板海苔以外の、ペースト、シロップなどへの挑戦
ーー現在もお茶・海苔を使った様々な商品がありますが、どのようにして商品化が決まるのでしょうか。
小杉 商品化する際には、必ず試作品を作り、弊社の社長(10代目)が試飲・試食をしてOKが出ないと実現には至らないです。特に「味」については、「絶対に美味しいもの」という自信がないと商品化には至りません。
一方で、すでに商品化しているお茶・海苔については、新しい試みにも取り組んでいます。海苔であれば、「板海苔」としてだけじゃなく、「海苔ペースト」にしたり、かき氷にかける「海苔シロップ」に転じたりして、「山本山 ふじヱ茶房」のメニューに取り入れたりしています。
「山本山 ふじヱ茶房」で「宇治玉露」をいただきました!
ーー「山本山 ふじヱ茶房」でのメニューの展開もまた、「本物を使って、新しい物を提供し続ける」ということの一環ですね。
小杉 例えばデジタルデバイスやファッションですと、シーズンごとに新商品が出てきて新しい体験を提案することが多いと思います。お茶・海苔は天然の素材ですから、そんなに頻繁に新しい展開はできません。でも、だからこそ諦めずに考え続け、より良く新しい体験をご提案していければ良いなと思っています。こういった試みは、330年以降の未来にも続けていきます。
日本人に美味しいお茶を広め、さらに、海苔の楽しみ方を提案した山本山。話をお聞きし330年の歴史の重さを感じると同時に、常に実践されているという「より多くの人に美味しいものを提供する」「新しいものを提供し続ける」という試みにも感動と興味を持ちました。これから先の山本山の展開にも、要注目です!
■山本山 ふじヱ茶房
東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング1階
TEL:03-3271-3273
※10月〜当面の間の営業時間:午前11時~午後7時(午後6時ラストオーダー)
撮影/我妻慶一
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