「K5」が兜町・茅場町再活性化の起点となる
最後はホテルの話を。2〜4階は「HOTEL K5」となり、20〜80平米の客室が20部屋用意される。コンセプトは「都市における自然との共存」とし、五感に訴えかけるシンプルで上質なホテルがモットーだ。
インテリアやプロダクトの設計は、スウェーデン・ストックホルムを拠点として活躍する3人の建築家のパートナーシップ「CLAESSON KOIVISTO RUNE」率いるデザインチームが担当。建物が醸し出す重厚感ある外観と、東京に点在する自然そのものからインスパイアされ、先鋭的でありながらもその場所における「時の重なり」や「日本の伝統」を意識したタイムレスなデザインとなっている。
↑20部屋のほとんどが40平米前後。宿泊は1泊約2万〜15万円/部屋。宿泊予約は、「K5」オフィシャルサイトや各種宿泊予約サイトで受付中
数年前から、東京を中心にホテルの開業ラッシュが続いているが、その多くはやはり、東京オリンピック・パラリンピックを想定されたもの。だがこの「K5」はその枠を超え、ひとつの大切なミッションをはらんでいる。それが「日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト」。同エリア全体の魅力を高める取り組みとして、地域にある資源を利活用し、街に新たな機能や文化をつくり出すという計画である。
日本橋兜町は明治以来、渋沢栄一が邸宅を構えていた地で、日本で初めて銀行や証券取引所などを起こしたことから、「コト始めの街」「投資の街」「証券の街」としての地歴を有する街。
↑「K5」は1923年(大正12年)築の、元第一銀行の外観・躯体はそのままにリノベーションした建物。西洋建築の様式を多く取り入れ、当時としては最先端の技術が用いられた
↑再生した建物を道側から
↑窓からは、向かいに東京証券取引所を望める
その魅力を掘り起こすべく立ち上がったのが再活性化プロジェクトで、コンセプトは「REVITALIZE(新しい命を吹き込む) THE CITY」。「K5」の開業によって感度の高い人々が自然と集まるようになり、まわりに多様な施設ができ、街全体が色づき活気づいていく――そんなビジョンが掲げられている。
たとえばそれは、ゴーストタウンだったブルックリンが、クリエイターたちの移住と活躍によってアートな街へと変貌したように。ちなみに、ブルックリンの再生に、ビールで貢献したのが「ブルックリン・ブルワリー」。世界初の旗艦店として「B」がここに誕生した理由には、街の活性化への熱いパッションもあったに違いない。
↑「K5」のエントランス。飲食フロアやの客室の床は、97年前のコンクリート躯体をそのまま活かすなど、いたるところに新旧の息吹を感じられる
日本橋兜町全体が再活性するきっかけとなりそうな、”点”である「K5」。同館の今後の躍進はもちろんこと、日本橋兜町や茅場町が今後どう変貌し、どんな店や施設が集まって生業が生まれ、どう盛り上がっていくのか。この街の再興の道のりを、注目していきたい。
※価格はすべて税抜
【SHOP DATA】
K5
住所:東京都中央区日本橋兜町3-5
アクセス:東京メトロ東西線・銀座線、 都営浅草線「日本橋駅」徒歩5分、東京メトロ東西線・日比谷線「茅場町駅」徒歩5分
https://k5-tokyo.com
↑建物は、国内初の銀行として建てられた築97年の歴史的建造物を再生。地下1階~地上4階からなり、ホテル、レストラン、ビアホール、バー、コーヒースタンドが入っている ↑店内。「B」の営業は16:00~23:00。120席の広い空間では音楽やアートが楽しめ、Tシャツなどのオリジナルグッズも販売 ↑「ブルックリンウィンターラガー」 ↑「ブルックリンロゼデヴィル」 ↑左から3本目の、同店だけで飲める「インテンシファイド コーヒーポーター」(4500円/大瓶)は、ブルーボトル社とコラボしたビール。バニラのような香りとコーヒーのアロマが芳しい ↑タコスのトルティーヤ生地も店内焼きで、ソフトタイプ。「アルパストール(豚)」(350円)や「レングァ(牛たん)」(450円)がラインナップ ↑制作中のアート。テープでマスキングしたあと、スプレーで色付けしていく ↑中山誠弥さん。元々「ブルックリン・ブルワリー」のファンで、本国のブルーパブの壁画も手がけている ↑「CAVEMAN」は7:30~11:00(モーニング)/18:00~23:00(ディナー)が営業時間。15:00〜23:00(火曜〜金曜は18:00〜)は、隣のスペースがワインバーとして営業する ↑メニューの一例。揚げた菊芋と黒にんにくに焦がしバターを絡め、鹿の心臓の燻製(写真左上)を削ってかけた一皿(中央下)、ブリオッシュのロースト(右)、羊肉の生ハム(右上)など ↑営業時間は7:00~17:00。同店がエントランス側となり、棚を隔てた奥が「CAVEMAN」だ ↑コーヒーはホット450円、アイス500円で提供。ティーやチョコレートドリンクは、取材時点では「COMING SOON」となっていた ↑「青淵」の営業時間は14:00~翌1:00。図書館とバーが一体化したサロンとなっており、兜町という日本の国際化・資本主義のはじまりにあった街から、その夢を追想できるような空間だ ↑バーテンダーとして数々の受賞経験をもつ野村氏。現在はドリンクコンサルタント会社「ABV+」も運営している ↑20部屋のほとんどが40平米前後。宿泊は1泊約2万〜15万円/部屋。宿泊予約は、「K5」オフィシャルサイトや各種宿泊予約サイトで受付中 ↑「K5」は1923年(大正12年)築の、元第一銀行の外観・躯体はそのままにリノベーションした建物。西洋建築の様式を多く取り入れ、当時としては最先端の技術が用いられた ↑再生した建物を道側から ↑窓からは、向かいに東京証券取引所を望める ↑「K5」のエントランス。飲食フロアやの客室の床は、97年前のコンクリート躯体をそのまま活かすなど、いたるところに新旧の息吹を感じられる