「ネグローニ」というカクテルの誕生100周年を記念して開催されたもの。そして「ネグローニ」に欠かせないリキュールが、何を隠そう「カンパリ」です。

↑「カンパリ」は様々なハーブや果実から作られており、北イタリアの小都市・ノヴァーラで誕生。以来150年を超える歴史を持ち、いまや世界190か国以上で愛飲されています

 

また、「ネグローニ」は歴史があるだけでなく人気も圧倒的で、「ワールド50 ベスト・クラシック・カクテル2018」という世界の人気カクテルランキングでは堂々の2位。そしてほかにもカンパリを使ったカクテルが多数ランクインしています。

↑カンパリ、ジン、ヴェルモット・ロッソ、オレンジスライスが「ネグローニ」の定番レシピ。なお12位の「ブールバルディエ」、37位の「アメリカーノ」もカンパリがベース

 

カリスマバーテンダーであるシューマン氏の愛するカンパリが、世界のカクテルシーンを席巻している。この事実は偶然ではないかもしれません。改めて、カンパリの魅力を聞いてみました。

 

「豊かで複雑味のある、86もの多彩なアロマでしょう。あとは楽しむ環境です。イタリアではアペリティーヴォ(食前酒)というんですが、ドイツでも南ヨーロッパでも、この時間がとても大切なんですね。そしてアペリティーヴォの定番といえばカンパリ。夜のカクテルタイムでもいいですが、ぜひ食前にも味わっていただきたいですね」(シューマン氏)

 

↑旅も好きなシューマン氏。日本にはバー用のグラスやツールに素晴らしいプロダクトがたくさんあると言います

 

イベントではシューマン氏自身も「ネグローニ」をクリエーション。併せて、シューマンズスタイルも教えてくれました。

 

「ネグローニはアルコールが高いので、酔っ払いやすいお酒でもあります。なので、私はジンを少なめにしています。そしてソーダは入れません。フルーツはオレンジやレモンなどのシトラスでもいいですけど、バジルもオススメですよ。とはいえ、多彩なフレーバーがありますから、あえて上のせする必要がないともいえます」(シューマン氏)

 

↑もし料理を合わせるなら、ハムやバターを塗った黒いレーズンパン。日本の料理ならおしんこのような野菜の酢漬けだとか。また「日本のポテトサラダはおいしい!」とのコメントも

 

最後に、バーの魅力や楽しみ方も聞いてみました。

 

「お酒のおいしさも重要ですけど、インテリアなどの世界観も魅力です。そして一番大切なのは、その雰囲気を生み出すバーテンダー。どういう人が働いて、作っているか。だから、そのお店の顔となる人物が常にいるバーが私は好きです。そして彼らのホスピタリティも大切。日本語で言えば『おもてなし』ですね」(シューマン氏)

 

日本において、バーは敷居が高いと思われがちかもしれませんが、興味がある方はまずは「ネグローニ」を。また、アロマが豊かなカンパリは、オレンジジュースやトニックウォーターなどで割るだけでも簡単においしいカクテルが作れます。ぜひ自宅でもチャレンジしてみましょう!

 

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