いま考えられる最高の味は“すっぴんのおいしさ”
一番搾りは、これまで何度もリニューアルを遂げています。それは時代のニーズや消費者層、し好の変化にフレキシブルに応えてきた証とも言えるでしょう。過去をさかのぼると、最大の刷新は2009年。ちょうど10年前です。
その5:おいしさのためなら素材も見直す
それまでは一部に米、コーン、スターチを使っていましたが、ドイツの「ビールは麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」という“ビール純粋令”に従い、副原料の使用をやめたのです。その理由を、同社の田山智広マスターブリュワーが教えてくれました。
「伝統的に日本のビールには、味をすっきりさせるために米などを使う銘柄があります。逆にいうと、麦芽100%のビールは、日本人の嗜好的には味が重いと思われてきたんですね。ただ、その嗜好が多様化するとともに、副原料を使わなくても“狙いたいすっきり感”が実現可能になりました。そこで、一番搾りは純粋令を意識した麦芽100%にシフトしたんです」(田山さん)
ある意味、ビール造りの原点に立ちかえったともいえる10年前の大革命。その後2017年にも大幅刷新し、最新の2019年のリニューアルでは2年前の仕上がりからさらに進化させたのだとか。
「具体的には秘密ですが、“ホップの化粧を薄くした”とでもいいましょうか。苦みやフレーバーの決め手となるホップの香味をシンプルにしたことで、すっぴんのおいしさを実現し、大好評を得ました。それを今回さらにパワーアップさせたんです。一方で、ホップの魅力は毎年秋限定の『一番搾り とれたてホップ生ビール」で、いっそう訴求していきますよ!」(田山さん)
田山さんは「いま考えられる最高の状態に仕上がっています。このおいしさをひとりでも多くの方に実感していただきたいですね」とも。ただ、その探求は終わることはなく、これからも変化をいとわずどんどん進化させていきたいと展望を教えてくれました。ビールがますますおいしいこれからの季節。新しくなった一番搾りを、この機会に飲んでみませんか!
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