ハマの赤いドラゴンは直球ならニラレバ、変化球ならパイコーで攻略
ご飯や酒のお供に人気の料理が「ニラレバ炒め」だ。特徴はガツンとした味わいとボリューム感。「提供するお皿、間違えてないですか?」と思わんばかりになみなみと、たっぷり盛られて提供される。
レシピとしては、特製しょうゆダレと中華スープを軸に、うまみ調味料、塩こしょう、酒などで味を調え、砂糖でインパクトを決定付ける。野菜はにら、もやし、にんじん、玉ねぎだが、特筆すべきはレバーだ。人気メニューであるため出数が多く、ためらうことなく毎日新鮮なものを仕入れられるので、嫌なくさみがなく食感にもハリがある。
最後に紹介する料理は、ご飯メニューの人気者「パイコーハン」だ。これはパイコーというとんかつの中華あんかけご飯なのだが、本格中華風の味付けがされているためエッジがあるのが一般的。パワー系中華の同店なら、その破壊力も絶大なのである。
パイコーの豪快さもさることながら、白菜、にんじん、玉ねぎ、たけのこ、長ねぎ、もやし、しいたけ、小松菜と具だくさんでトータルとしての満足度が高い。肉は豚ロースを使用し、下味にカレー風味の香辛料を使っているのが特徴。あんかけはほかの炒め物同様の味付けにしたあと、ラストに八角などが香る「五香粉」(ウーシャンフェン)という中華スパイスをあしらい、肉とあんかけに用いた風味付けがオリエンタルなおいしさを醸し出す。
同店の創業は1979年で、40年以上ここに根を張っている。価格の安さは長年の取引先とのよしみもあるが、界隈に居酒屋など数軒の系列店があり、大量仕入れができるというスケールメリットも関係している。そのなかでも特に人気なのが「龍王」で、20年以上前にスタッフ用のスペースなどをなくして客席を拡張したほどだとか。
冒頭で述べたように、横浜には中華街やシウマイなどもあるが、そもそも中華料理のレベルが高い地であり、街中華もハイクオリティなのだ。その代表格がこの「龍王」。龍とはしばしば神の化身にたとえられるが、その王であるという店名は誇張でも何でもない。安定的な人気の高さは、横浜が誇るキングオブ街中華といっていいだろう。
撮影/我妻慶一
【SHOP DATA】
龍王
住所:神奈川県横浜市西区南幸1-5-24
アクセス:JRほか「横浜駅」西口徒歩3分
営業時間:月~金曜11:00~22:00(L.O.21:15)、土、日曜、祝日11:00~21:00(L.O.20:15)
定休日:なし
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