牛乳、シナモン、ホットetc何でもござれの多様性
筆者も、ストレートから飲んでみました。うん、これはイイ! 樽熟成された原酒の深い甘味と、オレンジなどを思わせる温かみのある柑橘フレーバー。それにフローラルな香りやスパイシーなニュアンスも加わり、ボリューム感は十分。スモーキーさはなくてキレは強め。ボトルに「ピュア&MELLOW」とありますが、納得の素直さと、アフターには爽やかさもあると思いました。
次はハイボール。こちらも甘くスパイシーなタッチと樽香のウッディなアロマが印象的で、余韻は炭酸の刺激とも相まって非常に爽快。鬼頭さん曰く、グリーンレモンやライム、かぼすといった青い柑橘を加えるのがオススメとのことです。
そのあとは「キリンウイスキー 陸」の真骨頂を試すべく、ホットシナモンウイスキーを作ってみました。こちらは陸1に対して60℃のお湯を3~6加え、砂糖と少量のシナモンをあしらった飲み方です。
ホットシナモンウイスキーは、ミルクが入ってないチャイのようなニュアンスがあります。ウイスキーの香ばしいスパイシーさとシナモンがマッチし、そこに砂糖の甘さが加わってまろやかなテイストに。カレーのようなエスニック料理、またはスイーツ全般とも好相性だと思います。
そして最後にトライしたのは牛乳で割る飲み方。「陸 ウイズ ミルク」と呼ぶそうで、もはやカクテルです。氷を入れたグラスに陸1、ミルクを4~7で混ぜ、好みでガムシロップを加えるレシピは「大人のミルクセーキ」とのこと。
もっとまろやかなイメージでしたが、想像以上にすっきり。これは筆者がガムシロップを入れなかったから、もしくはアイスで飲んだからかもしれませんが、スモーキーさのない素直な甘香ばしさをもった「キリンウイスキー 陸」だからこその、スムースな飲み口なのだと思いました。
ウェビナー終了後、ウイスキー事業を統括している根岸修一さんから開発ストーリーを聞くと「国産ウイスキー原酒の制約が各社あるなか、ウイスキーの新提案ができず、お客様の心のなかで、ウイスキーへの期待値が”こんなもんだ”という程度になっていたという背景があります。そこでいままでにないうまさ濃い口のウイスキーを発売することで、ウイスキーの楽しさを感じてほしいと考えました」とのこと。
また、白バックに黒文字というデザインの狙いは、余分な要素をそぎ落としたシンプルな高級感を追求したからだそうで、500mlにしている(この手のウイスキーは700mlが一般的)理由は手ごろな価格に抑えるためだとか。ほかにも、ウイスキーの世界観は重厚になりがちですが、「キリンウイスキー 陸」の公式サイトは明るいタッチで女性にもウケがよさそうなデザインです。
味わいも、ターゲットもダイバーシティな要素に満ちた、新時代のウイスキーといえる「キリンウイスキー 陸」。本格派ながら良心価格というポジションに、個人的には惜しまれつつつ終売した銘酒「ウイスキー富士山麓 樽熟原酒50°」のDNAも。スーパーはもちろんコンビニやドラッグストアなどでも販売されるそうなので、見かけたら要チェックです。
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