ボリュームと可愛さは日本一⁉ 関西の月見団子
「関西の月見団子は、しずく型のお団子にあんこが巻いてあるのが特徴です。平安時代のお供えの主流であった里芋をイメージしているという説や、雲がかかった月をイメージしているという説があります」(料理家・梶山葉月さん、以下同)
【材料(10個分)】
・上新粉…200g
・片栗粉…大さじ2
・砂糖…大さじ1と1/2
・お湯…200ml
・こしあん…270g
【作り方】
1-2.関東のレシピと同じく、まずは材料を混ぜて生地を作っていきましょう。
3. しずく型にして茹でる
「いったん丸めてから、手の平で挟むようにしてしずく型にしていきます。少し大きいので、茹でる時間は7~8分。浮いてきたら取り出し、水であら熱をとってください」
4. 団子にこしあんを巻きつける
バターナイフなどを使って、ラップにあんこをのばします。その上に茹で上がったお団子を乗せ、ラップごと包むように巻いたら完成です。巻きつけた後に少し押さえると、ラップからはがれやすくなります。
県民ならではの通な食べ方も紹介! 静岡の月見団子
静岡の月見団子は「へそもち」とも呼ばれ、上が少しへこんでいるところが特徴です。このお団子のはじまりには、幼少時代の徳川家康が関係していると言われています。諸説ありますが、徳川家康が人質として静岡の駿府城で暮らしていた際、「元気に育って欲しい」という願いを込めて家来が作ったものなんだとか。
「おへそを模した形は、子どもが胎内で母親から栄養をもらっていたイメージから考えられたのだと思います。 また、昔はこのお団子を新米で作るルールがあったそうです。新米が採れる時期がちょうど中秋の名月の頃に当たるので、月見団子として食べられるようになったと言われています」
【材料(15個分)】
・上新粉…200g
・白玉粉…30g
・砂糖…大さじ2
・お湯…180ml
・粒あん…適量
【作り方】
1-2.関東のレシピと同じく、まずは材料を混ぜて生地を作っていきましょう。
3. へそ形にして茹でる
15等分にした生地を平たく丸め、真ん中に指でくぼみを入れましょう。「お団子の上半分をへこませるくらい押して大丈夫です。くぼみが入っている分、火の通りも早いので、3~4分茹でたら浮いてきます」
4. あら熱が取れたらバットに移し、ピラミッド型に重ねる
取り出したら冷水であら熱をとり、バットに入れておきましょう。お供えする時には、関東と同じようにピラミッド型に重ねていきます。
つまみ食いもOK!伝統行事を気軽に楽しもう
「十五夜ならではのイベントとして、お供えされたお団子を子どもが盗み食いする『月見泥棒』という風習もあります。お団子がなくなっていれば、神様の使いがお団子を食べてくれたと捉え、縁起の良いものとされているんです。つまり十五夜とは、つまみ食い大歓迎な行事なんですよ! そんなお月見に関する豆知識を語りながら、お子さんと一緒に作ってみるのも良いかもしれませんね。伝統行事だからと気負わず、好きなように楽しんでもらえるとうれしいです」
シンプルなようで意外と奥が深い月見団子。意味や歴史を知ると、食べるのがより楽しくなりますね。今年は様々な地方のお団子を作って、食べ比べてみてはいかがでしょうか?
【プロフィール】
料理家 / 梶山葉月
テレビ・CMの料理監修、器のスタイリング、企業向けレシピ考案、ケータリングなど「食」のトータルコーディネートを行っている。13年以上 『秘密のケンミンSHOW 極』(日本テレビ系列)でフードコーディネーターを務めており、地域の特産物や生産物を活かしたレシピ開発や郷土料理が得意。最近は、家庭でつくれる和食や、地方の郷土料理を次世代に伝えるべく、活動の幅を広げている。
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