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2016/7/31 19:41

「東京の酒なんて……」は残念すぎ! 本当の「通」が嗜む東京・埼玉の日本酒ベスト4

日本酒の造りには、きれいな水や冷涼な気候といった自然環境が重要です。その点から、都市化が進んでいる東京、埼玉でおいしいお酒など造れるわけがない、と思っている人は多いのではないでしょうか? しかし、そんな偏見から同地域の日本酒を敬遠するのは、実にもったいない話です。なかでもここで紹介する4銘柄は明確な個性を持ち、全国的にも名が知れた(あるいは知れつつある)銘柄ばかり。偏見を乗り越え、これらのお酒を抵抗なく楽しめることこそ本当の「通」といえるでしょう。ぜひあなたもチェックしてみてください!

 

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埼玉県

荒川・利根川の二大水系がまろやかな酒を造る

江戸に近いため、古くから酒造業が盛んな地。荒川と利根川流域と秩父周辺などに蔵があり、荒川・利根川の二大水系の伏流水を使って酒を仕込んでいます。生産量は意外にも多く、約16862㎘(※)で全国4位。全体的に軟水のため酒質は口当たりが良く、まろやかな酒が多いです。

※2013年4月~2014年3月時のデータ

 

埼玉県その1

キレ味が良く濃い味の料理にも合う!

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神亀酒造[蓮田市]

神亀(しんかめ)

純米清酒

3188円(1.8ℓ)

1987年、戦後初めて全量を純米酒に変えた蔵。その素朴な味わいには固定ファンが多いです。本品は2年以上常温で熟成したもの。斧のような切れ味が特徴で、焼き肉やトンカツなど濃い味の料理にもぴったり。定番の燗にすると味わいがいっそう引き立ちます。

【蔵元が語る地元との関わり】

荒川の伏流水を地中500mから汲み上げて使用

銘柄名は、かつて蔵の裏手にあった天神池に棲むといわれた神の使いの亀にちなんだもの。仕込み水には、秩父系荒川の伏流水を地中500mから汲み上げて使用しています。水も大事ですが、米も大事。また、酒造りで最も大切なことは純米酒であること、お燗にしておいしいことだと考えています。

 

埼玉県その2

フルーティな香りはエレガントのひと言!

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南陽醸造[羽生市]

花陽浴(はなあび)

純米大吟醸 無濾過生原酒

6800円(1.8ℓ)

伝統製法で丁寧に醸す埼玉県羽生の蔵。花陽浴(はなあび)は、「太陽の陽差しを浴び大輪の花を咲さかそう」という蔵人の思いから命名され、現在は日本酒居酒屋でも扱う店が増えています。本品は40%精米の大吟醸で、フルーティな香りと透明感を持つエレガントな味わいです。

【蔵元が語る地元との関わり】

県内の地酒販売店と良好な関係を継続

「花陽浴」のブランドを立ち上げた最初の3年間は、埼玉県内の地酒販売店のみとの取引でした。その当時からの礎があるため、現在でも県内の多くの販売店と良好な関係を保ち続けています。

 

 

東京都

江戸幕府の援助で発展し現在も多摩川流域や東村山などで操業

人口は約1339万人で、日本酒の消費量も約68265㎘(※)と1位。江戸時代に幕府の援助で酒造業が発展し、都市化が進んだ現在でも、多摩川流域や東村山などで蔵が操業しています。良質な地下水や伏流水に恵まれ、中硬水の水質から、軽快ですっきりした酒が造られる傾向にあります。

※2013年4月~2014年3月時のデータ

 

東京都その1

爽やかな吟醸香とほどよいボディ

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豊島屋酒造[東村山市]

屋守(おくのかみ)

純米中取り 無調整生

2992円(1.8ℓ)

1596年(慶長元年)に創業し、400年以上の歴史を誇る蔵。屋守は若き蔵元、田中孝治氏が平成14年に生み出した銘柄です。本品は爽やかな吟醸香を放ち、若々しさも感じられますが、ほどよいボディで食中酒として優秀。ユニークなラベルの効果もあって、近年評価を上げつつある銘柄です。

【蔵元が語る地元との関わり】

地下150mから汲み上げた自慢の水を仕込み水に

当蔵は東京・神田で創業。かつて、先祖が醸造した白酒が評判となったことで、ひな祭に白酒を供える習慣が始まったといわれています。現在、原料は他県から購入していますが、仕込み水には敷地内にある地下150mの深井戸から汲み上げた自慢の水を使用しています。

 

東京都その2

米の旨みが生きた「ザ・純米酒」で燗も美味!

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野崎酒造[あきる野市]

喜正(きしょう)

純米酒

2376円(1.8ℓ)

自然豊かな秋川渓谷の入口に位置する蔵。東京の蔵ながら、都心部より3〜4℃低い気候、良質な水を生かした酒造りに定評があります。本作は米の旨みと酸が調和する純米酒らしい味わい。燗だとまろやかさが増し、より美味です。

【蔵元が語る地元との関わり】

地元で大切に守られてきた酒造りに最適な水で仕込む

仕込み水は、蔵正面の戸倉城山より湧く伏流水を使用。この水は古くから地元・戸倉の人々の生活用水として用いられ、現在でも大切に維持管理されています。水質はやや軟水で、酒の品質を劣化させる鉄やマンガンが非常に少なく、酒造りに適した水となっています。

 

首都圏でも、おいしい日本酒が造られていることをおわかりいただけたでしょうか。また、東京では今年、港区にある蔵に新たに醸造免許が下りて、仕込みが始まったといいます。こちらも楽しみですね。