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2019/11/15 18:00

あの交差点から六本木を見つめて55年。「アマンド 六本木店」の今昔物語

 

今年のレトロ喫茶ブームのはしりが「アマンド」だ!

それまではトレンド感のあるカフェを意識したメニュー展開をしていましたが、そうではなく、「アマンド」にしかできない味の提供へとシフト。それが2017年よりはじまった「昭和パーラー」と「昭和食堂」シリーズです。同社の財産のひとつが、かつて使用していたメニュー表。一覧にあった料理を再現する形で実現が叶いました。

 

「『昭和パーラー』は、ミルクセーキ、フルーツポンチ、プリンアラモードといった昭和コンシャスなデザートが中心。青春時代を懐かしむお客様はもちろん、当時を知らない若い方々にはむしろ新鮮に感じられるようで人気を博しています」(御園さん)

 

↑「長寿卵のなめらかプリンアラモード」(単品1320円、ドリンク付1520円/税込)。神奈川のブランド卵による濃厚なプリンのほか、いちごアイスやフルーツなどが盛り合わせ

 

一方の「昭和食堂」は、昭和40年ごろに開業して隆盛を誇った同店のレストラン業態の料理を復刻したもの。こちらは、実際に当時の厨房で腕を振るっていたコックを招へいすることで、よりリアルな味が再現されています。

 

「定番だったハヤシライスやナポリタンをはじめ、王道の洋食が中心ですね。さすがにレシピは残っていませんし、調味料や食材に関しては現存しないものもありますが、当店ならではのおいしさが再現できていると思います。なかにはレアな一品もあり、たとえば『スパゲティコスモポリタン』は、いまや幻ともいえる洋食メニュー。その珍しさから、ご注文いただくお客様も多いですね」(御園さん)

 

↑「スパゲティコスモポリタン」(1200円/税込※サラダ&ドリンク付きのランチ価格)。海老のうまみが生きたアメリケーヌソースを、デミグラスソースにブレンドした一皿です

 

新生「アマンド」として舵を切ってから約3年。いまでは六本木店の立地のよさやブランド力を生かし、同店のPRはもちろん情報発信の場として他業種とのコラボレーションも。デジタルサイネージを使ったり、インストアイベントの場を提供したり、事業を多角的に展開しています。

 

「最新の取り組みのひとつが、JA全農ふくれんさんとタッグを組んだ、『ふくおかブランド』食材を使った季節限定メニューです。2020年の2月まで月替わりで提供しますので、これからもご期待ください!」(御園さん)

 

↑「はやみかんのデザートシェイク」(1100円/税込)。福岡オリジナル品種「早味かん」の糖度の高さを生かした、自然でありながら甘さ抜群のおいしさです

 

↑「いちじくのナポレオンパイパルフェ」(単品1100円、ドリンク付1300円/税込)。蜜のような甘さの「博多とよみつひめ」と甘酸っぱい「ほうらいし」、2種のいちじくを使い、ミルフィーユ生地をあしらった贅沢なスイーツです
※上記「いちじく」・「みかん」のメニューは10月31日(木)で終了。

 

今年のフードトレンドのひとつがレトロ喫茶。「固めプリン」「プリンアラモード」「サンデー」などが再評価され、レトロ喫茶がテーマの新店がオープンしたり、スタバがレトロフェアを催したり。その流行に先駆けて展開していたのが、むしろレトロ喫茶の本家「アマンド」だというのは、なんとも興味深いところです。

 

↑「アマンド 六本木店」の1階。現代的な雰囲気のなかに、古き良き喫茶店の意匠が息づいています

 

また、古典喫茶をはじめ日本のコーヒー文化を長年支えてきた「キーコーヒー」が「アマンド」の再建に名乗りを上げたというのもいい話。前述しましたが、同社は来年創業100周年ということで、その際には改めて「キーコーヒー」の歴史を紹介したいと思います。

 

【SHOP DATA】
アマンド 六本木店
住所:東京都港区六本木6-1-26 天城ビル1F・2F
アクセス:東京メトロ日比谷線ほか「六本木駅」3番出口徒歩すぐ
営業時間:日〜木土祝10:00〜23:00、金10:00〜翌3:00
定休日:なし

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