江戸前寿司の起源といえば屋台寿司。その伝統を受け継ぐ立ち食い寿司の店が、近年人気を集めている。対して、安くておいしい庶民の味である回転寿司には、大手チェーンだけでなく、独立店あるいは小規模チェーンとしてオリジナリティのある店が多い。また、回転レーンなしで客の注文に丁寧に応えつつ、安さとうまさを両立する老舗からも目を離してはいけない。
本稿では、“名店”と評判の立ち食い寿司店や回転寿司店を紹介していく。首都圏を中心に安定した人気を誇る店、北海道や石川など地方から鳴り物入りで進出してきた店、町場の店に匹敵するサービスと味を提供する店など、様々な営業スタイルをもつ店を網羅。店舗の看板メニューやサイドメニュー、店内・外観の写真を豊富に織り交ぜ、店のこだわりと魅力を余すところなくお伝えしよう。
■本日のお店
幸寿司(こうずし)
住所:東京都国立市西2-12-44
交通:JR中央線 国立駅徒歩12分
スタイル:安旨寿司
握りと同じネタを使った超デカ盛り丼にビックリ!
創業26年の「幸寿司」は上質のネタを提供する“町場の寿司屋”。だがこの店に、安くてうまいデカ盛り丼「びっくり丼」がある。普通盛りで2合の酢飯に約15種類のネタが乗り、なんと900円だ。
元々は、近くにある一橋大学の学生向けの裏メニューだった。儲け度外視で、学生に魚の本当のおいしさを知ってもらうために始めたという。
魚は築地や府中、川崎などの市場を回って吟味。白身や光り物はネタによっては少し寝かせてうまみを出すなど、仕込みにもこだわる。
店には地元の人が多く訪れるほか、学生がバイト代を貯めて食べにくる。ちなみに近年、びっくり丼を面白半分で頼む客がおり、残すと罰金を取ることに。全部おいしくいただくのがマナー。絶対に守ろう。
※価格やネタは変動する場合があります。